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2024年11月04日09:24

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ストロング小林さん追悼最終章(853)

84年「サマー・ファイト・シリーズ」が終わると猪木以下新日本プロレス勢はパキスタン遠征を行いました。

猪木のパキスタン遠征はこれが3度目。初回は76年12月、地元最強と言われたボル・ブラザーズ(ボロという表記もあり)のアクラム・ペールワンと12月12日、カラチ・ナショナルスタジアムで対戦。

試合中にアクラムが噛みついて来たことから猪木が目を突いて(とされる)戦意喪失させアームロックで肩の関節を脱臼させる勝利。

この遠征には永源遥、小沢正志(キラー・カーン)、藤原喜明らが帯同しました。

2度目は79年の6月でこの時は単独での遠征。6月17日ラホール・ガタフィスタジアムでアクラムの甥っ子であるジュベール(ジャラ)・ペールワンと対戦し10分5ラウンド時間切れ引き分け。

翌18日にはカラチ・ホッケースタジアムでタイガー・ジェット・シンと両者KOの引き分けとなっています。

アクラム戦とジュベール戦の試合はリアルファイトの色合いが強かったせいか、後付けで異種格闘技戦にカテゴライズされてしまいましたが私はプロレスの試合だったと思います。

今回のパキスタン遠征は前2回とは大きく趣旨が異なり、新日本のレギュラーメンバーだった外国人選手も参加し日本と同じスタイルのパッケージとしてのプロレスを見せるものでした。

82年4月のドバイ遠征、この年2月のフィリピン遠征と興行形式は同じで、事件や事故は起きようがありません。

ビリー・クラッシャー、辺境の地には欠かせないバッドニュース・アレン、カネック、次期ブラディ・ファイト・シリーズに参戦が決定しているロジャー・スミスの外国人選手4人が参加。

クラッシャーはマスクド・スーパースターの素顔でのリングネームですが、81年8月6日、蔵前国技館での猪木とMスーパースターの賞金3万ドル&覆面剥ぎマッチで猪木に敗れたMスーパースターが10月の闘魂シリーズに素顔のクラッシャーとして来日しています。

しかし、Mスーパースターは猪木の原爆固めに敗れた時、マスクは脱いだものの、セコンドに付いていたスタンリー・レーン、フランク・サベージらにタオルで顔を覆われて退場。素顔は晒してません。

クラッシャーとして来日した時もファンは皆知っていましたが新日本プロレスから「スーパースターの正体」とリリースされてはいませんでした。

ほとぼりが覚めた頃の82年3月、第5回MSGシリーズに再びマスクを着用して何事もなかったかのようにMスーパースターは元通りの姿で試合をしています。

アレン、カネックはサマー・ファイト・シリーズからの継続参戦。ロジャー・スミスについては次期「ブラディ・ファイト・シリーズ」の参加メンバーの中に入っています。

第1戦は8月6日、ペシャワール市のペシャワール・スタジアムに40,000人満員発表の観客を集めて行われました。この日のみテレビ朝日が収録しています。

メインイベントは猪木がクラッシャーとシングルで対戦し9分17秒、延髄斬りからの体固めで勝利。

藤波はRスミスを逆エビ固めで破り、長州はカネックをリキラリアットから体固め。

アニマル浜口はアレンに体固めで負け、木村健吾は谷津嘉章に首固めでフォール負けを喫しました。

木戸修は小林邦昭を体固め。星野勘太郎は保永昇男を片エビ固めに決めています。

パキスタン遠征第2戦は84年8月8日、ラホール市のカダフィ・スタジアムに35,000人満員の観客を集めて行われました。

初戦はオールシングルマッチでしたがこの日はタッグマッチが組まれ、メインイベントは猪木&藤波組がクラッシャー&アレン組に反則勝ち。

長州はRスミスを僅か2分23秒で回転エビ固めで破り、木村健吾はカネックを体固め。

谷津は星野に勝ち、木戸と浜口のシングルマッチは浜口が逆片エビ固めでギブアップ勝ち。

小林邦遠征に抜擢された若手の山田恵一を体固め。

第3戦は8月10日、カラチ・ナショナルスタジアム大会(観客35,000人発表)

メインは猪木がクラッシャーを延髄斬りからの体固め。

今ツアーでは基本的に日本で行われている正規軍vs維新軍の軍団抗争はさておいて、日本人(ベビーフェイス)vs外国人(ヒール)の対戦ばかりでしたがこの日はパキスタンの大統領が観戦に来るとのことで、セミで藤波、木戸組vs長州、谷津組の軍団抗争が組まれました。

試合は10分34秒、長州がリキラリアットから木戸を体固めで維新軍の勝利。

この試合を観戦していたパキスタンの大統領が観戦「藤波と長州は素晴らしいレスラー、この2人のタッグが見てみたい」と要望が出されています。

小林邦はカネックを回転エビ固めで降し、アレンは木村健を片エビ固め。Rスミスは浜口に片エビ固めでの勝利。

地元選手同士の対戦となるタイガー・スロームとナシールカ・カーンの試合は10分時間切れ引き分け、星野は山田を逆エビ固めでギブアップさせています。

第4戦は8月12日、クエッタ・アユーブスタジアム大会(観客35,000人発表)

メインは猪木がRスミスと初対戦。13分22秒に体固めで勝利。

セミで「大統領命令」として藤波と長州がタッグを結成。両者が同じコーナーに立ったのは82年10月8日、後楽園ホールでの長州の「噛ませ犬」発言のあった日以来(猪木&藤波&長州組vsアブドーラ・ザ・ブッチャー&アレン&SDジョーンズ組)以来1年10か月ぶり。

2人だけのタッグとなると82年4月1日、蔵前国技館でのダスティ・ローデス&ディック・マードック組のテキサス・ジ・アウトローズと対戦(長州がローデスに負け)以来になります。

対戦相手はクラッシャー&カネック組で連係らしいものは見られず、両者とも憮然たる表情で試合をこなし、9分14秒、藤波がカネックをブレーンバスターから体固め。

アレンは木戸を片エビ固めで破り、谷津は星野に片エビ固めで勝利。木村健吾は浜口に逆エビ固めでギブアップ勝ちという番狂わせ(?)。小林邦昭は山田を体固め。

最終戦は8月15日イスラマバード・ラウルビンディ・アルミン・スポーツ・コントロール・コメティスタジアムに45,000人超満員発表の観客を集めて行われました。

メインは猪木が辺境の地においては絶大な信頼を寄せているアレンとのシングルマッチで12分32秒、体固めで勝利を収め有終の美を飾りました。

藤波はカネックに回転足折り固めで勝利。カネックはサマー・ファイト・シリーズでは7月5日、大阪府立体育会館で藤波のWWFインターナショナル・ヘビー級王座に挑戦し敗れましたが、藤波が連続して長州とも対戦するという屈辱的マッチメークとなったせいか、以後精彩を欠き、ジュニアのコブラや最終戦の蔵前では谷津にフォール負け。

来日中に自分が所属しているUWAが全日本プロレスとの業務提携を発表し精神的にダメージを受けたかこの遠征でも全敗でした。外国に来るとメンタルが弱くなるタイプかと思われます。体力的、技術的にはミル・マスカラスと遜色はないですが、精神面ではかなり開きがあるような感じがします。

長州とクラッシャーは両者リングアウト、Rスミスは谷津を片エビ固め。

今遠征2つ目の正規軍vs維新軍のタッグ戦、木村健&木戸組vs浜口&小林邦組は小林が木戸を回転エビ固め。星野は山田を逆エビ固めで破っています。

大統領命令が本当だったかどうかは大変疑わしいですが、藤波と長州がこの遠征でタッグを組んだのは事実で、維新軍解体に向けて新日本が動き始めていたのは確かでした。
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