1週間後。愛瑠と恋美が通う小学校に、1人の可愛い女の子が転校してくるという噂で朝は大騒ぎだった。
特に、男子が。
「転校生、すげー可愛いんだってよ!!」
「みたみた!!セミロングの子だろ?同じクラスだといいな」
「残念だったな。4年生だってよ。あとで見に行こうぜ!!」
「なんかあの小動物って感じのこう守ってあげたくなっちゃう感じがまたいいよなー」
「なんか辺りを赤い顔してキョロキョロみてたけど、なんだったんだ?」
「転校生で注目されてたからだろ。引っ込み思案って感じだったし、人に見られるのが苦手なんだろ」
そんな会話がクラスで男子がしていた。それを・・・・女子が面白くない顔でみている。
そしてそんなクラス中を恋美と愛瑠がジト目で眺めている。
愛瑠「男子も女子もなに一喜一憂してるんだか・・・・。・・・・蛍は男の子なのに」
恋美「まぁ皆しらない訳だし。3学期あたりに男だってバラしてみる?反応が見ものだわ」
愛瑠「バラさなくても、そのうちバレるんじゃないかしら・・・・」
始業チャイムが鳴り、1学年下では蛍が朝の会にて自己紹介をする事になった。
朝はおろしていた髪はショートツインテールになっていて、さわやかな白いワンピースのかわいらしい女の子。それが今日の蛍の恰好だった。
転校なんてした事がない上に気が弱い彼は、顔を赤くしてモジモジしてうつむいていた。担任に挨拶を促されたが、なかなか挨拶の言葉が出てこない。
蛍「は、はじぇまちて!!ボ、ボクはあ、綾小路、け・・・・ほたるでつぅ!!ご、ごめんにゃしゃい!!人前にでるのが苦手で、な、何を喋って良いのかわ、わきゃりましぇんけど・・・・よ、よろちくおにゃがいしまつぅ!!」
顔を赤くしてそう一気に言い切る。・・・・滅茶苦茶噛んでいた。
担任「か・・・・かわいい・・・・」
担任の男性教師は無意識にそんな事を呟いた。「ふぇ・・・・?」と男性教師をみると、担任は咳払いして、ホワイトボードに名前を書いた。
『綾小路 蛍』
蛍はホワイトボードに書かれた自分の名前をみた。
・・・・字づらだけみれば・・・・たしかに女の子っぽい。読みを’ほたる’にしたので余計にソレっぽい。本当は’けい’なのに。
担任はとりあえず蛍の席をどうするか考えた。蛍は知らない人と会話をする自信は無い。でもできれば隣は男の子であってほしい。見た目は女の子でも本当は男である蛍にとって近しい存在は男の子のほうがいいのだ。
しかしその思いは神様には届かず。隣の席は女子に決まった。まぁ女の子として編入しているので、女の子が隣になるのは仕方がないのだろうけども。
とりあえずそのまま1時間目の授業が始まる。その間、これからの事をどうするか考えなければ。とりあえずは相談してみなければ。
この学校には4年生に入った蛍の他に、5年生には姉の愛瑠に恋美、そして同じく5年生だが愛瑠と恋美とは別クラスにはセリカがいる。相談できるのはこのあたりか。ひとまず午前中は授業を受けつつクラスメイトの質問攻めに逢い昼休みの給食を終え、一目散に5年生の教室へと向かった。
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