全日本プロレスとの興行戦争ですが、全日本プロレスのこの時期の動きを簡単に振り返りたいと思います。10月1日〜11月4日まで「ジャイアント・シリーズ」を開催。
本連載(316)で、10月5日、大阪府立体育会館での馬場と大木金太郎によるPWFヘビー級、アジア・ヘビー級ダブル・タイトルマッチ(17分37秒、両者リングアウト)が7,500人(超満員発表)の大観衆を集め、6日前に同所で行われた新日本プロレスの坂口征二&ストロング小林組にスタン・ハンセン&ザ・ハングマン組が挑戦した北米タッグ選手権試合をメインとした大会の5,100人発表を大きく上回ったと書きました。
その後は10月21日、神奈川県横浜文化体育館で馬場&鶴田組がケン・パテラ&ボボ・ブラジル組を2−1で破り、インターナショナル・タッグ王座2度目の防衛、10月24日、盛岡・岩手県営体育館で馬場がパテラを2−1で破り、PWFヘビー級王座37度目の防衛に成功しました。
そして、10月29日、栃木県黒磯市公会堂からのテレビ生中継ではダブル・メインイベントが組まれ、ダブルメイン第1試合が馬場と大木のPWFヘビー級、アジア・ヘビー級ダブル・タイトルマッチの再戦、時間無制限1本勝負が行われ、大阪に負けない壮絶な流血戦となりましたが、15分21秒、馬場がカウンターの16文キックからの片エビ固めで大木にフォール勝ちし、PWFヘビー級王座38度目の防衛に成功すると共に、アジア・ヘビー級王座も獲得しています。
ダブルメイン第2試合は前76年12月9日、日大講堂で大木と組んで馬場&鶴田組に敗れ、インターナショナル・タッグ王座から転落した試合以降アメリカに戻っていたキム・ドクが約11か月ぶりに全日本プロレスのリングに登場、鶴田とノンタイトルのシングルマッチ60分3本勝負で対戦、1−1からチェーンを持ち出して鶴田を攻撃したドクの反則負け。
10月31日、長野県松本市総合体育館ではザ・デストロイヤーがブラジルを2−1で破りPWF認定USヘビー級王座を防衛しました。
11月3日、後楽園ホールでは全日本プロレスと国際プロレスの対抗戦が行われ、グレート小鹿&大熊元司組の保持するアジア・タッグ王座に国際プロレスのアニマル浜口&鶴見五郎組が挑戦。
試合発表の記者会見の際、馬場が「鶴見は挑戦者としてはちょっと軽いな」とコメントし国際プロレスの吉原功代表が怒りを現すという場面もありましたが、やはり馬場の言った通りで百戦練磨の極道コンビが浜口&鶴見組を2−1で破り2度目の王座防衛を果たしています。
試合後、極道コンビの反則の多さに業を煮やしたマイティ井上がリングに上がり、「俺が浜口と組んで挑戦する」とアピール。
「ジャイアント・シリーズ」は11月4日、長野県諏訪湖スポーツセンターで最終戦が行われ閉幕、11月6日、国際プロレスの「ダイナマイト・シリーズ」後楽園ホール大会に全日本プロレスから小鹿&大熊組の極道コンビが乗り込み、井上&浜口組の挑戦を受けました。
試合は2−1で井上&浜口組が王座奪取に成功、団体対抗戦でベルトが移動した初のケースとなりました。
翌11月7日には韓国・ソウル市文化体育館で馬場&鶴田組が大木&ドク組に2−1で敗れ、インターナショナル・タッグ王座から2度目の転落。全日本プロレスはアウェイのリングで2日連続で至宝のタッグベルトを2つ奪われています。
11月25日、前橋市群馬県スポーツセンターから12月1日、和歌山県立体育館まで6大会に亘り、全日本プロレスと国際プロレスの「全軍対抗戦」を開催することになります。
全軍対抗戦最終戦の翌12月2日、後楽園ホールから「世界オープン・タッグ選手権」が開幕します。これは2年前に行われた「オープン選手権」のタッグ版。
前76年12月8日、横浜文化体育館でパット・パターソン&ラリー・ヘニング組を破り、北米タッグ王座5度目の防衛を果たした坂口征二&ストロング小林組が「シングルの日本選手権は難しいかも知れないがタッグなら出来るのではないか?」と「タッグ日本選手権」開催をぶち上げましたが、これに対する馬場の痛烈な回答が、この「世界オープン・タッグ選手権」の開催だった訳です。
「オープン選手権」は内外の20人の強豪を集めて行われましたが、参加人数が多すぎて総当たりリーグ戦は組めず、ファン投票によるランキングと見たいカードを優先して見せていましたが、途中帰国した選手も多数いて、星取表が分かりづらかったという声もありました。
馬場は「参加選手が多ければ組ませてしまえばいい」と自信たっぷりに記者会見でコメント、参加チームはドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクス、馬場&鶴田組、「地上最悪コンビ」アブドーラ・ザ・ブッチャー&ザ・シーク組、欧州代表のビル・ロビンソン&ホースト・ホフマン組、大木&ドク組、国際プロレス代表のラッシャー木村&グレート草津組、ザ・デストロイヤー&テキサス・レッド(レッド・バスチェン)組、井上&高千穂明久組、天龍源一郎&ロッキー羽田組の9チームが総当たりリーグ戦で激突。
75年の「オープン選手権」が割りとドタバタで決まった為に、12月11日、日本武道館での「力道山13回忌追善特別大試合」以外は地方の小中規模の会場しか押さえられませんでしたが、今回は夏には構想を発表していたところから大会場開催が並びました。
12月3日、愛知県体育館、12月6日、福岡九電記念体育館、12月10日、仙台・宮城県スポーツセンター、12月14日、大阪府立体育会館、シリーズ最終戦は12月15日、蔵前国技館と札幌中島スポーツセンター以外の5大都市での開催が決定。
新日本プロレスの「闘魂シリーズ第2弾」とのニアミスは大阪府立体育会館が新日本が12月1日、全日本が12月14日と2週間差、福井市体育館が新日本が12月2日、全日本が5日後の12月7日、蔵前国技館が新日本が12月8日、全日本が12月15日と1週間差。豪華メンバーを軸に馬場が年末興行戦争を制圧しそうな流れになって来ました。
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