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2023年02月10日22:50

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週プロ流智美あの日あの時予想2021年総括(33)

第199戦、8月18日発売号●【予想】馬場、最後の日本プロレス登場&大木金太郎組vsジート&ベポ・モンゴル組(72年日本プロレス石巻市総合グラウンド)【正解】新日本プロレスの北米タッグ王座に日本テレビがクレーム(74年8月17日)

【予想解説】これまで、本連載では何度か書いて来ていますので重複部分は一部割愛致しますが、前71年12月に猪木が会社乗っ取りを企てたクーデター犯として日本プロレスを除名・追放処分となり、自局のエースに去られたNETはエース馬場のNET登場を強く要望。先発の日本テレビとの約束の最重要項目であった「馬場の試合はNETでは放送させない」という禁を破りました。

馬場が4月3日放送の「ワールドプロレスリング」からついに登場、新潟市体育館からの生中継で馬場&坂口征二組vsディック・マードック&マイティ・ブルータス(ザ・ブルート、バグジー・マグロー)組が放送され2−0で馬場&坂口組が勝利。

これに激怒した先発局の日本テレビは5月12日、東京体育館での「第14回ワールド・リーグ戦」優勝決定戦、馬場vsゴリラ・モンスーン(2−1で馬場の優勝)の生中継を最後に54年2月19日、蔵前国技館での力道山&木村政彦組vsベン&マイクのシャープ兄弟戦から続いた18年に亘るプロレス中継を打切ました。

一方、日本テレビでは「プロレスは創業者である故・正力松太郎さんの遺産、番組から消してはならない」と小林與三次社長命令で「力道山ゆかりの日本プロレスの正統の後継者は馬場だ。馬場を中心に新しい団体を起こして放送する」と運動部長だった松根光雄(後の全日本プロレス社長)、原章プロデューサーが動き馬場に独立を促し、馬場もこれに乗り気でした。

日本テレビが長年プロレスを放送してきた「金曜午後8時」はNETが横取り、7月28日、後楽園ホールでの「サマー・ビッグ・シリーズ」開幕戦から、NETは従来の毎週月曜午後8時からのワールドプロレスリングに加え、毎週金曜午後8時からの「日本プロ・レスリング中継」が加わり、1週間2回放送になりますが、これは一時的なもので、番組改編期の10月6日からは金曜午後8時1回になります。

開幕戦の後楽園ホールでは馬場は初来日のキラー・ジョー・ノボ(ブッチャー・ブラニガン)とシングルで対戦し2−1で勝利。

翌日の7月29日、東京・赤坂プリンスホテル有明の間で馬場が記者会見をおこない、日本プロレスに辞表を提出、フリーとなることを宣言しました。

突然の発表に記者団にも「信じられない…」といった空気が流れ、その頃、代官山の日本プロレス事務所では芳の里社長、吉村道明取締役、坂口征二、大木金太郎、グレート小鹿らが呆然自失となっていました。

馬場が会見で語った独立の理由のポイントは2つあり1つは日本のプロレスと切っても切れない深い関係がある日本テレビと離れてプロレスをやるのは釈然としないということ。もう1つは現在の日本プロレスに所属していたのでは自分の理想としているプロレスを実行することができないので、自由な立場で可能性を追求したいということ。馬場はNETで放送される試合への出場に不満を持っていたと言われ「日本テレビのブラウン管に出るべく、日本プロレスを離れる」と決意した、というものでした。

「サマー・ビッグ・シリーズ」は開幕したばかり。「日本プロレスのシリーズの参加はどうするのか?」という記者からの質問に対し、馬場は「興行を買ってくれているプロモーター、ファンに迷惑はかけられない」と出場を約束。

7月28日がシリーズ開幕戦、29日がオフであり、30日から日本プロレスは九州、奄美大島、鬼界ヶ島など列島を廻る巡業に出るため、この貴重なオフの1日をターゲットにして会見場を押さえていたというのは馬場の強かさを感じます。

日本プロレスに残る先輩、後輩レスラーを考えると気まずい雰囲気での巡業参加になったとは思いますが、猪木同様、馬場も相当な「胆力」の持ち主だと言えます。

30日は坂口の地元、福岡スポーツセンター(テレビ収録)大会でメインは坂口がベポ・モンゴル(ニコリ・ボルコフ)を大流血戦の末反則含みながら2−0でストレート勝ちしUN王座2度目の防衛を果たしていますが、馬場はセミファイナルで小鹿と組んでミル・マスカラス&ジミー・バリアント組を2−1で降しました。

シリーズ最終戦は8月18日、宮城県石巻市総合グラウンド、馬場は大木と組んでジート&ベポのザ・モンゴルズを2−0のストレートで降して日本プロレスから離れました。

【正解解説】74年8月16日、ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムで猪木&坂口組の黄金コンビがカール・フォン・ショッツ&クルト・フォン・ヘス組を破って北米タッグ王座を獲得、猪木のNWF世界ヘビー級王座に次いで新日本プロレスにタッグのベルトをもたらし興行の看板となるシングルとタッグの王座がそれぞれ登場しました。

北米タッグ王座の正式名称は「NWA認定ノースアメリカン・タッグ選手権」であり、実際にはベルトは日本の「プリンスライター」で知られる吉永プリンスが製作、新日本に納品されてこの年の5月の「ゴールデン・ファイト・シリーズ」にショッツとヘスが来日した時にベルトを巻かせています。

日本製だな、とわかるのはベルトの中央部分にわざわざ「NWA」の文字が入れられていること。アメリカのNWA傘下プロモーターのテリトリーにはUS王座、インターナショナル王座、北米王座は多数存在しいちいちNWAの文字をベルトに入れたりしていないです。

猪木は73、74年と2年連続NWAに加盟を申請し馬場の妨害工作に遭って反対多数で否決されていますが親密関係にあったロサンゼルスのプロモーター「NWAハリウッドレスリング」代表のマイク・ラーベルに働きかけて新日本プロレスは非加盟団体ながら「NWA」の冠のついたベルトを作ったという訳です。

この試合は8月23日の「ワールドプロレスリング」で放送されていますが、これを見たか日本テレビの「全日本プロレス中継」のスタッフが新日本プロレスの「NWA認定ノースアメリカン・タッグ選手権」を貶める作戦を番組内で実施。

8月29日、後楽園ホールで行われた「サマー・アクション・シリーズ第2弾」最終戦、メインイベントは鶴田とドリー・ファンク・ジュニアのシングルマッチ60分3本勝負(2−1でドリーの勝ち)の放送中に解説の山田隆氏(東京スポーツ)が本件について言及。

1本目、ドリーがダブルアーム・スープレックスからの体固めで先制した後、2本目開始のゴングが鳴って先ず、実況の清水一郎アナウンサーが「さて、この番組は毎週NWAについての情報、メモをお届けしていますが、今回はNWAが『認定』するチャンピオンについて山田さんに解説して頂きたいと思います」と振ると、

山田氏は「はい、NWAが『認定』している世界チャンピオンというのは先ずは世界ヘビー級王者が、ジャック・ブリスコ(当時)でこれが世界最高峰と言われている王座です。そして世界ジュニア・ヘビー級王者がケン・マンテル(当時)、非常に若い選手なんですが。その次に来るのが世界ライト・ヘビー級王座でこれは現在、空位になっています。

NWAが『認定』しているのはこの3つだけであって、それ以外にタッグの王座を認定している、ということはなくて、NWAに加盟している各団体…」

清水アナ「傘下団体ですね」

山田「はい、PWFですとか、WWWFといった団体が、独自に認定していて、例えばインターナショナル・タッグ王座ですとか、フロリダ地区の南部タッグ王座といった王座が沢山あるんですが、これらを『認定』ではなくて『認可』しているということになります」

と番組内でアナウンスしています。これに対し新日本プロレスの新間寿営業本部長は「冗談じゃない、ウチはNWAのプロモーターであるマイク・ラーベルを通して認定してもらっている。NWAに加盟していなくてもNWAが認定しているベルトだ!」と激しく反論しています。

題材は猪木&坂口組が北米タッグ王座を奪取した時の8月19日付(18日発行)の「東京スポーツ」が使われていますが、本文記事はその後に起きている話であり、これを8月17日の出来事だ、と書かれてもピンとこない。ですが話題としては面白かったと言えます。

但し、流れさんの記述にも記憶違いあり、実況は×倉持隆夫アナ○清水一郎アナ、倉持アナが普段のイメージで例によってまくし立てたのではなく、清水アナが誘導して山田氏がほとんど喋っています。

この試合は日テレジータス「プロレスクラシック」でも繰り返し再放送されており、You Tubeでも視聴出来るので、ブログならともかく有料媒体のコラムなら書く前に確認すべし。

※対戦成績は199戦38勝161敗、勝率191。 
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