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2021年05月28日17:26

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構造的欠陥はあっても面白い 『クルエラ』

ディズニーの『101匹わんちゃん』(1961)の前日談を実写で映画化した『クルエラ』を見て来ました。このところ配信で済ませようとする傾向の強いディズニーですが、本作は劇場にてほぼ日米同時公開されています。

予想に反して面白い映画でした。

【物語】
1970年代のロンドン。
母を亡くし、デパートの有名アパレルで働き始めたエステラ(エマ・ストーン)は、デザインのセンスの良さを有名デザイナーの男爵夫人(エマ・トンプソン)に認められ、引き抜かれる。ファッション・デザイナーとして才能を発揮し始めたエステラは、男爵夫人に秘められた過去に気が付き、復讐を誓うが…。

…『101匹』のクルエラは、ディズニー・ヴィランのみならず、映画の悪役史上に残る強烈な悪女です。お定まりの前日談かと思って見ていると、少女が悪女に転身していく姿が非常に丁寧に、説得力を持って描かれていて、意外に繊細なのに驚かされます。

エマ・ストーンの起用は成功でした。
過去にグレン・クローズも演じたことのある強烈な役で、ヴィジュアルだけでなく、演技力も必要とされる主人公に、エマ・ストーンは適役でした。それを上回る役として登場する男爵夫人=エマ・トンプソンも、冷酷のかたまりのような悪女で鮮烈です。新旧エマの対決映画として見ても面白い(旧などと言うとエマ・トンプソンに失礼)。

最も、劇中では犬好きだったクルエラが、『101匹』ではなぜ毛皮狂になったかが語られなかったり、観る者はクルエラに感情移入するのに、このあと狂気のヴィランへと成長していくことを考えると複雑な気分になるなど、構造的な欠陥はある映画です。

上映時間135分は長尺ですが、70年代のロックが終始なりっ放しなので、飽きることもなし。むしろ楽しい映画でした。子ども向けではありません。★★★★。
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