第390戦、5月14日発売号●【予想】師弟による優勝決定戦で馬場がチャンピオン・カーニバル優勝、第5回チャンピオン・カーニバル優勝決定戦、ジャイアント馬場vsジャンボ鶴田(77年全日本プロレス日本武道館)【正解】カーニバル用の一回ポッキリ王座を巡るブッチャーの思惑、PWF認定USヘビー級、英連邦ヘビー級ダブルタイトルマッチ、ザ・デストロイヤーvsアブドーラ・ザ・ブッチャー(74年5月13日八王子市富士森市営球場)
【参考】2014年5月14日発売号は、「予選のない決勝戦」? ロビンソンが春の本場所2連覇、第2回IWAワールド・シリーズ優勝決定戦、ビルロビンソンvsストロング小林(70年国際プロレス台東体育館)
【予想解説】全日本プロレス77年春の祭典「第5回チャンピオン・カーニバル」は4月8日後楽園ホールで開幕。
参加外国人選手は前年度優勝者アブドーラ・ザ・ブッチャーを筆頭にスーパー・デストロイヤー(ドン・ジャーデン)、ブル・ラモス、ジム・デュラン、ビル・ホワイト、ホセ・ゴンザレス、レッド・ウルフ。
日本人側参加選手は馬場、鶴田、ザ・デストロイヤー、高千穂明久、サムソン・クツワダ、グレート小鹿、大熊元司。これにフリーの大木金太郎が加わった総勢15人が総当たりリーグ戦を行い、この年からリーグ戦上位2人による優勝決定戦が行われることとなり、決勝の舞台は全日本プロレス単独初進出となる5月14日、日本武道館。
スーパー・デストロイヤーは前年8月、ザ・デストロイヤーの覆面十番勝負最終戦以来の来日、ラモスは75年8月にキング・イヤウケアとのザ・タイクーンズとして参戦以来1年9か月ぶりの来日、デュランはプレーイング・マネージャー、J.J.デュロンとしても知られ全日本には3度目の参戦。
ホワイトは全日本初登場、73年10月に新日本に一度だけ来日し、タイガー・ジェット・シンの「猪木新宿伊勢丹前襲撃事件」に加担した一人として知られています。後に「ブロディ刺殺犯」となるゴンザレスが2度目の来日、初来日のウルフはスキンヘッドに顎髭、胸に鮫の刺青というヒールでまだグリーンボーイでした。
開幕戦では馬場とブッチャーの前年度優勝決定戦(同点決勝)と同一カードが組まれ両者リングアウト。鶴田はクツワダのキーロックに苦しめられながらも前方回転エビ固めで白星発進。
4月15日松江市総合体育館ではデストロイヤーvsスーパーの覆面十番勝負以来の再戦が行われ、デストロイヤーがショルダー・バスターでフォール勝ち、ブッチャーとラモスは両者リングアウト、鶴田はホワイトに勝っています。
4月18日福岡九電記念体育館では鶴田は大木と対戦し両者リングアウトの無得点試合。4月20日鹿児島県立体育館で鶴田はデストロイヤーから貴重なリングアウト勝ちを上げ、さらに翌21日には北九州市総合体育館でラモスにフォール勝ちと好調に点を伸ばしました。
デストロイヤーとブッチャーの因縁の対決は4月27日、姫路市厚生会館で実現し両者リングアウト。
4月30日仙台・宮城県スポーツセンターはテレビ生中継。馬場は大木と両者リングアウト。鶴田はブッチャーのジャンピング・エルボードロップの前にフォール負けを喫し1敗。この敗戦で調子が狂ったか鶴田は5月2日秋田県鷹巣町体育館でウルフに両者リングアウトの手痛い無得点試合。
馬場も翌5月3日秋田県羽後町総合体育館でデュランと両者リングアウトと足踏み。5月4日秋田県立体育館での馬場vs鶴田の師弟対決は初の30分時間切れ引き分けとなりました。鶴田にとっては加点1、馬場は失点1でした。大木とラモスは両者リングアウト。
5月7日テレビ中継(当日ディレイ録画中継)京都・日本正武館で鶴田はスーパーにダブルアーム・スープレックスでフォール勝ちで21点で1位で公式戦を終了。大木とブッチャーは両者リングアウト、馬場はラモスを破り18点と追い上げる。5月9日奈良県橿原体育館で馬場は高千穂に勝ち20点で公式戦終了。
ブッチャーは5月10日、金沢市卯辰山相撲場でスーパーにリングアウト勝ち、5月13日三条市厚生会館で大熊を破り20点で馬場と並び同点2位。この結果鶴田が初のリーグ戦1位通過となりました。
5月14日日本武道館大会はテレビ生中継。まず馬場とブッチャーが決勝進出者決定戦を闘い、勝者が1位の鶴田と優勝決定戦を行う事になりました。
馬場とブッチャーは暴走したブッチャーが場外で本部席の机を持ち出して馬場を攻撃。さらに近くにいた百田義浩リングアナに暴行。百田リングアナは額を切って流血。見かねたレフェリーのジョー樋口は9分15秒、ブッチャーの反則負けを宣告。馬場が決勝への切符を手にしています。
優勝決定戦は馬場と鶴田の今シリーズ2度目の師弟対決。試合は時間無期限1本勝負。
鶴田は馬場の巨体をコブラツイスト、ブルドッキング・ヘッドロックで攻め立てましたが、馬場が鶴田がロープに飛んだスレ違い様、伝家の宝刀ランニング・ネックブリーカードロップを決め、10分25秒、体固め。馬場が2年ぶり4度目の優勝を果たしています。
この年のカーニバルは前76年の第4回大会に比べると盛り上がりに欠けました。上位選手同士の対戦の大半が両者リングアウトに終わった事。リーグ戦を面白くするには欠かせない要素である波乱の番狂わせ、前年のザ・バラクーダのようなかきまわすダークホースがいなかった事等が原因だと思います。
リーグ戦をつまらなくしたのはスーパー・デストロイヤーとブル・ラモスだったと思います。スーパーは上位陣に全敗、ラモスはキング・イヤウケアのような派手さに欠け、両者リングアウトの無得点試合を多数残したデストロイヤーと大木にも同じ事が言えました。
武道館の観客は10,500人発表とまずまずの入りでしたが満員まではいかず。馬場の優勝は順当で鶴田のリーグ戦1位通過がせめてもの収穫でした。
【正解解説】74年4月13日船橋ヘルスセンター・ローラースケート場で全日本プロレス春の祭典「第2回チャンピオン・カーニバル」が開幕しています。
全日本プロレスが「ワールド・リーグ戦」の名前を使用しなかったのは第1回大会開催時点でまだ日本プロレスが存続していたからで、リーグ戦ではなくトーナメントで覇権争いを行いました。
第1回は73年4月21日福井市体育館でジャイアント馬場がこの時初来日だった毒蛇マーク・ルーインを破って優勝していました。
参加メンバーはアブドーラ・ザ・ブッチャー、前年度準優勝のルーイン、キング・イヤウケア、ミスター・レスリング(ティム・ウッズ)、ルーファス・ジョーンズ、ジョー・ソト、国際プロレスの「チャレンジ・シリーズ」に初来日、同シリーズにゲスト参戦した馬場に気に入られたセーラー・ホワイトがレンタル参戦しています。
日本側は馬場、ザ・デストロイヤー、ジャンボ鶴田、高千穂明久、サンダー杉山、サムソン・クツワダ、マティ鈴木、マシオ駒がエントリーしています。
このシリーズ話題となったのは1回戦で激突したデストロイヤーとブッチャーの「血の抗争」でした。開幕戦の船橋でノーコンテストとなり、再試合。鶴田はこの日ソトを破って2回戦に進出しています。
デストロイヤーとブッチャーの再戦は翌14日後楽園ホールで行われています。
開幕戦の船橋がテレビ生中継であり、日本陣営に加入して以来楽しいコミカルなファイトを展開、日本テレビのバラエティ番組「金曜10時!うわさのチャンネル」にレギュラー出演、「アッコ(和田アキ子)のゴッドねえちゃん」のコーナーで一躍人気者になったデストロイヤーが、シリアスなラフファイトをブッチャーと展開する様にテレビ観戦の観客はエキサイト。
船橋のテレビ生中継の中で「明日の後楽園で両者の再戦を行う」と発表された為当日券がグーンと伸びて後楽園ホールが超満員となりました。しかし、ここでも果てしなく続く両者の場外乱闘でまたもノーコンテストで決着はつかないまま。
4月24日徳島市体育館でデストロイヤーとブッチャーが3度目の対戦、またも荒れた展開で両者リングアウト。トーナメントですから無得点試合はなく、4度目の対戦が行われる事となりましたがPWF本部より「次同じような試合をしたら両者とも失格とする」という通告がありました。
4月27日高知県民体育館でデストロイヤーとブッチャーは4度びトーナメント1回戦で対戦するも遺恨がエスカレートしまたまたノーコンテスト。ついに両者失格が言い渡されました。
これにより、トーナメントでデストロイヤーvsブッチャー戦の勝者と対戦予定だった鶴田が不戦勝となり、トーナメント準決勝へ進出しています。
期待されたデストロイヤー、ブッチャーのいずれかとのシングルマッチは持ち越されました。
一方、前年度優勝者の馬場は1回戦をシードされ、この日の高知大会でイヤウケアにフォール勝ち。準決勝ベスト4には馬場、ルーイン、レスリング、鶴田が進出しています。
4月30日山形県体育館での馬場vsルーインの前年度優勝決定戦と同一カードはルーインのセコンドであるイヤウケアが乱入、場外で馬場の顔面に石灰の粉をぶちまけ、馬場を助けに入った鶴田と4選手入り乱れての大乱闘となり12分51秒、ノーコンテストとなり決着は持ち越しとなっています。
5月4日北海道・苫小牧市総合体育館で鶴田はミスター・レスリングとトーナメント準決勝で対戦し30分時間切れ引き分けでこちらのブロックも決着つかず。
翌5月5日北海道・岩見沢スポーツセンターでは馬場vsルーイン、鶴田vsレスリングの準決勝再試合が同日に開催されています。馬場は17分28秒にルーインを体固めで破り、鶴田は試合中にアメリカ遠征中に負傷した左足を痛め、28分32秒、レフェリー・ストップ負け。
鶴田の決勝進出は成らず、優勝決定戦のカードは馬場vsレスリングに決定しています。
5月11日前橋・群馬スポーツセンターで行われた馬場とレスリングの優勝決定戦は60分3本勝負で争われ、1本目はレスリングが8分30秒にブレーンバスターで先制。2本目は馬場が2分45秒、32文ロケット砲からフォールして1-1。
決勝の3本目はレスリングのコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディプレスを馬場が下から両膝を突き出して迎撃するいわゆる「剣山」で3分5秒に体固めで勝利。
2-1で馬場が2連覇を果たしています。敗れたレスリングは自ら白覆面を脱いで勝者である馬場に手渡し、正体がティム・ウッズであることを明かしています。
5月13日八王子市富士森市営球場では今回の公式戦で4回に亘る遺恨試合を展開し、決着がつかず両者失格となったデストロイヤーとブッチャーが、互いの保持するUSヘビー級、英連邦ヘビー級の王座を賭けてダブル・タイトルマッチで激突。今回は時間無制限1本勝負での対戦となりましたが12分7秒、暴走したブッチャーが反則負けとなり共にタイトルの移動はなし。遺恨決着は持ち越されました。
※対戦成績は390戦61勝329敗、勝率156。
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