翌日の夕方。雅輝は昨日の公園の芝生にすわって黄昏ていた。
劇画調で。
そしてためいき。
舞踏会前日であるこの日、シーラの家を訪ねた雅輝は、シーラに再会する事ができた。連れ戻しに来たという雅輝に・・・・悩みに悩んだシーラの答えは------------
拒絶だった。
雅輝への想いは完全になくなったわけではないようだが、物語シンデレラの主人公としての使命を全うする。そう答えた。雅輝は何度も説得を試みた。しかしいい返事は返ってこなかった。
雅輝への想いが薄くなっただけ。物語の登場人物としての使命を全うすると言っただけであり、別に嫌いになったと言われたわけでもないのに・・・・何を劇画タッチの顔で遠い目をしているのか。
「残念だったねぇ色男」
不意にそんな声が聞こえたので振り向くと・・・・そこにはこの幻想世界にはいるはずのない男、マスク・ド・シックスがいた。
残念だった。・・・・まさか、拒絶されていた場面をみていたとでもいうのだろうか。
MTS2「これからどうするんだい」
雅輝「・・・・現実に帰るよ。シーラちゃんは物語の主人公としての役目を全うすると言ってたし。これ以上は」
その言葉に、マスク・ド・シックスは怪しく笑う。蝶仮面で表情はわからないが、きっと不気味な笑みをうかべていることだろう。
MTS2「もう諦めるのか。君はそれでいいと?」
雅輝「やるだけはやったんだ。残念だけど、仕方ないさ」
MTS2「やるだけやった?ふ。笑止。オレっちが現実で言ったことを忘れたか?」
雅輝「なにか・・・・いったっけ?」
MTS2「大切なものは、奪い取ってこそ。君の愛が本物なら、まだやるべきことがあるだろう?」
雅輝「確かにそんな事を言ってた気もする。・・・・・・・・って、奪い取って!?まさか、王子から!?」
MTS2「他にいるか?」
雅輝「いや、でも・・・・それこそ物語を破綻させてしまう。彼女の使命に対する意思に反することだ・・・・」
MTS2「貴様の萌えたぎるリビドーを開放してみろ!!意外と快感でやみつきになるぞ!!」
雅輝「あんたじゃないんだから・・・・」
MTS2「まぁそれは100%本気として」
雅輝「本気なのか!?」
MTS2「もう1度言う。大切なものは奪い取ってこそだ。使命がなんだ。嫌いと言われたわけでもないのだろう?なら希みがあるのではないのかい?」
雅輝「しかし・・・・」
MTS2「お前の愛を貫くか、彼女の使命を尊重するか。あとは自分で決めることだな。アデュー」
そういうと、マスク・ド・シックスは黄金バ○ドのようなエコーのかかっている笑い声を残しつつ、走り去っていった。一体何処へ行くのか。
雅輝「大切なものは・・・・奪い取って・・・・か。僕はどうするべきなのだろう・・・・」
自分の愛を貫くか。
それとも、シーラの主人公としての使命を尊重し、身を引くか。
結論を出すには少々時間が必要そうだ。雅輝はまた劇画調の顔で空を仰ぎ見た-------
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