歪を通り、現実世界へと戻ってきた2人。
シーラをとりもどせた。いろいろと困難はあったが、何とかシーラを現実へと連れてくることができた。
それだけで十分。・・・・いや、これからだろう。王子との結婚式で半ば横取りするように連れ去ってきてしまったのだ。彼女を幸せにする義務がある。
絶対に幸せにするよ。シンデレラ。
その言葉は出ることはなかった。シーラが崩れ落ちるように倒れたからだ。寸でのところで抱き留める事はできたが、一体どうしたというのか。
シーラ「あ〜あ。これkら雅輝さんに幸せにしてもらう予定だったのに・・・・もう’きちゃった’のかぁ」
一体何のことを言っているのかわからない。とりあえずシーラを仰向けに横にして全体をみる。どこにも異常はない。おかしな点は見当たらない。
ある1点を除いては。シーラの身体は若干薄いような・・・・??
シーラ「雅輝さん。どうやら’お迎えがきた’みたいです。シンデレラの物語を破綻させたらどうなるか。なんとなく、推理はついてました。この物語はなかったことになる・・・・」
その言葉で察しがついた。シンデレラの物語がなかったことになる。つまり、登場人物は・・・・言わずとも察せられるだろう。
雅輝「どうして・・・・これから君を幸せにしていくと心に誓ったというのに・・・・」
シーラ「現実世界に来たとはいえ、私はシンデレラの登場人物・・・・主人公です。こうなる事はわかってました。それでもあの時・・・・あなたの手をとってしまった。あのまま手をとらなければ・・・・物語が成立して、何かしらの時にまた会う事ができたかもしれない。でも・・・・私はあなたの手をとった。皆からは自分のためにシンデレラの物語を崩壊させたと言われても仕方ありません。自分のエゴの為にシンデレラを不成立にしてしまった。私はその責任をとって、あなたと幸せになれたらと思っていたのに・・・・それすらの時間もないなんて・・・・」
シーラはジッと雅輝の顔を見上げていた。涙を流しながら。話している間にも、シーラの身体はだんだん薄くなってきている。
雅輝「シーラちゃん・・・・こうなる事がわかっていたのに、僕の手をとってくれてありがとう。でも確かに残念だね。君をしあわせにする時間もないなんてね・・・・」
シーラ「いいえ。今でも幸せですよ。禅僧世界に帰ってから・・・・いいえ、雅輝さんに告白された日から、私は自分の気持ちにウソをついてきました。本当はあなたの告白を受け入れていたら・・・・何か変わったのでしょうか。・・・・きっと結末は同じでしょうね・・・・・・・・ねぇ雅輝さん」
雅輝「なんだい?」
シーラ「私がまだ現実にいたころ、いろいろな漫画やアニメをみましたが、よく『生まれ変わってもしあわせになろう』という言葉がなんとなく陳腐な言葉におもえてならなかったんですが・・・・今ではその言葉にすがりたい気持ちです。雅輝さん・・・・もし・・・・私が人間に生まれ変わったら・・・・幸せにしてくれますか・・・・?」
雅輝「きっとみつけだす。生まれ変わったら・・・・今度こそ・・・・幸せになろう・・・・約束だよ」
シーラ「はいっ!!約束ですよっ」
消える直前のシーラは涙を流しながらも満面の笑みだった。抱きかかえていた雅輝の手は何かをすがり、つかむように宙へとのびる---------------
雅輝「絶対・・・・みつけるからね・・・・シンデレラ--------------」
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