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2022年11月25日05:17

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ストロング小林さん追悼(322)

77年新日本プロレス掉尾を飾る「闘魂シリーズ第2弾」は10月28日、東京・福生市民体育館(テレビ生中継、観衆2,700人満員発表)大会。

この日は番組順に振り返ります。先ず、セミ前の坂口征二とゴールデン・ファルコンのシングルマッチ30分1本勝負。試合途中に1階観客席後方から大きなどよめきが起きると、61年5〜6月の日本プロレス「第3回ワールド・リーグ戦」に1度だけ来日し、大きな話題を集めた「密林王」グレート・アントニオが突如登場しリングサイドに現れました。

観客の視線はアントニオにいってしまい、試合に集中出来ない状況、坂口は7分21秒、Gファルコンをジャンピング・ニーアタックからの逆片エビ固めでギブアップさせるとリング下のアントニオに掴みかかり揉み合いになりました。アントニオは怪力で坂口を場外に叩きつけて去っていきました。

一時は消息不明となり死亡説も流れていたアントニオですが1925年クロアチア出身の当時52歳。初来日したのが35歳の時で神宮外苑でのバス引きデモンストレーションは社会現象クラスの騒ぎとなり、アントニオ人気で「第3回ワールド・リーグ戦」はどの会場も満員、超満員の連続。

自分の人気を鼻にかけたアントニオはブッカーのグレート東郷にギャラアップとシリーズ参加期間の延長を要求(全戦参加予定ではなかった)、しかし、同時来日していた外国人レスラーがヤバ過ぎました。

ミスターX(ビル・ミラー)、カール・クラウザー(ゴッチ)、アイク・アーキンスらに苛められ、天狗の鼻をへし折られています。

6月2日、蔵前国技館で力道山のインターナショナル王座に挑戦、この試合は制裁マッチとなり1本目は4分、力道山のリングアウト勝ち、2本目は1分58秒、アントニオが戦意喪失して試合放棄となり2−0で力道山のストレート勝ち防衛。

6月9日、香川県高松市体育館でのミスターXとの公式戦でリンチに遭いリングアウト負けを喫したアントニオは1人帰国の途についています。

以来16年ぶりに日本にやってきたアントニオですが、これには以下のような伏線がありました。

この年の夏、カナダのカルガリー郊外に姿を現したアントニオが国際プロレスの外国人ブッカーをしていた大剛鉄之助、短期間のカナダ遠征に来ていたマイティ井上と一緒に上半身裸で写真撮影。さらにマネージャー役と目されるクライベイビー・ジョージ・カノン(マンマウンテン・カノン)とストリートファイトを展開している写真が「月刊プロレス」77年9月号のモノクログラビアに掲載されています。

本文には「消息不明だったアントニオがフラリと姿を現し、デモンストレーションを見せた」とボカして書いてありましたが、誰が見ても大剛がアントニオと契約し国際プロレスに来日が決まったようにしか見えないです。

アントニオが何の用事もなく大剛や井上と会って、腕試しにカノンとストリートファイトをし、それが雑誌に掲載される訳もなく、このあたりが国際プロレスの脇の甘いところです。

これを見た新日本プロレスのフロントがアントニオにコンタクトを取り、国際プロレス以上のギャラを呈示してあっさり横取りしてしまったということでしょう。おそらくモントリオールのジョニー・ルージョーあたりが仲介役かと。

この件は私の仮説でしたが、友人が関係者に裏を取ってくれてその通りだったということが判明しています。アントニオを新日本プロレスに取られた腹いせか、カナダの巨漢の若手レスラーにオーバーオールを履かせ、「アンドレ・ザ・ジャイアントより重く、ヘイスタック・カルホーンより高い」という触れ込みでブルドーザー・ビッグ・ベンとして招聘しましたが、しょっぱくて日本では全然評価されませんでした。

全日本プロレスと国際プロレスの「全軍対抗戦」は全日本プロレスは「世界オープン・タッグ選手権」前で会場を押さえておらず、国際プロレスの「ダイナマイト・シリーズ」の終盤1週間を振替えていますが、キラー・ブルックス、前述のビッグ・ベン、キューバン・アサシン、ロバート・ハンビー、ボブ・ブーシェ、スウィート・ダディ・バンクス、という顔ぶれでは4週持たせるのはかなり無理がありました。

11月25日前橋・群馬県スポーツセンター、26日、秋田県大曲市圏民体育館、27日、岩手県宮古市宮古ボウル、29日、大田区体育館、30日、静岡駿府会館、12月1日、和歌山県立体育館…やっぱり厳しいですね。終盤1週間にアントニオを呼ぶ計画だったと思われます。新日本プロレスより国際プロレス向けだったのは確かで、ラッシャー木村とアントニオの金網デスマッチは見たかったです。

話を元に戻します。福生大会セミファイナルは地元のストロング小林とクルト・フォン・ストロハイムのシングルマッチ45分1本勝負で、9分41秒、S小林の反則勝ち。

メインイベントは猪木&星野勘太郎組とアンドレ・ザ・ジャイアント&スティーブ・ライト組の対戦。1本目は12分5秒、星野がSライトを体固め、2本目は1分29秒、アンドレが星野をジャイアント・プレスから体固め、決勝の3本目はジャイアント・プレスを食らったダメージで星野が失神し立ち上がれず試合放棄。2−1でアンドレ&Sライト組が開幕戦を勝利で飾りました。

テレビ中継は上記3試合を放送。木戸修はマーティン・ジョーンズを7分20秒、逆さ押さえ込みで破り、長州力は小沢正志(キラー・カーン)を8分3秒、逆エビ固めでギブアップさせています。

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