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2020年05月19日13:35

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ピアノレッスンとオルランド



『ピアノ・レッスン』
  幾度ともなく観るが、久しぶりに観てもやはり良い。ナイマンの音楽がひっぱてくれるな。なにかの本でサリーポッターとカンピオンをフェミニズムの映画と言っていたので最近、そうなのかとふたりの作品を観てるが、『ピアノ・レッスン』を最初観た当時は、フェミニズムとかそんなことも感じずに観た。本能のドラマ、官能のドラマ、いわゆる西洋人から見る野蛮人の文化と貞節という概念で己の立場にいる西洋人の文化の葛藤的ポストコロニアズム、野生人と不能者(むかし買ったパンフレットに性的な意味でのそれのように書いてあったけど、今回見ると西洋という概念がそうさせるものに思えた)或いは、性的衝動や女性の自立、とか、ウンチク以前に、なんかフツーにスッと入っていける。どの人物にも感情移入ができる。なるほど、と思える作品であるが、考えるより、やはり感じる作品である。ラストの海のなかに漂うハンターも、そうでなくてよかったね、ではなく、女性的な両義性がその前のシークエンスとのコンティニュイティに表される。女性的、というよりも、誰しももってるものだろうか。
  フェミニズムで考えると、今回はそうしたとこでも観たからか、そうも感じられる。自立という以前に彼女自身は最初から異立している。カイテルに寄り添うのではなく、彼女自身がずっと在る。
  ホリー・ハンターは赤ちゃん泥棒やブロードキャストニュースでの、自立して自身の意見を発しまくる強い女性イメージがあるので、最終盤に表されるような、なにかから抜け出したような変化があまり感じられず、カンピオン自身、ストリープをキャストしたかったらしく、カンピオンとストリープなにか似てるし、カンピオンは彼女自身のイマーゴを描きたかったのかな、当時のストリープは悲劇性がかね備わって、この作品のドラマをおもしろくもしただろうし彼女がやっていたらどうなってたんだと思うが、ハンターはシナリオをとても気に入りこの役を得るためにストーカーのようにカンピオンを追いかけまわし、カンピオンはついにはハンターが弾くピアノで、その気になったと聞くが、ハンターがキャストされたから彼女にどこか似るパキンも決まったと思うのだけれど(ストリープだったらパキンはなかったのではないだろうか)、最初から意思がある感覚が、彼女の声であるピアノから派生されるドラマであるから、ハンターのキャストがあるからこそ『ピアノ・レッスン』だと改めて思えるのである。
  今回観てちょっと残念に思えたのは、男性監督が男性を主人公にした映画で、ヒロインが所謂ステレオタイプに表されているのと同じように、この作品の主人公が複雑なのに比すれば、カイテルもサムニールも幾分か男性のステレオタイプに表されているところ、である。でも、男性が描いてきたことに対するアンチテーゼを意図して、こうしたものとして表したのかな。


『オルランド』
今も愛される作品なのに何故にこれまで観なかったのか、と振り返ると、当時はコスチューム・ドラマが苦手で、眠くもなるし、ヴィスコンティもアイヴォリーも敬遠していたからか、となるも、ではなく、思い出してみると、トレーラー観て、なんだか何百年も生きてる吸血鬼の話のような感覚がしてゾッとして敬遠していたからだった、となるも、ポッターのタンゴ・レッスンが面白かったので観る気になったのであった。電子音楽なところは古さを感じられず寧ろ新鮮なものに感じられたり、ラストの方のヴィデオ映像も当時としてだが今此処を基軸に(歴史を読み取るでなく)女性性とはなんぞやを表さんとしているセンスを思え、おもしろかった。男性でありながらも女性の気持ちであり、そして男性の立場でありながら女性の姿へ、そこにさり気なく、しかしながら強い主張としての女性のあり方が、社会の批判的考察となって表される。彼女のカメラ目線は、この風刺的考察のいざないに主張としての女性のあり方をさり気なく盛り込ませている。でもって、なんとなく少女漫画の感じするところもよかった。当時からのファンだけではなく、サブカルコスプレのこの時代において、若人にもきっと魅了されている作品なんだろうな、となる。





サリーポッターはダンサーだからか身体性、というか動きへの関心、或いはイギリス人だからか、社会考察的ブラックユーモアを表すセンスのヒトなのかな。なんか、そういうのに特化している感じがする。カンピオンとポッターは最近の作品で打ち止めにしよう。ポッターの作品はカンピオンの娘をキャストとしているのか。

 『ブライト・スター〜いちばん美しい恋の詩(うた)』予告




 『ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界』予告





   ”Yes” Trailer





  ”RAGE” Trailer





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