『ヘレディタリー/継承』で衝撃的に知れ渡った鬼才監督、アリ・アスターの新作ホラー映画『ミッドサマー』を見て来ました。
(実はホラーというと、ちょっと語弊があります)
『ドラえもん』の新作が公開延期になり、穴が開いたため、急きょ地元の劇場にかけられたものです(しかも最大スクリーンで…)。ほとんど事前の告知をされていなかったので、見られるとは思っておらず、あわてて行って来ました。
※ご注意。映画の内容に深く触れる記述があります※
【物語】
スウェーデンの小さな村に、アメリカ人大学生の一行がやってくる。村は、スウェーデン人留学生ペレの故郷であり、その友人たちが村の夏祭りに招かれたのであった。彼らの中には文化人類学を専攻する学生もあった。
紅一点参加したダニー(フローレンス・ピュー)は、凄惨な出来事で家族を亡くしたばかりであり、情緒も不安定だったが、美しい大自然と陽光あふれる白夜、優しい村人たちに癒されていく。
しかし始まった夏祭りは、人間の常識から激しく逸脱した、恐怖の奇祭であった。
…見る前は、これは『ウィッカーマン』なのかなぁ…と思っていたら、案の定『ウィッカーマン』でした。しかも、この『ミッドサマー』の方が100倍イヤな映画です(ほめ言葉)。
モンスターが出てくるのでも、主人公を影から狙う何かが効果音とともに飛び出すのでもなく、残酷な人体破壊シーンも(ほぼ)ないのに、見終わったあと心に残る「イヤなモヤモヤ感」は不快度MAXで最高です。
ほぼ全編に渡り、日の沈まない白夜と、美しい大自然、人びとの慈愛に満ちた笑顔に満ち溢れている映画です。それなのに、剥き出しの神経をヤスリで逆なでするような感覚だけが残ります。狂気に満ちたラストは、ホラー映画好きにはたまりませんでした。
(ホラーとカテゴライズするのが難しい映画ですが…)
★★★★。
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