78年新日本プロレス「ビッグ・ファイト・シリーズ」も後半戦。藤波辰巳は3月17日の大垣大会が終わると、3月20日(現地時間)、ニューヨークMSGで開催される定期戦でジプシー・ロドリゲスとWWWFジュニア・ヘビー級選手権の防衛戦を行う為に渡米し、短期間日本を留守にします。
藤波は師匠・猪木でさえ為し得ない「日米を股にかけて闘うチャンピオン」という新しい王者像を創造しました。実際には新間寿の演出の部分もあり、藤波が出場してもしなくてもMSGの観客動員には差はないですが、ベルト獲りたての頃は「60日以内にWWWF地区で、WWWF本部の指名する挑戦者と防衛戦を行わなければならない」というような決まりがあったように記憶しています。
第12戦は3月19日、愛知県豊川市体育館(観衆2,400人発表)大会。
ストロング小林はメインイベントに出場、猪木とのニュー・ゴールデンコンビを結成し、マスクド・スーパースター&マスクド・カナディアン組と対戦。1本目は14分8秒、猪木がMカナディアンを回転エビ固め、2本目は4分58秒、日本組の反則勝ちとなり、反則含みながら猪木&S小林組のニュー・ゴールデンコンビが2−0のストレート勝ちを飾りました。
セミファイナルは木戸修とカネックのシングルマッチ45分1本勝負で、9分4秒、カネックが体固めで木戸を降しています。
イワン・コロフは永源遙を6分15秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせ、長州力はロン・スターを9分14秒、逆エビ固めで撃破、藤原喜明とロベルト・ソトのシングルマッチは11分12秒、片エビ固めでソトに軍配が上がりました。
タッグマッチ修行中のバッファロー・アレンは星野勘太郎と組んで、木村健吾&栗栖正信(正伸)組と対戦、12分38秒、星野が栗栖を体固めでフォールしアレン&星野組の勝利。
第14戦、3月21日、三重県津市体育館(観衆3,600人超満員発表)大会。
メインイベントは3月3日、開幕戦の高崎大会に次いで2度目となる猪木vsMスーパースターのNWFヘビー級選手権試合の前哨戦、ノンタイトルのシングルマッチ60分1本勝負で12分41秒、またしても猪木の反則勝ちに終わりました。
セミファイナルはS小林&星野組がコロフ&Mカナディアン組と対戦したタッグマッチ45分3本勝負。1本目は11分37秒、Mカナディアンが星野を体固め、2本目は5分29秒、S小林がコロフをカナディアン・バックブリーカー、決勝の3本目は3分40秒、コロフがカナディアン・バックブリーカーのお返しでS小林からギブアップを奪い、2−1でコロフ&Mカナディアン組の勝利に終わりました。
カネックは木村健を6分2秒、体固めで破り、長州はソトに9分15秒、体固めでフォール勝ち、スターは栗栖を9分11秒、片エビ固めで降しました。
アレンは木戸とのタッグで、藤原&魁勝司(北沢幹之)組と対戦、13分20秒、木戸が魁を体固めに決めてアレン&木戸組の勝利となりました。
3月20日(現地時間)ニューヨークMSG定期戦に出場した藤波は未来日のGロドリゲスとWWWFジュニア・ヘビー級王座の防衛戦を行いました。Gロドリゲスはプエルトリカンですが、スピードはなく、動きは今ひとつ。8分45秒、藤波が後方回転エビ固めからブリッジしてジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド狙いでブリッジをしようとしたところ、その前にカウント3が入ってしまい、藤波が不完全な回転足折り固めで3度目の防衛に成功しましたが、WWWFマットではジュニア・ヘビー級の人材が不足している感じでした。
プロレスラーとしてのキャリア11年にしてWWWF地区初サーキットの坂口征二がMSG初登場、日本向けにウィリエム・ルスカとの柔道ジャケットマッチが組まれ、10分45秒、ルスカが柔道着の帯で坂口の首を絞めて坂口の反則勝ちとなりました。
2月20日のMSG定期戦でボブ・バックランドに敗れてWWWFヘビー級王座から転落したスーパースター・ビリー・グラハムはこの日、新王者のバックランドにリターンマッチを挑みました。
前回、グラハムを破って王者となったバックランドは戴冠して3日後の2月23日、フロリダ州ジャクソンビルでNWA世界ヘビー級王者ハーリー・レイスと早くもダブル・タイトルマッチを行い、60分ノーフォールの時間切れ引き分けという激闘を展開。若きベビーフェイスの王者として実力を発揮しています。
前王者のグラハムもヒールチャンプとしては異例とも言える10か月という長期政権を築いていただけに、フロック負けであることを証明したいところ。グラハムはバックランドの額を割って流血に追い込み、18分31秒、ドクターストップで勝ちましたが、ルールによりタイトルの移動はなし。
アンドレ・ザ・ジャイアント&ダスティ・ローデス&ミル・マスカラスの超豪華ベビーフェイストリオがケン・パテラ&プロフェッサー・タナカ&ミスター・フジ組と対戦した夢の6人タッグマッチ行われました。
この試合、「東京スポーツ」を初め「別冊ゴング」、「月刊プロレス」では60分1本勝負と報じられ、7分、アンドレがフジを体固めで降したと記録されていますが、実際には60分3本勝負で1本目はローデスがタナカをジャンピング・エルボードロップから体固め、2本目はアンドレがフジを体固めで降し、アンドレ&ローデス&マスカラス組が2−0で勝っています。
MSG定期戦の模様はここに挙げた試合のうちバックランドvsグラハム戦を除く3試合が4月7日の「ワールドプロレスリング」で放送されていますが、全日本プロレスにレギュラー参戦をしていたマスカラスの試合をテレビ朝日で流した為、馬場が激怒、テレビ朝日と新日本プロレスに厳重抗議しています。
馬場、鶴田、それに日本陣営で活躍していたザ・デストロイヤーなどは全日本プロレスの所属であるだけではなく、日本テレビとも契約しており、無断で他局には出られない。逆も然りで猪木、坂口、藤波、S小林らはテレビ朝日とも契約しています。
来日外国人選手はそこまでの縛りはなく、テレ朝はやったもん勝ちのノリでマスカラスを「ワールドプロレスリング」に登場させてしまいました。
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