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2024年07月24日05:07

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ストロング小林さん追悼最終章(756)

話を81年新日本プロレス「サマー・ファイト・シリーズ」に戻したいと思います。アブドーラ・ザ・ブッチャーのシリーズ初参戦の同シリーズですが、シリーズ最終戦の8月6日、蔵前国技館大会のメインイベントとして発表されたのは猪木vsブッチャーではなく、猪木vsローラン・ボックでもなく、猪木vsマスクド・スーパースターの「賞金3万ドル&覆面剥ぎマッチ」でした。
 
興行の看板であったNWFヘビー級選手権が返上、封印されてしまった手前、メインイベントの猪木の試合に何らかの工夫を凝らさなければならない。その中で出てきたのがこのカードだった訳です。

ブッチャーは猪木のライバルとして呼ばれた訳ではなく、地方巡業の集客目的だったのは元新日本プロレス営業部長だった大塚直樹氏が複数の媒体で語っていますのでほぼ間違いないと思われます。

新日本プロレスの巡業は関東から北海道へと。恒例の夏巡業。

第6戦、7月10日札幌中島体育センター(テレビ生中継、観衆5,700人満員発表)大会。メインイベントは蔵前大会の前哨戦、猪木とMスーパースターのシングルマッチ60分1本勝負、猪木をパワーで圧倒するMスーパースター、場外乱闘の最中両者同体で場外フェンス越しに身体が出てしまい、14分8秒、両者フェンスアウトの引き分け。消化不良の結末に終わりました。

セミファイナルは藤波辰巳のWWFジュニア・ヘビー級王座に初来日のスタンリー・レーンが挑戦した60分1本勝負。レーンは後にスタン・レーンとしてスティーブ・カーンとのタッグチーム、ザ・ファビュラス・ワンズとしてテネシーで活躍、また、ノースカロライナ州を中心としたNWAミッドアトランティック地区ではデニス・コンドリーと組んでボビー・イートンの後釜として2代目ミッドナイト・エキスプレスで活躍。

古巣テネシーでは1月に初来日したトム・プリチャードとのタッグで初代ヘブンリーボディーズとなるなどタッグの名手に成長していきましたが、この時は27歳の若手、スピードのあるトラースキックで藤波を追い込んでいきましたが、場外戦でバックの取り合いとなり藤波が場外でジャーマン・スープレックスを見せて12分43秒、リングアウト勝ち。藤波が24度目のタイトル防衛に成功しました。

ブッチャーはセミ前に出場、バッドニュース・アレンとのタッグで坂口征二&長州力組の前北米タッグ王者チームと45分1本勝負で対戦、9分44秒、ブッチャーがジャンピング・エルボードロップからの体固めで長州にフォール勝ち。

第11戦、7月15日釧路市厚生年金体育館(テレビ収録、観衆3,300人発表)大会。メインイベントでは猪木&藤波組がブッチャー&アレン組と対戦。1本目は12分54秒、日本組の反則勝ち、2本目は3分55秒、猪木とブッチャーが両者フェンスアウトとなり2−1でスコアの上では猪木&藤波組が勝っています。

セミファイナルは坂口とMスーパースターのシングルマッチ45分1本勝負で9分16秒、両者フェンスアウトとなりました。

このシリーズから何故か「両リン」ならぬ「両フェン」裁定がいきなり増加しだしました。

セミ前ではレス・ソントンが木村健吾を9分37秒、片エビ固めで破っています。釧路大会は7月17日放送の「ワールドプロレスリング」で録画中継され上記3試合が放送されています。

長州はFサベージを6分50秒、逆エビ固めでギブアップさせ、レーンは今シリーズから戦列復帰した剛竜馬を9分12秒、片エビ固めで降しました。

北海道から本州に戻り第19戦は7月24日愛知県刈谷市体育館(テレビ生中継、観衆3,800人満員発表)大会。

メインイベントは前週の釧路大会の再戦となる猪木&藤波組とブッチャー&アレン組の対戦。1本目は10分19秒、藤波がアレンを逆さ押さえ込み、2本目は1分59秒、両チーム反則となり2−1で猪木&藤波組が勝ちましたが、またしても不完全決着となりました。

この日から特別参加となる「東欧の爆撃機」ミッシェル・ナドール。日本にはこれまでマイケル・ネイダー表記で国際プロレスに2度来日。2度目の来日となった70年1月には、初来日だったモンスター・ロシモフ(アンドレ・ザ・ジャイアント)とタッグを結成。

1月18日福岡九電記念体育館で豊登の引退により空位(パートナーはストロング小林)となったIWA世界タッグ王座決定戦でグレート草津&サンダー杉山組を破って第2代王者となった実力者。

翌週の7月31日、大阪・高石市臨海スポーツセンターから特別参加する「墓堀人」ローラン・ボックが最も苦手とした実力者。(2月3日、広島県立体育館で草津&杉山組のリターンマッチに敗れベルトを明け渡す。)

実に11年半ぶりの来日。1932年(月日不詳)ハンガリー出身の当時49歳とベテランの域に達していました。ナドールはセミファイナルで長州とシングルマッチ45分1本勝負で対戦、長州もレスリングでは72年ミュンヘン五輪出場経験があり、ナドールとレスリングで勝負し、ゴツゴツしたカタい試合になりましたが最後は9分24秒、ナドールが強引なサイド・スープレックスを決めて体固めでフォール勝ちしています。

セミ前はジョージ高野が4が月ぶりにテレビ登場、レーンとシングルマッチ30分1本勝負で対戦し11分12秒、片エビ固めで敗れました。

この日の「ワールドプロレスリング」生中継は上記3試合が放送されています。

坂口はFサベージを5分26秒、逆エビ固めでギブアップさせ、Mスーパースターは木村健に6分、体固めでフォール勝ち。ソントンは若手の前田明(日明)と対戦、8分5秒、体固めで勝利を飾っています。

なお、7月23日(日本時間24日)ロサンゼルスにおいて新間寿営業本部長が「東京スポーツ」のダン・ウェストブルック通信員による取材に応え、新日本プロレスが全日本プロレスのレギュラー外国人だったディック・マードックの獲得に成功したと7月26日付(25日発行)の紙面で報じています。

マードックはこの年の2〜3月の全日本プロレスの「エキサイト・シリーズ」に来日、NWA世界ヘビー級王者ハーリー・レイスとノンタイトル戦ながら互角の試合を展開、両者リングアウトで引き分け、日本での評価を上げていました。

マードックは8月21日大宮スケートセンターで開幕する次期「ブラディ・ファイト・シリーズ」前半戦2週間に特別参加が決定しました。

やはりマードックは「NWA世界ベルト」よりも「日本のビール」を選んだということなのでしょうか?

新日本プロレスと全日本プロレスの引き抜き抗争はさらにエスカレート、熾烈を極めてきた訳であります。
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