時間は3日遡る。
元旦の朝、博人は愛瑠のいる社入りしていた。当初の予定通り、愛瑠には何の連絡もせずに。
驚くだろうか。きっと驚くだろう。東京からわざわざ来ているのだし。
と思いつつ、鳥居を抜け、敷地に入る。
博人「あー、うん、なんとなく分かってたけどよ」
人混みだらけ。アマテラスを祀っている社では天宮神宮に次いで数番目と聞く。人も多く参列しているのだろう。ざっとみて100・・・・いや200人はいるだろうか。見渡せるだけでそうどんぶり勘定できるのだ。敷地にどれだけいるのか。
そしてその中から愛瑠を見つける事ができるだろうか。社務所だろうか。お焚き上げだろうか。それとも本殿でなにか祭事でもしているのだろうか。3つめが可能性が高い。アマテラスの神魂をその身に窶せる愛瑠が表で雑務をしているとは到底思えない。ともあれ立っていても見つけられない。博人は適当に歩いて捜し歩く事にした。
みつからない。どうしても人混みに紛れているのか・・・・それとも?
と思っていると、アマテラスへの奉納の舞を行うというアナウンスがあったので本殿前にいってみると----------
いた。普通の巫女装束ではない、鈴鳴希望時代を彷彿とさせるセーラー服っぽい巫女装束に金の髪飾りに両手に扇をもった愛瑠が本殿前に設置された木造の仮祭壇(ただの板ばりの床だが)に立っていた。
愛瑠の舞は・・・・素人目でしかないか、完璧にもみえる。元旦というのもあってどこかこの世のものではないような・・・・神に捧げるというよりか女神が舞っているような。実際に愛瑠はアマテラスの依代なので間違いではないが・・・・
辺りの人達もその舞に目を奪われており、皆愛瑠に釘づけだった。
奉納の舞が終わっても拍手などは起きない。どこかそんなものをしてはいけない雰囲気もあって。
愛瑠「ふぅ・・・・つかれたぁ・・・・」
博人「お疲れさん」
賽銭箱の前でそのままの恰好で座っていた愛瑠に声をかけると・・・・予想通りの驚きリアクション身体が飛び上がったような錯覚さえ起きる驚き用である。マンガなら。
愛瑠「お、お兄ちゃん!?ど、どうしてここに!?」
博人「どうしてって、お前に会いに来たんだろ?」
愛瑠「そ、そっか。えへへ・・・・うれしいな」
久しぶりの恋人の再会。こんな人前で抱き付いたりはしないが、歓迎はしてくれているようである。暫く出店を回ったり、おみくじを引いたり(愛瑠は引かないが)して楽しんだ。社務所で’恋愛成就’の’お守りなんか買ったりして。
「天照様。そちらの方は?」
愛瑠「わたしの彼氏・・・・かな」
「あらあら。天照様はもうおませさんですね♪」
博人「おまえ、天照様って呼ばれてるのか」
愛瑠「やめてって言ってるんだけどね。お兄ちゃんこそなんでそんなお守りを?もう成就してるんじゃ?」
博人「してねぇよ。最終的な成就は結婚だからな」
「「「「きゃーーーー!!」」」」
社務所にいる巫女さんが黄色い声をあげる。なんやかんやはなしてるので、ここは冷やかされないうちに退散しよう。退散先は、紹介したい人達がいるというので居住区へと向かっていった。
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