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2022年10月27日23:32

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ストロング小林さん追悼(294)

全日本プロレスとの興行戦争ですが、全日本プロレスは新日本プロレスの「ゴールデン・ファイト・シリーズ」先立つ2週間前、4月8日、後楽園ホールから春の祭典「第5回チャンピオン・カーニバル」を開幕させています。

参加外国人選手は前年度優勝者アブドーラ・ザ・ブッチャーを初め、スーパー・デストロイヤー(ドン・ジャーデン)、ブル・ラモス、ジム・デュラン、ビル・ホワイト、後にブルーザー・ブロディ刺殺犯として大事件を起こすホセ・ゴンザレス、レッド・ウルフの7選手。

日本側は覇権奪還を狙う馬場、ジャンボ鶴田、ザ・デストロイヤー、前年は短期のオーストラリア遠征に出ていて不参加だった高千穂明久、グレート小鹿、大熊元司、サムソン・クツワダ、フリー参戦の大木金太郎の計15選手が総当たりリーグ戦による優勝争いを展開しました。

初の総当たりリーグ戦だった前76年の第4回大会はリーグ戦最終日まで公式戦を組み、最多得点者が優勝ということでしたが、この年からリーグ戦得点上位2名による優勝決定戦を開催するシステムとなりました。

新日本プロレスの「第4回ワールド・リーグ戦」と違ってシードもなければ棄権もなく、ケレン味なしの総当たり戦は見ていて潔さを感じましたが、PWFルール特有の両者リングアウトの無得点試合がやたら目立ちました。

また、第4回大会でダークホースとして優勝争いを面白くしたザ・バラクーダ(マリオ・ミラノ)のような存在もおらず、前76年8月28日、日大講堂でのデストロイヤー覆面十番勝負最終戦に特別参加したSデストロイヤーと、ラモスの不調はリーグ戦の盛り上がりを大きく欠けさせる要因となりました。

Sデストロイヤーは上位陣には全敗、ラモスは馬場、鶴田に負け、デストロイヤー、ブッチャー、Sデストロイヤー、大木に両リンと共に12失点の16点で優勝争いから早々に脱落。Sデストロイヤーが前年のバラクーダ、ラモスが前年のキング・イヤウケアの役割をこなす存在でなければならなかったのに、リーグ戦を盛り上げるには遠く及ばず。

前年、優勝争いレースにおり、リーグ最後の最後で大木にリングアウト負け、小鹿に両リンと文字通り足を掬われたデストロイヤーは馬場には時間切れ引き分けでしたが、鶴田にリングアウト負け、ブッチャー、ラモス、ホワイト、大木と両リンの11失点の17点。

前年、最終日まで優勝の可能性を残し、この年の台風の目になるかと期待された大木は負けはありませんでしたが馬場、鶴田、デストロイヤー、ブッチャー、ラモスと5両リンの10失点で18点とこちらも早々に優勝争いから脱落しています。

馬場vs鶴田の注目の師弟対決はこの年はノーテレビの5月4日、秋田県立体育館で組まれ、鶴田が30分時間切れ引き分けに持ち込んでいます。

優勝争いは馬場に時間切れ引き分け、ブッチャーに負け、大木、ウルフと両リン、失点7で21点の鶴田が1位でリーグ戦1位通過、優勝決定戦進出が確定。

2位には鶴田、デストロイヤーと時間切れ引き分け、ブッチャー、大木、デュランと両リンで失点8の馬場と負けなし、馬場、デストロイヤー、大木、ラモスに両リンで同じく失点8のブッチャーが20点の同点で並びました。

5月14日、全日本プロレスとしては初の単独開催となる日本武道館(テレビ生中継、観衆10,500人発表)大会。まずは決勝進出者決定戦として馬場とブッチャーが対戦、9分10秒、馬場が反則勝ちを拾い優勝決定戦に進出しています。

優勝決定戦はこの日2試合目となる馬場が1位の鶴田と対戦、10分25秒、ランニング・ネックブリーカードロップからの体固めで破り2年ぶり4度目の優勝を果たしています。

馬場はデュラン、鶴田はウルフと両リンといういかにも得点調整の取りこぼしもありましたが、ここは上位陣同士で白黒つけてリーグ戦を面白くすべきでした。

また、前年「俺らはコンビだから闘わない」と公式戦での対戦を拒否し、両者不戦敗になった小鹿、大熊の極道コンビ対決はこの年は行われ、大熊の勝利。現アジア・タッグ王者チームだった高千穂とクツワダのオーストラリア遠征コンビ対決は高千穂が勝っています。

新日本プロレスの「ゴールデン・ファイト・シリーズ」は東京の大会場での興行はなく、全日本プロレスの日本武道館大会は比較対象になる大会はありませんが、全日本プロレスの初の単独開催の日本武道館は10,500人と満員には成らず。

大阪府立体育会館は新日本プロレスが開幕戦の4月22日、猪木&坂口征二組vsブルート・バーナード&キラー・カール・クラップ組、ストロング小林復帰戦vsブラックジャック・モース戦で4,400人発表。

全日本プロレスは5月18日に同所で馬場&鶴田組がブッチャー&ラモス組を2−1で破り、前76年12月9日、日大講堂で大木&キム・ドク組を破って42日ぶりに王座奪還に成功したインターナショナル・タッグ王座の初防衛に成功していますが、こちらが3,800人発表。

共に満員とは成らず、どちらかと言えば厳しい客入りでの争いになりましたが、1か月近く後発の全日本プロレスは、新日本プロレスの発表数字を叩き台にしてそれを少し上回る発表も可能だった訳で、それをしなかったのはやはり不入りだったということでしょう。府立は僅差で新日本プロレスが勝ったと言えます。

しかし、新日本も開幕戦の府立が4,400人、4月28日、那覇市奥武山体育館が3,500人、5月6日、福岡スポーツセンターに至っては坂口の地元にも関わらず2,600人、5月20日、川崎市体育館が3,300人、5月27日、高松市民文化センターが3,000人、5月30日、岡山武道館が2,400人と褒められた数字ではありませんでした。最終戦の6月1日、愛知県体育館は合格点と言えますが猪木vsアンドレのNWFヘビー級選手権試合を持ってきたのですからこれで満員にできなければ、何か問題があるとしか言いようがないです。

前半は日程にオフが多かったのはやはりエースがロートルのバーナードでは集客力に欠けたのでしょう。後半はアンドレ参戦ということでオフも少なく、過密日程でした。地方のプロモーターにはタイガー・ジェット・シンと並び、アンドレの出る興行は「買い」でした。(全日本プロレス「NWAチャンピオン・シリーズ」との比較は次回お送りします。)
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