77年新日本プロレス夏の陣「アジア・チャンピオン・シリーズ」は6月24日、大宮スケートセンターで開幕。
参加外国人選手はアジア・ヘビー級、北米タッグ2冠王者のタイガー・ジェット・シン、ジ・アジアン・テローズ1&2号、ガマ・シン、タルバー・シン、モハン・シン。
さらに6月29日、大阪府立体育会館から外国人ヒールサイドとして北米タッグ王者、上田馬之助がついにシリーズ参加を果たします。
TJシンは「第4回ワールド・リーグ戦」の終盤戦、3月28日、群馬県館林市民体育館と4月1日、蔵前国技館の2大会に特別参加。約3か月ぶりの来日。前回の来日ではいずれもテレビ収録試合のみに出場し、館林では凱旋帰国の吉田光雄(長州力)とシングルマッチで初対戦し反則負け。
新日本プロレス旗揚げ5周年記念、テレビ朝日局名変更記念として行われた初の蔵前国技館大会2連戦の2日目に出場、上田との凶悪コンビで猪木&坂口征二組の黄金コンビの挑戦を受けて北米タッグ選手権の防衛戦を行い、1−1から特別レフェリーのルー・テーズに暴行を加え、反則負け防衛で逃げ切りました。
今回は前76年7〜8月にかけて開催された「アジア・リーグ戦」のシングル部門で優勝して獲得したアジア・ヘビー級王座防衛戦を行います。
「アジア・リーグ戦」の後もTJシンは新日本プロレスのリングに上がっていますが、同王座の防衛戦はなく(坂口&ストロング小林組が獲得したアジア・タッグ選手権も同様に防衛戦は行われていない)、一般的に言われているプロレスのタイトル防衛期限の3か月、6か月といった縛りはなく、1年に1回のシリーズで防衛戦を行えば良いみたいです。
前回の「新春黄金シリーズ」最終戦、2月10日、日本武道館で猪木のNWFヘビー級王座に挑戦し、試合開始のゴング直後のカウンターの凶器攻撃で一旦は幻の3カウントを奪うも判定が覆されて再試合となり、額からの大流血により22分55秒、レフェリーストップ負けを喫したシンは猪木にもリベンジのチャンスを狙いますが、最終戦の翌日にザ・モンスターマン戦を控えており、今回は厳しいか?
ならばモンスターマン戦までに猪木に怪我を負わせてダメージを与えようとする戦法に出そうです。
「アジアのテロリスト集団」ジ・アジアン・テローズ(アシアン・テラーズ表記の文献もあり)1&2号は謎の覆面タッグチーム、このリングネームでアメリカで試合をしていた記録はありませんが、おそらくアジア系ではないベテランタッグチームの変身かと思われます。
ガマ・シンは前76年7〜8月の「アジア・リーグ戦」以来約11か月ぶりの来日。前回はシングル部門は予選落ち、タッグ部門は当初はゴーディ・シンと組んでエントリーも開幕戦で猪木&木戸修組に敗れて予選落ちしましたが、TJシンがタッグを組む予定だったマジット・アクラ(ジョン・ダ・シルバ)と仲間割れし、急遽TJシンのパートナーに指名されて決勝リーグ戦に進出。
第2位で優勝決定戦に進出、8月4日、仙台・宮城県スポーツセンターでの王座決定戦で坂口&S小林組に敗れて準優勝となっています。今回は上田が参戦するだけに活躍の機会は前回よりないかも知れませんが、TJシンの援護射撃に廻るでしょう。
初来日のタルバー・シン(ダルバー・シン表記の文献もあり)は1953年、インド・パンジャブ州チャデンカル出身の当時24歳の新鋭、184cm、105kgと恵まれた体格を持つ。アマレスで英語ライトヘビー級選手権を制し1971年にプロレス入り。イギリスを始め、ヨーロッパや中東などで活躍しています。
初来日のモハン・シン。生年月日不詳、インド・パンジャブ州ジュルンズール出身。グレート・ガマの伝統を引くインド・レスリングのNO1の実力者で、ダラ・シンからインド選手権を獲得したツワモノというプロフィールですが実力はあくまで未知数。
初のシリーズ参戦となる上田、これまで上田の新日本プロレスでの試合は4試合(1月14日福岡、2月2日大阪、2月10日日本武道館、4月1日蔵前国技館)のみ。果たして、巡業参戦で上田の実力者ぶりが再評価されるか、馬脚を現すか、目が離せません。
日本側から助っ人参戦するのがマサ齋藤。前76年4〜5月の「第3回ワールド・リーグ戦」以来1年1か月ぶりのシリーズ参戦、ワールド・リーグ戦の連続出場記録は3回で途切れましたが、アメリカではヒールとして活躍しているだけにTJシン、日本プロレスの先輩にあたる上田らとの初対決が楽しみです。
シリーズのタイトルマッチは6月29日、大阪府立体育会館で坂口がTJシンのアジア・ヘビー級王座に挑戦、7月15日、札幌中島スポーツセンターでは坂口&S小林組のアジア・タッグ王座にTJシン&上田組が挑戦。
7月21日、仙台・宮城県スポーツセンターではアジア・ヘビー級選手権試合、大阪のTJシンvs坂口戦終了時点での王者にS小林が挑戦。S小林は新日本プロレスに入団後、初のシングルタイトル挑戦となります。
7月28日、福岡九電記念体育館では7月15日、札幌大会の結果如何を問わず、坂口&S小林組vsTJシン&上田組の同一カードによる再戦が行われ、北米タッグ、アジア・タッグ両王座を賭けたダブル・タイトルマッチが行われると発表されました。シリーズ最終戦は8月1日、埼玉県越谷市体育館。
全日本プロレスとの興行戦争は開幕戦の6月24日、大宮スケートセンターが全日本の「NWAチャンピオン・シリーズ」6月12日とニアミス。
「NWAチャンピオン・シリーズ」は6月16日、後楽園ホールで閉幕し馬場らはハワイへ遠征。3週間のオフを置いて7月8日、後楽園ホールから「サマー・アクション・シリーズ」が開幕。
ディック・マードック、エド・ウイスコスキー、ジ・アベンジャー(ムース・モロウスキー)、ドン・ムラコ、エル・トロ・アルゼンチーノの外国人選手が参加。
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡での大会場でのビッグマッチはなく、シリーズ最終戦7月28日、全日本プロレス初使用となる品川スポーツランドでの鶴田vs大木金太郎のUNヘビー級、アジア・ヘビー級のダブル・タイトルマッチ(鶴田試練の十番勝負第9戦)が唯一のビッグマッチ。無理はしないという馬場の考えでしょうか。比較対象になるような大会はありませんでした。
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