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2022年03月29日06:20

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ストロング小林さん追悼(82)

73年国際プロレス「第5回IWAワールド・シリーズ」9月24日、札幌中島スポーツセンター(観衆6,000人満員発表)大会。メインイベントではストロング小林がバーン・ガニアの持つAWA世界ヘビー級王座に挑戦。

小林はガニアが初来日した70年2月5日、大阪府立体育会館、翌2月6日、東京体育館でガニアの王座に連続挑戦し、大阪では1−1から両者リングアウトの引き分け、東京では2−1で敗戦。その後同年11月〜71年6月にかけてのアメリカAWA地区での海外武者修行時代にはわかっているだけで5回挑戦し、1度は反則勝ちしています。

今回は札幌と9月27日、愛知県体育館の2連続挑戦、ガニアはメアリー夫人を連れての来日で夫人はリングサイド最前列で試合を観戦、セコンドには来日中のグレッグ・ガニアがついており、ガニアには他に嫁に出ていた長女キャシーさん、次女エリザベスさん、三女ドナーさんという一男三女の家庭でしたが、ガニア一家が日本で揃った訳です。

試合は今回は札幌、名古屋いずれも61分1本勝負、1本取ればベルト移動とあって小林はスタートから積極果敢に攻め立てていきます。ベアハッグで絞め上げてガニアのスタミナを奪いにかかり、アトミックドロップ、ガニアは防戦一方。しかし、老獪なガニアは30分過ぎに小林の一瞬の隙をついてバックに回り、スリーパー・ホールドを決めました。

小林は脱出不可能となりギブアップか、失神か?という状況に追い込まれましたが、レフェリーの阿部脩はガニアの腕が小林の喉に入っているとしてチョークを取り、反則カウントを数え始めました。これにガニアが激怒、一旦スリーパーを外して阿部レフェリーに掴みかかり、もう一度スリーパー。すると阿部レフェリーはまた反則カウントを数えにいきました。

ガニアは阿部レフェリーを突き飛ばし、ダウンした阿部はゴングを要請、34分50秒、ガニアの反則負けが宣せられました。怒りのガニアはレフェリーに抗議、セコンドのグレッグがリングに入ってきて必死になだめました。ルールによりベルトの移動はなし、小林もこの裁定には納得がいかず、ガニアをブレーンバスターで投げ捨てたものの後の祭り。プライドの高いガニアは自分の必殺技であるスリーパーをチョークに取られたことに怒り心頭で、控室に戻ってからも大荒れでした。

セミファイナルはグレート草津&アニマル浜口組がブラックジャック・マリガン&ラーズ・アンダーソン組と対戦、1本目は15分50秒、アンダーソンが浜口を体固め、2本目は5分8秒、草津がアンダーソンをアバラ折り(コブラツイスト)、決勝の3本目は4分41秒、マリガンが浜口を片エビ固めに決めて浜口が2本取られ、2−1でマリガン&アンダーソン組の勝利。

Aブロック公式戦、ラッシャー木村と田中忠治の一戦はお互いにエキサイトして日本人同士の試合にしては珍しい流血戦となり、15分25秒、木村が田中を体固めで降しました。木村はムース・ショーラック、ボブ・ブラッガーズに次いで日本プロレス時代からの先輩にあたる田中を破り3戦3勝で3点。同じくAブロック公式戦、寺西勇とフリッキー・アルバーツの対戦は16分32秒、寺西が体固めで勝利。

Bブロック公式戦、大磯武とウイリアム・ホールの対戦は13分45秒、ホールが体固めでフォール勝ち。公式戦外ではマイティ井上がブラッガーズを10分9秒、体固めで破り、ショーラックは大位山勝三&ミスター珍組と1対2ハンディキャップマッチで対戦し10分50秒に体固めで珍を降しています。

グレッグは栄勇を14分35秒、体固めで破り、デール・ルイスは米村勉を6分50秒、体固めで降しました。特別参加のガニアを入れて1興行に9人の外国人レスラーが出場した豪華な大会でした。

9月26日は70年4月16日以来、3年5か月ぶり2度目の開催となる後楽園ホール(テレビ収録、観衆1,000人発表)大会。日本プロレス存在時は日本テレビ、読売巨人軍、後楽園スタジアムの関係から後楽園ホールがなかなか使えずにいましたが、馬場が全日本プロレスを日本テレビをバックに旗揚げしてからはそのような嫌がらせもなくなりました。

猪木の新日本プロレスは旗揚げからノーテレビ時代は後楽園ホールは使ってなかったですがNETの放映が開始されたこの年の7月6日、「サマー・ビッグ・ファイト・シリーズ」開幕戦で後楽園ホール初使用、7月20日にもテレビ生中継で開催していました。

しかし昭和のこの時代にワールド・シリーズで1,000人の発表というのもあまりに寂しい入り…。

メインイベントは木村&草津組のIWA世界タッグ王者チームがマリガン&ルイス組と対戦、1本目は12分20秒、ルイスが木村を体固め、2本目は11分15秒、日本組の反則勝ち、決勝の3本目は2分20秒、木村が逆エビ固めでルイスをギブアップさせて2−1で木村&草津組に凱歌が上がっています。 

セミファイナルはBブロック公式戦、井上と浜口のマニア向けの注目の一戦。2人は後に「和製ハイフライヤーズ」、「ナニワ・ブラザーズ」(共に大阪ナニワ・ボディビルジム出身)として全日本プロレスのグレート小鹿&大熊元司組とアジア・タッグ王座を争い、新日本プロレスの星野勘太郎&山本小鉄組とIWA世界タッグ王座を巡って激闘を展開するなど、日本屈指の名タッグチームになりましたが、この時はまだまだ井上に一日の長がありました。

試合はハイスピードな技の応酬で見応えのある内容となりましたが、14分42秒、タックルに来た浜口を井上が回転エビ固めに丸め込んでフォール勝ちを奪っています。井上はマリガンに負け、ルイスと両リンでしたがようやく初白星。

小林はセミ前でLアンダーソンとAブロック公式戦で対戦、14分38秒、アンダーソンの反則攻撃に怒り、前溝隆男レフェリーの静止を振り切って攻め続け、最後には前溝にも暴行を加えて手痛い反則負け。小林はブラッガーズ、ショーラックに連勝しましたがこの敗戦で2勝1敗の2点。アンダーソンがダークホース的に星を伸ばし、寺西、田中、ブラッガーズ、小林に4連勝し無失点の4点と優勝戦線に出てきました。

Aブロック公式戦、寺西とブラッガーズの一戦は15分40秒、ジャーマン・スープレックスホールドで寺西のフォール勝ち。公式戦外の試合はショーラック&ホール組が田中&大磯組と対戦し、16分58秒、ショーラックが大磯を体固め、グレッグはミスター珍とシングルマッチで対戦、9分58秒、体固めで勝利、アルバーツは公式戦にエントリーされてない大位山と対戦し、11分57秒、体固めで敗れてしまいました。

ガニアは後楽園ホール大会には出場せず、AWAではドクターXとしてファイトし全日本プロレス所属となっていたザ・デストロイヤーと旧交を温めるなど夫人とリラックスした休日を過ごしましたが、吉原功社長はガニアに高いブッキング料を支払っていたのですから、集客の厳しさは前売段階でわかっていたはずで「後楽園にも出てくれ」とは言えなかったのでしょうか?ガニアは吉原社長をナメていたのは間違いないと思います。
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