まずチャック・ウェップナーが映画「ロッキー」のテーマ曲に乗って赤いフード付ガウン姿で入場。このロッキーのテーマはオリジナルサントラではなく、プロレスファンにお馴染みのメイナード・ファーガソンの演奏によるものでした。
次いで猪木が「炎のファイター」のテーマ曲で入場。
ウェップナーのセコンドはWWWFで長年ブルーノ・サンマルチノのマネージャーを務めて来たアーノルド・スコーラン(現役としては62年4月、日本プロレスの第4回ワールド・リーグ戦に1度だけ来日)。
猪木のセコンドはチーフに山本小鉄、以下若手がリングを取り囲みました。
猪木はこの試合、黒いオープンフィンガーグローブを着用、これを猪木に進言したのはデビュー2年目の佐山聡であったことが後に判明します。
試合は3分10ラウンド、レフェリーはザ・モンスターマン戦に次いで京都・日本正武館館長の鈴木正文、ジャッジには鬼の黒崎として知られる極真空手の強者で全日本キック、目白ジム代表の黒崎健時、遠藤幸吉。
舟橋アナ「桜井さん、チャック・ウェップナー対アントニオ猪木、猪木がウェップナーの長いリーチに勝てるのは、足でしかない訳ですが前半戦は探り合いの状況と言うよりは両者意外と早い時間に勝負をかけて来るかと思うんですが!?」
桜井さん「そうですねぇ、これは猪木君がパンチでですね、殴り合いに出た時は勝負は早いと思いますね。ただそうなった場合は猪木君不利ですよ。ですから猪木君としましてもヘビー級のボクサー相手にパンチで勝負に出るとは思えないんですね」
桜井さんは否定しながらも猪木がオープンフィンガーグローブを着用したことでウェップナーとパンチで渡り合う可能性が強いことを試合前から示唆するようなコメントをしています。
第1ラウンド、両者スタンドでのボクシングスタイルの構え、ウェップナーは猪木をロープに詰めて後頭部を何度も殴っていきました。
桜井さん「今ねぇ、ウェップナーが猪木君の後頭部をパンチで殴りましたけどねぇ、これはラビットパンチと言って反則なんですね」
舟橋アナ「この『ベイヨンの流血人』と言われるウェップナーが得意としている反則パンチですね」
桜井さん「そうです。これがプロボクシング元世界ヘビー級チャンピオンのソニー・リストンとやった時にリストンの顔面を切ったのがラビットパンチですね」
後頭部を狙ったパンチでリストンの顔面を切ったという話の整合性はともかく、ウェップナーがダーティーな手を平気で使ってくる危険なアウトローであることは間違いありません。
猪木はアリキック、ダメージは浅い、ウェップナーは組み付いてのボディブロー。猪木も怒ってパンチで殴りかかろうとします。
桜井さん「猪木君としてはねぇ、パンチで打ち合うよりはサイドに回った方がいいですよ!」
ウェップナーは猪木の後頭部めがけラビットパンチの連打。猪木はクリンチしてウェップナーをロープに詰めました。鈴木レフェリーが間に入ってブレイクを命じましたが、猪木は離れ際、ウェップナーが気を抜いた瞬間にパンチを顔面に一発。これも反則。
猪木は組み付いてウェップナーの上体を倒してグラウンドに引き込もうとしましたが、これはウェップナーが嫌ってロープエスケープ。ここで第1ラウンド終了、桜井さんの採点は5対5のイーブンでした。
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