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2021年08月06日22:16

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文豪原作のオムニバス・ホラー 『ブラック・サバス』

菊地秀行の名著「魔界シネマ館」(ソノラマ文庫)で紹介されたのを読んで以来、ずっと見たかった映画『ブラック・サバス』を廉価版ブルーレイで見ることができました。

トルストイ、チェーホフ、モーパッサンの原作を1話ずつ映画化したオムニバス・ホラーで、本邦未公開です。今回のソフト化に当たっては『ブラック・サバス/恐怖!三つの顔』の邦題がついています。

1963年、フランス=イタリア合作です。

●第1話「電話」
現代。帰宅したコールガールのもとに、かつて関わりのあった脱獄囚から殺害予告の電話が何度もかかってくる。おびえる彼女は友人に来てもらうが…。

…第1話からして怖くも何ともないので、早くも不安になりました。オチも拍子抜け。

●第2話「ヴルダラク」
19世紀のロシア。首なし死体を発見した旅人が、ある屋敷に泊めてもらうことに。屋敷のあるじ(ボリス・カーロフ)は村を荒らす吸血鬼”ブルダラク”退治に出ていたが、別人のように変わり果てて帰宅し…。

…この2話は恐怖度が高く、良い出来。ロシアで土着ホラーといえば名作『妖婆・死棺の呪い』がありますが、雰囲気も似ています。救いのないラストもなかなか。

●第3話「水滴の音」
20世紀初頭の英国。変死した女伯爵の死体から指輪を盗みだした看護婦。家に帰ると、死んだはずの女伯爵が凄まじい形相で現れる。

…悪いことはできないね、という教訓めいた小話でした。女伯爵の顔がもの凄く、夢に出てくるレベルです。

全編通して狂言回しのような役で登場するボリス・カーロフが茶目っ気たっぷりで楽しい(2話だけは狂気の演技で本領発揮です)。第2話の怖さが際立っています。

よくぞ廉価版BDを出してくれたものです。カラーも美しい。感謝。★★★。
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