日本にも馴染みの深かったイタリア系トップ外国人レスラー、マリオ・ミラノさん(以下、敬称略)が亡くなられました。享年81歳。
68年5月、日本プロレスに初来日、その後72年に国際プロレスに一度だけ来日した後は75年1月ににマスクマンのザ・バラクーダとして全日本プロレスに登場。
以降、マスクマン、素顔の両方で全日本のレギュラーとなりました。馬場好みの大型中堅ラフファイターとして、やはり今年9月10日に亡くなったムース・モロウスキーと並んで、名バイプレイヤーとしてその名を歴史に残しました。
実はミラノとモロウスキーには共通点がいくつかあります。同じ35年生まれで没年も一緒。
全日本にレギュラー参戦する前は国際に来日経験があり、さらに全日本でモロウスキーはマスクマンのジ・アベンジャーとしてザ・デストロイヤーの覆面世界一決定戦十番勝負第3戦の相手になり(74年10月5日、日大講堂)、ミラノはバラクーダとして第4戦(75年1月4日、後楽園ホール)の相手を務めています。
モロウスキーは73年10月6日、後楽園ホールでの鶴田の日本デビュー戦の相手(12分53秒、ダブルアーム・スープレックスからの体固めで負け)を務め、ミラノは77年6月11日、世田谷区総合体育館での天龍の日本デビュー戦の相手(メヒコ・グランデとのタッグで馬場、天龍組と対戦、12分9秒、天龍がグランデをローリング・クレイドルで破る)をしています。
いずれも馬場の絶対的信頼がなければ組まれないマッチメークでした。
さらに2人は素顔とマスクマンの両方でチャンピオン・カーニバルにエントリーしています。
素顔ではモロウスキーの方が早く、73年の第1回に出場、ミラノは79年第7回大会に参加。
マスクマンとしてはバラクーダが先で76年の第4回、アベンジャーは81年の第9回に参加。
今回は、私が個人的にチャンピオン・カーニバルの中で「最も面白かった」大会と勝手に定義着けている76年の第4回大会でのバラクーダの活躍を振り返り、短期集中連載でミラノの日本での功績を讃えたいと思います。
チャンピオン・カーニバルの第1回大会は73年3月17日、世田谷区総合体育館で開幕。旗揚げ後僅か半年で春の祭典を開催出来たのはやはりドリー・ファンク・シニアをブッカーとして協力な外国人勢を呼べたからでしょう。
この段階でまだ日本プロレスは活動しており、ワールド・リーグ戦の名称は使うことは出来ず。
よって優勝争いのトーナメントと並行して、参加外国人をにわか仕立てのチャンピオンにしてタイトルマッチを組むという「二本柱」でした。
マーク・ルーインが南半球ヘビー級王者、キング・イヤウケアが太平洋岸ヘビー級王者、カリプス・ハリケーンが中南米ヘビー級王者をそれぞれ名乗り、「チャンピオンのお祭り」というタイトル通りのシリーズ展開となりました。
トーナメント本戦は4月21日、福井市体育館で馬場がルーインを降し優勝しましたが、優勝決定戦=クライマックスではなく、4月24日大阪府立体育会館、25日日大講堂での馬場とザ・シークのPWF世界ヘビー級タイトル戦がシリーズの締めとなりました。
翌74年の第2回大会はデストロイヤーとアブドーラ・ザ・ブッチャーの血の抗争が大きな話題となり、バラエティー番組で見せるデストロイヤーの姿とは違ったシリアスな一面が話題を呼びましたが4回闘って決着つかず両者失格。
決勝は5月11日、前橋市群馬県スポーツセンターで馬場がミスター・レスリング(ティム・ウッズ)を破り2連覇。
日本プロレス活動停止によりこの年新日本プロレスがワールド・リーグ戦を初開催。
外国人勢は弱体ながら、決勝リーグ戦は日本側、外国人側による総当たりリーグ戦を開催、猪木vs坂口の同門対決(4月26日、広島県立体育館、30分時間切れ引き分け)が実現。興行人気で全日本は新日本に敗れてしまいました。
75年の第3回大会はトーナメント本戦の他に序盤戦にディック・ザ・ブルーザー、終盤戦にWWWFヘビー級王者ブルーノ・サンマルチノを招聘した豪華版でトーナメントにもジン・キニスキーが参加。
この年は敗者復活戦で鶴田と高千穂明久の同門対決が実現。(4月26日徳島市立体育館、鶴田が回転エビ固めで勝利)
さらにベスト4に関しては総当たりとするという新しい試みが為され、「馬場vs鶴田戦実現か?」と期待されましたが鶴田がMレスリングに2年連続で敗れベスト4に入らず。
5月3日、和歌山県立体育館で馬場がキニスキーに勝ち3連覇となりました。
一方、新日本は第2回ワールド・リーグ戦を同時期に開催、今回、予選なしの初総当たりリーグ戦を敢行、猪木、坂口、ストロング小林、大木金太郎、マサ齋藤らが死闘を展開。
全日本のファンからは「ワールドじゃなくて日本リーグ戦じゃないか」と揶揄されましたが、坂口と大木の遺恨試合もあり大会は大盛り上がりとなり猪木が2連覇。
この成功を見ていた馬場はついに日本人対決路線に乗り出します。
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