81年国際プロレスの「ダイナマイト・シリーズ」はジプシー・ジョー、カール・ファジー、エル・クルセーロ、ティエラ・ビエント・イ・フエゴが参戦、エース格と目されたトルコ人ギミックのザ・ターク(75、76年7月に新日本プロレスに来日したアリババことオザーク・モルナー)は薬物使用の疑いで来日キャンセルとなりました。
6月11日山口県下関市体育館で阿修羅・原&マイティ井上組はクルセーロ&フエゴ組を2−1で破りIWA世界タッグ王座を初防衛。
シリーズ最終戦6月25日静岡県清水市(現在の静岡市清水区)鈴与記念体育館ではジョー&ファジー組を1−0で破り2度目の防衛に成功。
国際プロレス最後のシリーズとなった81年「ビッグ・サマー・シリーズ」は7月16日山梨県韮崎市総合運動場体育館で開幕。
ジ・エンフォーサー、ジョー、ジェリー・オーツ、テリー・ギブスが参戦。
当初はジョーの参戦予定はなく、メキシコからMS�機淵┘瓠Ε┘察ΕΕ痢法■唯哭供淵┘瓠Ε┘察Ε疋后砲離泪好�マンコンビの参戦が予定されていましたが、来日がキャンセルとなり、ジョーが前シリーズに続き連続参戦することになりました。
これは国際側の「最後だから、会社に貢献してくれたジョーを呼ぼう。」というジョーに対する配慮とジョーの強い要望の両方が合致したものと言えます。
昔気質の職人肌タイプのジョーは、義理人情に厚い性格で、ある意味R木村と共通したところがあったように思います。
エース格の「債権取立人」エンフォーサーは全盛期はギロチン・ゴードンのリングネームで活躍したベテランのヒールレスラーで80年秋、スキンヘッドにアイパッチというスタイルで突如ロサンゼルスマットに現れ、オックス・ベーカーとのタッグでトップを取りました。
ロサンゼルスのプロモーター、マイク・ラベールとの関係から同年1月に新日本プロレスに参戦したばかりで、2月9日秋田市立体育館で坂口征二のWWF北米ヘビー級王座に挑戦し僅か5分22秒、逆エビ固めでギブアップ負けを喫しています。
エンフォーサーはこのシリーズ、女性マネージャーのバニー・キャロルを帯同して来日しました。
その後日本では、ジム・ガービンのプレシャスやリック・ルードのメドゥーサ、ランディ・サベージのシェリー・マーテルら女性マネージャーが次々登場します。
バニー・キャロルは映像は見たことありませんが写真で見た限りは結構年齢がいってるなぁ…と思いました。エンフォーサーの奥さんだったそうですから、仕方ないかと言ったところですね。
7月25日広島・音戸町山口屋音戸店特設リングで国際プロレス最後の新人・秋吉豊幸が冬木弘道を相手にデビュー。
秋吉は「夏のシリーズを最後に国際は解散する可能性が強いのでリングに立たせてやりたい。」という選手会長だったR木村の後押しでデビューしたもので、団体崩壊後はプロレス界から去っています。
国際プロレスはシリーズの最後は北海道で迎えました。
8月6日室蘭市体育館でR木村はエンフォーサーの挑戦を受けてIWA世界ヘビー級選手権の防衛戦を金網デスマッチで行い、7分18秒、逆エビ固めでギブアップさせ、17度目のタイトル防衛をしています。
68年12月の王座誕生以来、13年にわたり国際プロレスの至宝だったIWA世界ヘビー級王座の終焉でした。
8月8日根室市青少年体育センターでは原&井上組にオーツ&ギブス組が挑戦した金網デスマッチによるIWA世界タッグ選手権試合が行われ井上がオーツをKOし、3度目の防衛に成功。こちらも69年5月の王座誕生から12年の歴史に幕を降ろしています。
8月9日羅臼町民グラウンドの大会で、国際プロレスは15年間続いた団体活動を停止しています。
最終戦のメインイベントとなったのは鶴見とギッブスの金網デスマッチで、両者KOの引き分けに終わっています。
井上はセミファイナルでR木村とのタッグでジョー&Jオーツ組とタッグマッチ45分1本勝負で対戦、18分17秒、R木村がオーツを体固めで降しています。
8月27日港区南青山の新日本プロレス事務所で新日本プロレスの新間寿営業本部長、国際プロレスの吉原功代表が出席し、国際プロレスの団体の存亡を賭けて新日本プロレスとの全面対抗戦を行うと発表しています。
国際プロレスは8月9日北海道・羅臼町民グラウンドで行われた「ビッグ・サマー・シリーズ」最終戦を最後に興行活動を停止、興行会社としての機能を失っていますが、実際の「団体崩壊」というリアルとリング上の対抗戦で「団体の存亡を賭ける」アングルとの虚実ないまぜにした記者会見でした。
9月7日新宿・京王プラザホテルにおいて新日本プロレスと国際プロレスの合同記者会見が開催されました。
出席者は新日本プロレスからは坂口副社長、大塚博美副社長(テレビ朝日から出向)、永里高平専務取締役(テレビ朝日から出向)。国際プロレスから吉原功代表取締役、R木村、アニマル浜口、原、寺西勇。立会人として岩本二階堂進日本プロレスリングコミッショナー代理。
何と全日本プロレスが蔵前国技館で創立10周年記念大会を開催する10月9日の前日の10月8日同じ蔵前国技館で新日本プロレス対国際プロレスの全面対抗戦を行うと発表しています。
対抗戦のカードは猪木vsR木村、藤波vs原、タイガーマスクvsマッハ隼人、長州vs浜口、星野&剛組vs寺西&鶴見組。
さらに前日全日本プロレスが参加発表を取り消したハルク・ホーガンが新日本プロレスに残留、スタン・ハンセンとのタッグで、既に全日本プロレスが「創立10周年記念ジャイアント・シリーズ」に参加が発表されているアレックス・スミルノフ&バッドニュース・アレン組と対戦するとの発表がありました。
同日は全9試合を予定。対抗戦も含めて3試合が追加発表されるとのこと。
ホーガンはテリー・ファンクの誘いにより一旦は全日本プロレス行きを応諾するも、新日本プロレスに対し全日本プロレス移籍を餌にギャラアップを要求、新日本プロレスからギャラアップの約束を取り付けて残留することになったのでした。
ホーガンのその後のレスラー人生を振り返っても当時から駆け引き上手、交渉上手だったと言えるでしょう。
蔵前大会は通常のシリーズとは別の特別興行として開催され、他にアブドーラ・ザ・ブッチャー、ディック・マードック、ビリー・クラッシャー(8月6日蔵前国技館で猪木との賞金3万ドル&覆面剥ぎマッチに敗れたマスクド・スーパースターのビル・イーディーが素顔で参加だが、新日本プロレスからはそのようなアナウンスはなかった。だが宣材写真で特徴のある目から一目瞭然だった)、ディノ・ブラボーの外国人レスラーが参加。
国際プロレス所属でこの日カードが発表されなかった井上他のレスラーの去就はどうなるのかもファンにとっては大きな関心事でした。(次回より全日本プロレス編をお送り致します)
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