解散したあと。奏鳴は1人、歩行者天国を歩いていた。
歌っている人。踊っている人。座って話し込んでいる人。仲には露店をしている人もいれば、コスプレをしたり撮影したりしている人もいる。
皆、歩行者天国という今日を楽しんでいるようだ。
「・・・・・・・・・・・・」
自分も先ほどまで路上ライブをしていたが・・・・感触は・・・・悪かった。1曲歌っただけで帰ろうとさえしていた。奏鳴と美久はただ泣いていて・・・・正直無様は姿を晒しただけにも思える。
歌っている人達と観客をみつめる。ハイテンションで拍手をしたりして盛り上がっている様子だが・・・・STAR-MINEの歌では正直ここまでの盛り上がりはなかった。
もし・・・・あの時・・・・月宵月華が来てくれなかったらと思うと・・・・怖い。きっと・・・・いや、間違いなく、悪いイメージを残したまま引き上げていただろう。
その月宵月華だが、今はSTAR-MINEが歌っていた場所で路上ライブをしている筈だ。奏鳴はその場所へ引き返す。月宵月華は大音量で歌を歌っており、ダークなハードロックのBGMをバックに観客を大いに沸かせている。
正直、あの時の此花は凄いと思った。罵声を飛ばしていた観客に豊前と言い返していたあの姿・・・・奏鳴には到底真似出来ない。
それは、今までは、だ。
これからの活動、律音に次ぐリーダーを務めなければならない。悪態をつかれて泣いているだけではダメだ。もっとしっかりと・・・・強くならなければ。とはいえ、アイリーンみたいに血の気が多いのも考え物だが、アレの数パーセントでも強さが欲しいとは思った。
と考えていると、拍手が巻き起こり、月宵月華の路上ライブが終わったところだ。観客が去り、片づけをして帰ろうと言う時、此花がボーっと突っ立っているのに気づいて声をかけてきた。
此花「あら貴女。まだ帰ってなかったのね」
奏鳴「凄いですね。大盛り上がりで」
此花「今では色々な疑念を向けられてマイナスイメージにヘコんだとはいえ、あなた達だって決勝戦で盛り上げたであろう?」
奏鳴「そうなんですけど・・・・それとは別で・・・・さっき皆に言い返してくれた時の此花さんがかっこいいなぁって。自分は泣いているだけしかできなかったのに・・・・」
此花「そうね。醜態を晒したのは事実ね。・・・・・・・・?」
此花はお嬢様が今日びやらないであろう高笑いをしようとして・・・・奏鳴がうつむいて泣いているのをみて・・・・訝しむ。
奏鳴「・・・・律音先輩が留学したら・・・・次のリーダーは私になってるんです。でも・・・・私みたいな弱い子じゃあ・・・・務まりませんよね・・・・」
此花「律音から聞いてるわ。次のリーダーにあなたを指名したって。まぁそうね。我やあのお嬢様のように強くなれとまでは言わないが」
「閣下どうしたの?・・・・あ、奏鳴ちゃん」
片づけを終えた葵と結菜がやってきた。涙を流している奏鳴をみて・・・・2人はジト目。
此花「な、なんだその目は!!・・・・ち、違うぞ!?我が泣かせたのではないぞ!?」
結菜「本当かどうか疑わしい」
此花「本当だ!!」
葵「まぁそれはおいといて。奏鳴ちゃん。どうしたの?」
奏鳴「葵さん・・・・結菜さん。私・・・・」
結菜と葵は顔を見合わせて、とりあえず何か相談に乗ってあげようという事で、近くのワクドナルドへと奏鳴を連れていく。
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