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2022年11月03日23:46

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ストロング小林さん追悼(301)

77年新日本プロレス「アジア・チャンピオン・シリーズ」第25戦、7月21日、仙台・宮城県スポーツセンター(テレビ収録、観衆4,500人発表)大会。

メインイベントはストロング小林がタイガー・ジェット・シンのアジア・ヘビー級選手権に挑戦した60分3本勝負。

S小林は新日本プロレスに入団してから初のシングル王座への挑戦、しかも対戦相手は圧倒的に分が悪いTJシン。6月29日、大阪府立体育会館で坂口征二から執拗なコブラクローで2本奪い、2−1で完勝しているだけに戦前の予想ではS小林の不利が予想されました。

挑戦者S小林は薄いピンクの地に波が描かれたガウンで入場、TJシンは上半身裸で腰にアジア・ヘビー級王座のベルトを巻いて入場。しかしリングインするやサーベルをセコンドに素直に渡して観客席からはどよめきが。「今日はクリーンに闘う」という意志の現れか、ヒンズー教の神に敬虔に祈りを捧げチャンピオンベルトの返還にも素直に応じています。

1本目試合開始のゴング。静かな立ち上がり、組み付いてS小林はTJシンをコーナーに押し込む。離れ際、S小林が軽く張り手を見舞いましたがTJシンは何もせずクリーンブレイクに応じ、館内からまたどよめきが起きました。

実況の山崎正アナウンサーが本連載296で書いた7月5日、飯山大会でのS小林の頚椎捻挫の件について触れ、「首は左には回せるが右に回せない状態、鍼灸の治療をしながら試合に出場、首は完全ではない」とのことです。

また、次週放送される7月28日(29日放送)の福岡九電記念体育館で行われると発表されたTJシン&上田馬之助組の北米&アジア・タッグ二冠選手権試合について、王者のTJシンは「北米タッグはリターンマッチだから仕方がない。しかし、何でアジア・タッグまで賭けなければいけないのか?アジア・タッグ王座を賭けることは拒否する」と二冠選手権を拒否、福岡大会では、北米タッグ王座のみが賭けられることになった、と実況でアナウンスされています。

TJシンはS小林の左足を捕らえ、右足を自分の足で払って倒し、レッグシザース。これをS小林は下からフェイスロックで外そうとしましたが、TJシンは足に力を入れて外させず。S小林は余った右足を使ってアームバーに移行してこれを強引に外しました。

両者スタンドからTJシンがバックを取りにいきましたがS小林はロープへ。TJシンはこの時もクリーンブレイク。

両者リング中央で手四つの体勢から力比べ、通常なら手四つにS小林が組もうとする前にボディーにトーキックを入れるTJシンですが、この時は「王者としてのレスリング」を意識していたか、手四つで力比べに応じました。手四つからジャンプして力を入れたS小林、TJシンが膝を着きました。フィンガーロックはS小林の優勢に。

TJシンは再び足を取って倒すとアームロック。S小林はアームロックをかけられたまま、TJシンをエアプレーン・スピンの体勢に抱え上げてコーナーポストヘ。離れ際、S小林はTJシンのボディにエルボーを一撃。

さらにエルボーからニードロップを落とすと、尻餅をついたTJシンのバックから背骨を膝に押し付けて固定するとチンロックに捕らえました。TJシンは右に身体をずらして徐々に身体を移動させてロープに逃げてブレイク。

S小林はロープ際でコブラツイスト狙い、しかし、これはロープヘ。ここでもTJシンはクリーンブレイク。

TJシンはアームロックから、師匠フレッド・アトキンスから習ったアームドラッグ。この投げ方は同じアトキンスのコーチを受けた「兄弟子」となる馬場をして「入り方は俺と同じ」と言わしめたスタイルです。

TJシンはアームドラッグからヘッドシザーズ。5分経過。S小林はこれを外してロープへ、クリーンブレイク。静かな立ち上がり。

S小林はヘッドロックから首投げからグラウンドでのヘッドロックでグイグイと揺さぶり、絞り上げます。立ち上がるも、再びS小林はグィッと力を入れてグラウンドヘ。TJシンは立ち上がり、ロープブレイク、離れ際、パンチを放つと見せかけたものの、やらずにクリーンブレイク。

S小林はフロント・ヘッドロック、TJシンは後退りしながらロープ近くヘ行きブレイク、S小林の足を刈って倒したTJシンはレッグシザース。S小林は下からフロント・ヘッドロックで外しにかかりますがTJシンは挟んだ足に力を入れて外させず。

S小林は今度はヘッドシザースに移行し、首を支点にして両足を使ってようやく外しました。両者スタンドの体勢からS小林のベアハッグ、TJシンの身体を持ち上げて絞り上げました。10分経過。リング中央での攻防、TJシンは苦しい。

コーナーヘTJシンを飛ばしたS小林はコーナーマットに詰めてのショルダータックル連発、今度はロープに飛ばしてカウンターのベアハッグ。TJシンはパンチをしようとしますがポーズだけ、正々堂々王者らしく闘おうというのか?

TJシンは腕をこじ入れてフロント・ヘッドロックでベアハッグを外しました。S小林はもう一度コーナーマットに押し込んでのショルダー・タックルから高々と担ぎ上げてのバックドロップ。フォールの体勢へ、カウントは2。

先制のチャンス、TJシンの背中にパンチを放つと一気にカナディアン・バックブリーカー、しかしこれはTJシンが担がれながらトップロープを蹴って、両者もつれて場外に転落しました。

S小林は本部席の机にTJシンの額を叩きつける、日頃痛めつけられている鬱憤を晴らすかのような大暴れ!さらにイスを持ち出そうとしたところ、リング下にいたサブレフェリーの田中米太郎が「反則だ!」とイスを持って止めに入りました。

その隙にTJシンが背後からイスで一撃、S小林をヘッドロックに捉えてコーナーポストへの鉄柱攻撃。しかし、これをS小林は読んでいて、TJシンのヘッドロックを外してTJシンは鉄柱に額を打ち付ける誤爆。

ここでレフェリーのミスター高橋が20カウントを数え、1本目は13分52秒、両者リングアウトで1−1となりました。(この項続く)
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