観客は9100人発表と満員マークはつかなかったUWF蔵前国技館大会ですが、実際は4、5000人程度の入りではなかったかと思います。
また、この日新間会長は猪木についても言及し、「私は今日、このリングにアントニオ猪木が上がってくれると信じて待っていた。しかし、アントニオ猪木は現れなかった。猪木さんのやりたい真の過激なプロレスはこのUWFのリングにあると思います。必ず、猪木さんをUWFのリングに上げて見せます。」
とまだ猪木に対する未練を見せています。
これは後日明るみに出ますが新間は浦田社長に「猪木がUWFのリングに上がるにはお金が要るから」と言って2500万円を「移籍料」という名目で借りてそれを猪木に渡しています。
猪木はそれを受け取り、おそらく自転車操業と化しているアントンハイセルの運転資金に使い、すぐに使い果たしてしまった訳です。
ハイセルに資金が流れることは新間も当然わかっており浦田社長は新間の口車に乗って2500万円を貸付、しかしプロレスの世界の金銭の私借はプロレスラー側からみれば返す必要はないのが常識。
例によって猪木は「一山当てたら倍にして返す」位の感覚だったかと思います。
どちらにせよ移籍料というのは今回は元々、猪木が新日本プロレスを辞めてUWFに来るという話ではなく、いわば最近の例では飯伏幸太みたいな「2団体所属」のような感じでフジテレビとテレビ朝日の2局に出るという話ですので当てはまらず。
しかし、新間は資金を出してくれた浦田社長の手前、猪木がUWFに来ることを諦めるような発言は出来なかったのです。これについては稿を改めて書きます。
この蔵前大会はビデオカメラが回っていたとの情報もありますが、後にUWFのオフィシャルビデオシリーズを発売するクエストからはリリースされず、幻の大会となりました。
翌日の84年4月18日、新日本プロレスは大垣市スポーツセンターでのテレビ収録。
前日までUWFのシリーズに参戦していた高田伸彦が戦列に復帰。セミ前の第7試合に出場、ブルース・ハートとのシングルマッチを行いエビ固めでフォール勝ち。
前夜、前田日明と壮絶な喧嘩マッチを行った藤原喜明も新日復帰、セミで木村健吾と組んで長州、アニマル浜口組と対戦、長州が木村健をリキラリアットから体固め。
メインは猪木、藤波組vsマスクド・スーパースター、ヘラクレス・アヤラ組。アヤラ唯一のテレビ出場は猪木の延髄切りからの体固めでアヤラに勝利を収めています。
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