崖登りをはじめて1時間。不慣れな事をしているのか、あちこちが痛くなりつつ、それでも崖を登る。
まぁ崖登りに慣れているアイドルもどうかとおもうが。
ののか「な〜んでこんなとある栄養剤のCMみたいな事しなきゃいけないのよー!!」
そんな不満がでるのも仕方がない。
翼「ファイト、一発だね」
1時間経って、やっと崖登りも折り返し地点になった頃。不満タラタラで登っていたののかが足を滑らせた。命綱を上へかけなおそうとしてたので、命綱を外していた。ののかは崖から落下していく!!
流奈「あああああ!!ののかちゃあああん!!」
崖登りをしていた一同。助けることはできない。絶望感が漂う中、下にいた男がいち早く落下地点へ。ののかの身体は、その男の腕の中に収まった。
助けに向かったのは、六土響介だった。大丈夫かい?とののかをお姫様だっこしつつ、笑顔を見せる。ののかは顔を赤くしながら、「あ、ありがとう・・・・」とうつむいた。
律音「あ〜・・・・よかった・・・・」
美久「そうだね・・・・私達も気をつけなきゃ」
六土響介にお姫様だっこをされているののかを凝視する鳴鈴。妙に神妙な顔をし、とりあえず登ろうという事にし、上をみて登りだす。
そしてもう1人、神妙な顔をしていた。アイリーンだった。アイリーンは響介とののかを見て・・・・そして・・・・燿をみた。
アイリーン「・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・ああああ!!」
何を思ったのか、アイリーンも命綱をかけなおそうという時に、バランスを崩して落下。
アイリーン「きゃー」
なんか嘘っぽい悲鳴をあげて落下。落下地点には燿が向かい、なんとかアイリーンを抱き留める。
燿「大丈夫かい?よそ見してると危ないよ」
アイリーン「え、ええ・・・・・ありがとう・・・・ございます」
燿「あれ。珍しいね。お嬢様が素直にお礼を言うなんて」
アイリーン「っ!?な、なんですか!?日頃のわたくしは素直じゃなくて、可愛げがないと!?」
燿「そんな事は言ってないさ。ま、まぁ・・・・どっちのお嬢様も可愛いけど」
アイリーン「っ!?・・・・そ、そうですか・・・・」
笑顔でそんな事をまっすぐに言われ、顔を赤くするアイリーン。
(そ、そんな事真正面から言われたら照れるじゃありませんか・・・・。ま、まぁ・・・・作戦は成功ですわね)
作戦?・・・・そう作戦だ。燿に抱きとめてもらう為に、わざと落ちたのだ。響介に抱きとめてもらったののかが羨ましく思えて。まぁ燿が動かなければ、風の魔法で落下による地面衝突を避けるくらいはできていたのだが。ワザとだし。
律音「大丈夫みたいでよかった〜。皆、気を付けて登ろう!!」
翼「うん」
美久「そうですね・・・・あぶないですから」
流奈「そういう律音ちゃんも気をつけなよ」
皆で声を掛け合って登る。アイリーンはとりあえず下ろしてもらい、再度崖登りに向かう。
鳴鈴は・・・・黙々と登る。途中で下を一瞥。したではののかと響介が何か会話していたが、結構登っていた鳴鈴には会話は聞こえない。
(何を喋ってるんだろう。ののかちゃん。いつまでも響介と喋ってないで早く登りなさいよね!!・・・・・・・・ふん。ってなんで私、怒ってるんだろう・・・・?)
なぜかムカムカする心に疑問を覚えつつ、それでも鳴鈴は登る。一生懸命に-------------
ののか「それじゃあののもそろそろまた登るうにっ☆あっりがっとね☆六土先輩っ♪」
響介「気を付けて登ってね。美少女は人類の宝。そしてオレっちにとって至宝。怪我しないようにね」
ののか「うにうに☆じゃあいってきま〜すっ☆」
ののかは軽やかな足取りで崖へ向かう。心も軽やかに。
皆が登りきり、降りるときは普通の山道で降りる。麓に降りたころにはもう17時だった。3時間くらいは崖登りをしただろうか・・・・。皆疲弊しきっている。明日もトレーニングがあるので、今日は早く別荘へ戻ることにした。本当はこれから歌とダンスの練習の予定を組んでいたが、無理しても何の成長にもならないので、今日はもうおしまいにした。夕食を食べ、それぞれでお風呂を済ませると・・・・余程疲れたのか、皆速攻で眠った---------------
征刃「皆寝つきがいいねぇ。どんなトレーニングしてきたんだか」
日頃鍛えている征刃はまだ余裕がある。疲れてはいるが、即寝という程でもない。萌音とミルフィーも観光疲れだろうか、もう寝てしまっている。起きているのは征刃と燿だ。響介は画像の編集作業をするとか言って部屋にいるようだが・・・・本当にマジメに作業しているかは・・・・疑問だ。リビングでアイスコーヒーを飲みながら征刃と燿はリビングで向き合っている。
燿「隣町へ行って戻ってくるジョギングを10往復に、午後には命綱をつけて崖登りですね」
征刃「ジョギングはまだしも・・・・崖登りはアイドルの特訓か・・・・?」
征刃は苦笑。
燿「僕もそう思ったんですが、お嬢様がいうに、根性をつけるためだとか」
征刃「根性・・・・ねぇ。怪我とかしなかったか?」
燿「ののかちゃんとお嬢様が崖から落ちましたが、僕と響介君で救助したので大丈夫でした」
征刃「そうか。この合宿、どうにもアイリーンちゃんが無茶なメニューを組んでそうだな。怪我人がでないように、そして出さないように、お前がちゃんとみてやんないと駄目だぜ」
燿「・・・・わかってます」
征刃「分かってるならいい。にしてもお嬢様が気合いとか根性とかを持ち出すとは・・・・笑い話だな。無縁そうな単語なのによ。さて、明日もトレーニングあるんだよな?お前も寝たほうがいい。じゃあな」
燿「はい。おつかれさまです」
征刃は背中越しに手を振って、自分の部屋へ向かう。燿もそろそろねる事にした。午後10時過ぎだったし。
燿「無茶なメニュー・・・・か。そうだね。僕がちゃんとみてないと。プロデューサーなんだし」
そんな意気込みをもって臨む今回の合宿旅行。一体どうなる事やら?
----------------------------------SCENE4へ----------------------------
ログインしてコメントを確認・投稿する