77年7月25日、1週間後の8月2日、日本武道館で猪木と「格闘技世界一決定戦」で対戦する「黒い怪鳥」ザ・モンスターマン・エベレット・エディが来日しています。
この日新日本プロレスは宮城県岩沼市ショッパーズ駐車場特設リング(観衆3,300人超満員発表)で「アジア・チャンピオン・シリーズ」第29戦を開催。
メインイベントはストロング小林が猪木とのニュー・ゴールデンコンビを結成しタイガー・ジェット・シン&上田馬之助組と対戦するという、ノーテレビの地方大会にしては豪華なカード。1本目は14分35秒、S小林とTJシンが両者リングアウトで1−1。決勝の2本目は3分23秒、日本組の反則勝ちとなり2−1で猪木&S小林組が辛勝しています。
セミファイナルは坂口征二とエル・ゴリアスのシングルマッチ45分1本勝負で、10分5秒、片エビ固めで坂口のフォール勝ち。
木戸修とブラック・ゴールドマンの一戦は11分3秒、体固めでゴールドマンの勝利、長州力はタルバー・シンを6分57秒、体固めで破り、マサ齋藤はモハン・シンを3分30秒、逆エビ固めでギブアップさせました。永源遙はガマ・シンを9分36秒、片エビ固めで降しています。
岩沼大会終了後、猪木は「熱がある。計ったら38.2℃ある。東京へ戻る」と坂口に告げて一人、22時53分仙台駅発のグリーン寝台特急に乗車し翌26日早朝には東京へ戻りました。
26日は午後2時より、港区の東洋パブリックジムで猪木とモンスターマンによるマスコミを集めての公開練習が行われる予定で、夜は新日本プロレスの巡業は関東地区に戻り、神奈川県横須賀市三笠公園特設リングで試合が予定されていました。
7月26日、午後2時、港区の東洋パブリックジムで行われた公開練習を猪木はすっぽかし、モンスターマンがそのベールを脱ぎ、ミット打ち、ハイキック、ニールキックを披露、猪木のドタキャンに、立会人として来日したハワード・ハンセンIKA会長は「卑怯だ!」と激怒。
夜は第30戦、横須賀市三笠公園特設リング(観衆2,200人発表)大会。猪木は姿を現さず欠場。
メインイベントは坂口とTJシンのシングルマッチ60分1本勝負で7分45秒、坂口の反則勝ち。
セミファイナルはS小林とM齋藤が今シリーズ初タッグを結成しゴリアス&ゴールドマン組とタッグマッチ45分3本勝負で対戦。1本目は13分5秒、S小林がゴリアスを逆エビ固め、2本目は3分51秒、ゴールドマンがM齋藤を体固め、決勝の3本目は3分9秒、M齋藤がゴールドマンを体固めに決めて2−1でS小林&M齋藤組の勝利となりました。
山本小鉄はガマ・シンを7分28秒、体固めで破り、長州はタルバー・シンを7分32秒、体固めで降しました。星野勘太郎はモハン・シンを6分7秒、逆エビ固めでギブアップさせました。
7月27日、新宿・京王プラザホテル「コンコルドボールルーム」において猪木vsモンスターマン戦の調印式が行われていますがまたも猪木は欠席。
モンスターマンの他に、この一戦に尽力したプロモーターのハーバード・モハメド、HハンセンIKA会長、モンスターマンと共に来日した全米プロ空手WKA世界ライト級王者ベニー・ユキーデと妹で女子王者のリリー・ユキーデ、2人の兄に当たるトレーナーのアーノルド・ユキーデらが同席。
新日本プロレス側は猪木の代理人としてマネージャーの新間寿が出席、通訳のケン田島を通して「申し訳ないが猪木は体調不良の為出席出来ない、私が代わりに調印書にサインする」とモハメドに謝罪し猪木の代わりに署名。
モンスターマンは調印式の会場に置かれた猪木の顔写真のパネルにパンチを入れて穴を開けて見せました。
関東は横須賀大会のみで第31戦は7月28日、福岡九電記念体育館(テレビ収録、観衆5,300人満員発表)大会。
メインイベントはTJシン&上田組の北米タッグ王座に背水の陣で坂口&S小林組が挑戦。当初は7月15日、札幌大会でTJシン&上田組が獲得したアジア・タッグ王座も賭けられる二冠選手権と発表されましたがTJシンがこれを拒否、北米タッグ王座のみ賭けられることになりました。
1本目は9分58秒、S小林がバックドロップからの体固めでTJシンから初のフォール勝ちを奪いました。2本目は6分45秒、TJシンがS小林をコブラクロー、決勝の3本目は3分8秒、上田が落とした凶器を坂口が拾い、それで上田の喉元を一突き、倒れ込んだ上田を体固めでフォール。反則裁定なし2−1、堂々の2フォール勝ちで坂口&S小林組が約半年ぶりに北米タッグ王座奪回に成功しています。
セミファイナルは長州とM齋藤の初対決、シングルマッチ60分1本勝負。これより5年後の82年に、長州が藤波辰巳に牙を剥き、反逆の狼煙をあげた時、「心の師」としてニューヨークにいたM齋藤を訪ね、それが革命軍、維新軍、ジャパンプロレスと行動を共にする形で発展、87年に長州が新日本プロレスにUターンしてからも関係は続くことになります。
両者の記念すべき初対決はM齋藤のバックドロップを長州がコーナーを蹴って共倒れで両者ダウンし、先に長州が起き上がってM齋藤をフォール。12分35秒、体固めで長州がM齋藤を破る金星を挙げています。
マニアが歓喜しそうな好カード、星野勘太郎&山本小鉄組のヤマハ・ブラザーズとエル・ゴリアス&ブラック・ゴールドマン組のレッド・デビルスの45分3本勝負が実現。
1本目は2分43秒、ゴールドマンが星野を体固め、2本目は1分40秒、星野がゴールドマンを体固め、決勝の3本目は13分11秒、小鉄がゴリアスを体固めで破り2−1でヤマハ・ブラザーズに軍配が上がりました。
木戸修はタルバー・シンを8分2秒、エビ固めで破り、デビュー2年目の佐山サトルが木村健吾(たかし改め)とのシングルマッチでテレビ収録初登場、11分53秒、エビ固めで木村が勝利。永源とガマ・シンのシングルマッチは5分54秒、体固めで永源がフォール勝ちしています。
猪木欠場の影響で、福岡大会はテレビ朝日「ワールドプロレスリング」で2週に分けて放送され、7月29日はTJシン&上田組vs坂口&S小林組の北米タッグ選手権試合のみ放送。
翌週8月5日に長州vsM齋藤、星野&小鉄組vsゴリアス&ゴールドマン組、木村健vs佐山の3試合が放送されています。
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