mixiユーザー(id:6337596)

2016年11月22日23:37

215 view

『病院坂の首縊りの家』再考

NHKによる長谷川博己版「獄門島」を見て以来、金田一耕助づいています。

昨日は古谷一行版「本陣殺人事件」(1977)を久しぶりに鑑賞。
中尾彬=金田一の映画版も良作ですが、尺の長さもあり、じっくり描かれている古谷一行版もまた傑作です。


今日は市川崑監督・石坂浩二=金田一による東宝シリーズ第5作、『病院坂の首縊りの家』(1979)を見ています。

解決に20年を有した長大で複雑な原作を、コンパクトに(それでも140分近い長尺)映画化したもので、評価は様々ですが、個人的には傑作と見ています。

シリーズ屈指の病んだヒロイン、桜田淳子がいい。ニットの帽子が可愛いと思えば、対極にあるビッチのような女を行ったり来たり。病的ヒロインの極みです。

金田一耕助の助手的ポジションに位置する青年・黙太郎役の草刈正雄もいいです。
考え方が金田一に似ていて、金田一と共感し合う姿が印象的です。

緩急自在な市川崑監督の演出は、前作『女王蜂』で感じた窮屈さを微塵も感じさせず(『女王蜂』も大好きですが)、メリハリをつけてぐいぐい引っ張ります。


ラスト、病院坂から静かに去っていく金田一耕助の後ろ姿の寂しさよ。
石坂浩二でなければ出せない味わいでした。

★★★★。
4 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年11月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930