78年1月23日、ニューヨークMSGの定期戦にヨーロッパ、メキシコ、アメリカで修行を積んだ藤波辰巳が登場、WWWFジュニア・ヘビー級王座戦に挑みました。
MSG決戦には、テレビ朝日のワールドプロレスリングの中継が入り、桜井さん、実況の舟橋慶一アナウンサーもニューヨーク入り。
大雪となったMSGの正面エントランス前で舟橋アナ、桜井さんが試合の前説を行っています。
MSG決戦の模様は1月27日のワールドプロレスリングにおいて早くも放送されました。
続いてカメラは観客席からリングを移しました。当初、藤波はWWWFジュニア・ヘビー級王座決定戦に出場すると発表されていましたが、蓋を開けてみると、王者は既にカルロス・ホセ・エストラーダ(この時点ではまだ未来日)に決まっていました。
新しいベルトを観客にアピールするエストラーダ。赤のショルダータイツのコスチューム。
続いて藤波が背中に龍の絵が書かれた濃紺のガウンで颯爽と入場、この時24歳になったばかり。
舟橋アナ「1978年1月のマジソン・スクエアガーデンの定期戦、今、リング上にチャンピオンのジョセ(ホセ)エストラーダが姿を現しました。プエルトリコ出身、カリブの虎鮫、タイガーシャークと言われておりますカルロス・ホセ・エストラーダであります。続いて、日本(ここは、スポーツ実況の伝統とも言うべき『ニッポン』という読み方)の藤波辰巳が入場して参りました。」
リングアナウンサーのハワード・フィンケルが両選手をコール。エストラーダは「ワールドワイド・レスリングフェデレーション、ジュニアヘビーウェイトチャンピオン」と付けられています。
舟橋アナ「桜井さんっ、6年ぶりに復活したWWWFジュニア・ヘビー級王座なんですが、当初藤波は王座決定戦に出場、という情報だったのですが、2か月前に王者がこのエストラーダに決まりましたね」
桜井さん「そうですねぇ、ロングアイランドのナッソー・コロシアムと言うところでエストラーダがトニー・ガレアと闘ってエストラーダがチャンピオンになった、と取材しました。」
海外マットに精通しているはずの東スポがこんな大事なことを見落としていたのか?
舟橋アナ「2か月前、昨年の11月下旬にエストラーダがWWWFジュニア・ヘビー級王者となっております。対する挑戦者、日本の藤波辰巳、アントニオ猪木二世であります。」
王座決定戦出場の予定が既にチャンピオンが決定していたという経緯については後からの「正史」ではMSG定期戦の行われる3日前の1月20日、ニューヨーク州ユニオンディールにあるナッソー・コロシアムでエストラーダとガレアの間で王座決定戦が行われ、エストラーダが勝って2代目王者になった、ということになっていますが、実際にそれを裏付ける資料や写真などは私は知らないです。
おそらく試合はやっておらず、ストーリーライン上だけで王者が決められていたのかと思います。アメリカ人の感覚で言えばこの辺りのディテールはアバウトであり、大した話ではないという認識かと思います。
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