78年新日本プロレス「ゴールデン・ファイト・シリーズ」終盤戦、第24戦、9月18日、愛知県岡崎市体育館(観衆3,200人超満員発表)大会。
メインイベントは猪木&星野勘太郎組がタイガー・ジェット・シン&ジョニー・マンテル組と対戦、1本目は12分17秒、シンが星野を体固め、2本目は48秒、星野がシンに反則勝ち、決勝の3本目は3分8秒、猪木がJマンテルを体固めで破り、2−1で猪木&星野組が辛勝しています。
ストロング小林はセミファイナルに登場、上田馬之助とシングルマッチ45分1本勝負で対戦、7分35秒にS小林の反則勝ち。
藤波辰巳はジョー・ロッシーを6分48秒、逆エビ固めでギブアップさせ、坂口征二はジンバ・カーンを7分36秒、片エビ固めで降しました。永源遙とピート・ロバーツのシングルマッチは8分12秒、エビ固めでPロバーツが勝利を飾りました。
第25戦、9月19日、大阪府立体育会館(テレビ収録)はシンvs上田の一騎討ちを一目観ようと当日券が飛ぶように売れ、チケットは全て売り切れとなり観客発表は9,500人超満員札止め発表。
定員6,000人の旧府立ですが、この時が一番入っていたと言われ、他に日本プロレス69年12月2日のドリー・ファンク・ジュニアvs猪木のNWA世界ヘビー級選手権試合、81年12月10日、「第2回MSGタッグ・リーグ戦」優勝決定戦、猪木&藤波組vsアンドレ・ザ・ジャイアント&レネ・グレイ組他が10,000人の発表ではありますが、実数ではこのシンvs上田戦の時が旧府立のレコードということです。
この試合は集英社から発売されたDVDマガジン「燃えろ新日本プロレス」に収録されており、またテレ朝チャンネル「ワールドプロレスリングクラシックス」にも収録されていますので、当時の映像を見ながら簡単に振り返りたいと思います。本日記では「シンvs上田」という表記ですが、テレビ朝日のテロップでは「上田馬之助対タイガー・ジェット・シン」となっています。
特別レフェリーとして猪木入場、おなじみの赤のライオンマークの半袖Tシャツに白のスボン、猪木はこの日は試合には出ず。モハメド・アリ戦の前の猪木だったら、Jマンテルかロッシー相手にセミ前で軽くシングルマッチをこなしてからレフェリーを務めたように思いますが…。
先に入場してきたのが上田、黄色い法被を羽織り手には黒い袋を持って入場、試合前にシンのサーベルに対抗して日本刀を持ってくると言っていた上田。袋の中身は日本刀なのか?
続いてシンが入場。いつものようにサーベルを持っている。セコンドにはZカーン、Pロバーツがついています。エプロンに上がってきたシンに「サーベルを持ち込むな!」と猪木が注意すると、シンが猪木のボディにトーキック!リングに上がったシンと上田が早くもやり合う。慌ててセコンド陣が止めに入ります。花束贈呈の女性たちはリング下に避難。
星野勘太郎が上田の日本刀らしきものを取り上げました。シンのサーベルは、セコンドのZカーンがリング下に隠しました。倍賞鉄夫リングアナが両者のコールをしようとすると、シンが倍賞リングアナのボディにキック!
シンと上田が早くも小競り合い、セレモニーは必要ないということか。上田を山本小鉄らセコンド陣がコーナーに押しやり、シンはZカーン、Pロバーツら外国人レスラーが押さえて、立ち上がった倍賞 リングアナが何とか両者のコール。
猪木が睨みを効かせる中、サブレフェリーのミスター高橋が両者のボディチェックを行う。セコンドと高橋レフェリーがリングを下りて、ようやく試合開始のゴングが鳴りました。
シンは軽快なフットワークからパンチ、キックを浴びせ、上田が倒れるとストンピングのラッシュからコブラクロー、位置はロープ際だが構わずで頸動脈を絞め続けます。
猪木が「ブレイク!ワン、ツー、スリー、フォー!」と反則5カウントを数え始めましたが、シンは言うことを聞かず、猪木はシンの頭部にナックルパートを入れました。猪木流のレフェリングか?シンが上田の顔面を掻きむしり、猪木は「ワン、ツー、スリー、フォー!」と再び反則カウントを数え、離さないとみるやシンの頭部へストンピング制裁。
これはさしものシンもたまらずダウンすると、攻守逆転しすかさず上田がストンピング連打からチョーク攻撃、今度は猪木が上田に「ワン、ツー、スリー、フォー!」と反則カウントを数えキックを一撃。
上田が怒った。「何すんだてめぇ」と文句を言うと、猪木が「何だこの野郎っ!」と上田の顔面に張り手を見舞いました。まさに最強レフェリー。
シンと上田はリング中央で睨み合い、猪木は「ファイト!」と両者に促しました。シンが、上田のボディにトーキック、顔面パンチ、ダウンする上田にコブラクロー。
シンのコブラクローに上田が苦悶の表情で暴れる。チョークに入っているか。リング下から高橋サブレフェリーも身を乗り出してチェック、上田はロープエスケープ。猪木が両者の間に割って入り強引に身体を引き離してブレイク。
シンはパンチ、キックの連打、上田は場外に転落。シンは本部席の机を持ち上げて上田の背中を殴打。
両者リング内へ。上田がお返しの急所攻撃、シンはダウン。そこへ上田がチョークで頸動脈を絞め上げます。猪木は「チョークだ!」と言うと上田が「チョークじゃない」と反論するも猪木が「ワン、ツー、スリー、フォー!」反則カウントを数えると上田は素直にブレイクに応じました。
ここで攻守逆転、今度はシンが上田にパンチ連打からコブラクロー、上田は足をロープに掛けてエスケープ。猪木が「ブレイク!」と怒鳴った後に反則カウントをし、それでも離さないシンにキックを見舞うが、シンはお構いなしでコブラクロー攻撃。
業を煮やした猪木がシンの頭部ににキックを見舞うもシンはコブラクローで絞め続けますが猪木に蹴られて隙が生じました。そこへ上田が目潰し、シンは両眼を押さえダウン。上田がタイツに隠し持っていた凶器を取り出して、シンを凶器で殴っていきました。
猪木は止めに入り、反則カウントを入れますが上田は聞く耳を持たず。猪木は力で上田から凶器を取り上げにかかりました。すかさずエプロンにいた高橋サブレフェリーが凶器を取り上げました。上田は怒って猪木に張り手を一撃、猪木は怒りの形相で張り返してからアリキック、「てめぇ、やんのかこの野郎っ!」と拳を握りレフェリーが臨戦態勢。
猪木に気を取られている間に蘇生したシンが上田にキックから目潰しのお返し、眼を押さえてダウンする上田にシンもタイツから凶器を出し、上田に凶器攻撃で報復。シンはすぐに凶器をタイツにしまい込み、上田をロープに飛ばしてボディにカウンターのトーキック、コーナーマットを外して剥き出しになっ金具に上田の額を叩きつけました。
猪木は金具を背にして仁王立ち、身体を張ってこれを阻止。上田がシンを蹴り上げてから、場外に投げ捨て。再び場外乱闘。今度は上田が本部席の机でシンの脳天を殴打、シンは下から蹴り上げてダウンした上田の顔面を椅子攻撃。先にリングに戻ったシンが、エプロンに上がる上田の顔面に噛みつき。シンは上田にパンチからコブラクロー。上田をコーナーに詰めて追撃。
猪木は「ブレイク」と両者の間に入って分けようとする猪木に対しシンがパンチ。ついにシンは猪木に襲いかかりました。シンが猪木の頭部にパンチ連打、たまらず腰からダウンした猪木にストンピングの嵐。
ここでシンが上田に「猪木をやれ!」というポーズ。すると敵対していたはずの上田が猪木にキック、セコンドの坂口がリング下から静止に入りますが、シンは坂口にも蹴りを入れていきます。
上田が猪木の左腕をロープを利して折り曲げる。高橋サブレフェリーがリングに上りこれを止めにいきました。
シンのセコンド、Zカーンがシンにサーベルを渡しました。シンはサーベルを手にしてゆっくり背後から上田に歩み寄り、上田の脳天をサーベルの柄で一撃、上田はフラフラと場外に転落。これを追ってシンも場外へ降りて、上田の額をサーベルの柄で殴りつけてからリングへ。リングに上がったシンが、ダウンしている猪木の左腕をサーベルの柄で何度も攻撃。
猪木のピンチを見兼ねた藤波がリングに飛び込んできてシンに張り手の連発からドロップキック、シンはリング上でダウンしてサーベルを投げ出してしまいました。
猪木はシンのサーベルを奪いました。慌てて場外に避難しますが、猪木はリングを下りて場外ヘ追いかけていき、シンの脳天をサーベルの柄で殴りつけ鬱憤晴らしの大暴れ。逃げるシンを、サーベルを持って追いかける猪木。
上田も流石に日本刀は剥き身で持って来る訳にはいかず竹刀を持ってリングに上がる。リング上では上田が竹刀で藤波を叩きまくる。止める坂口にも竹刀で一撃、上田のバックに回った藤波が上田を羽交い絞めにし上田から竹刀を奪った坂口が脳天に「お面一本」!。
リングを下りて退場し始めた上田を藤波が追いかけて竹刀で脳天を一撃、上田が逃げる。藤波は竹刀を持って追いかける。新日本プロレス軍団も普段上田に竹刀で年中叩かれており、溜飲を下げる大暴れ、大阪のファンは「やれ、やれっ!」と大歓声.
猪木が場外から戻って来て試合終了のゴングをようせい、14分45秒、シンの反則負けの裁定が下りました。先にサーベルを持ち出して猪木レフェリーに暴行を加えたのは明らかで当然の結果と言えます。
ですが、ヒールにとって反則負けは負けではありません。シンはにヒールとして上田以上のインパクトを残したと言ってよく、シンの「優勢勝ち」だったと言えるでしょう。(この項つづく)
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