数日後。この日の恋美の最期の授業は体育だった。体育館でバスケットボールを終え、今、片づけを終えたところである。もちろん1人でではない。出席番号順に片づけ当番が巡っているのだが、男子は片づけを終えるとサッサと帰っていった。恋美は1人で遅れて更衣室へ。なぜ女子にだけ体育館に更衣室があるかは不明だが、まぁすぐに着替えられるので良しとはするが・・・・
そう、1人。友人1人、誰も待っていてくれていないのである。一応の為言うが、恋美はボッチではない。愛瑠は天宮再建の為にお祓いの仕事に行ったし、セリカも駆魔の仕事がはいっているらしい。言い方は違えど、両方共悪霊退治なのである。もちろん友人がこの2人という訳ではないが、体育が終わって放課後のこの日に・・・・早く帰りたいのである。皆。
恋美「まったく、アイツもどうかしてるわよね!!恋美をおいてくなんて。こ〜んな美少女残して帰るとか、どういう神経してんのよ」
一緒に片づけ当番をした男子に愚痴を言いつつ、更衣室へいこうと----------
したところで体育館に女子が入ってきた。その女子はキョロキョロと体育館を見回し、恋美を見つけると笑顔で手を振ってきた。その女子は・・・・女子ではなく------
蛍だった。蛍は笑顔でやってきたが・・・・恋美は逆に強張る。これから更衣室で着替えなのだ。そして相手は女装した、男。
恋美「こっち来んなばかぁ!!」
蛍「なんでいきなり罵倒されてるのボク!?」
恋美「みれば分かるでしょ!?体育の着替えよ!!入ってこないでよ!!」
そりゃ入る訳がない。入ったらきっと・・・・殺される・・・・。恋美が更衣室へ入ると、ドアの前までならいいだろうとドアまでいき、よりかかる。
恋美「は、入らないでよ!!いま脱いでるんだから!!」
実況しなくてもいいのに。
恋美「ちゃんとお肌のケアもしないと。・・・・で、あんた何用?恋美、着替え終わったら先生のトコに体育館のカギ渡してこないといけないから、サッサとして」
要するに、早く要件を言え、という事らしい。ならちょっと微妙な状況だが、話すとしよう。
蛍の相談とは、男子の告白の件。前回相談してからさらに1人、告白してきた事を報告。もちろん断ったが。これで二桁の男子の告白を断った事になり、’難攻不落の女子’とか言われるようになったとか。
恋美「あんたね。女装男のクセにモテすぎなのよ」
蛍「モテたいの?」
恋美「そりゃあね。でも、たった1人の人だけに告白されたら、それでもいいかなって」
蛍「けっこうロマンチストなんだ。だれか告白されたい人でもいるの?」
恋美「そ、それは・・・・って、今はアンタの話でしょ!?・・・・で?どうしたらいいって相談に来た訳?」
蛍「まぁ・・・・そんなとこ」
恋美「だから、前にも言ったでしょ?’好きな人がいる’とか言いなさいって。どうせ今回もただ’ごめんなさい’しただけなんでしょ?」
蛍「うん・・・・まぁ・・・・」
恋美「まったくこれだから・・・・。いい?次はちゃんと言いなさいよね。それにしても・・・・前の相談もこうして、敷居があったわね。プールのフェンス越しだけど」
確かに。前はプールのフェンス越し、今回は体育館の更衣室のドアを隔てての相談をしていた。
これは・・・・恋美と自分の距離だろうか。近くても・・・・遠いような。手が届きそうで・・・・届かないような。
恋美「それとも、’もう相手がいる’って言っちゃう?」
そういえばそんな対応策もあっただろうか。恋美はそう聞いて私服に着替えて出てきた。
蛍「まぁそれでもいいのかな。架空の相手・・・・か」
出来れば架空じゃないほうがいいような気がしないでもない。そして相手が目の前の女の子だったら・・・・。
恋美「じゃあ・・・・本物・・・・にする?」
蛍「・・・・え」
と言って、恋美は蛍を見つめた。なんとなく目が潤んでいるような・・・・。ドキドキしながらその目をみつめたが・・・・その返しの言葉が口からでない。その間に「冗談よ。バーカ♪」と言って恋美は体育館をでていった。
蛍「じ、冗談だったのか・・・・。そうだよね・・・・」
とはいえ、恋美が彼女ならどんなに良い事か。とはいえ、さしあたり、好感度アップイベントなどは-----------
蛍「・・・・いや。あった・・・・」
10月に行われる運動会。そこでいい成績をだせれば----------
さしあたっては・・・・まずはジョギング・・・・か?
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