73年2月、猪木、坂口征二の日本プロレス、新日本プロレス合併案による「新・日本プロレス」構想は大木金太郎の反対によって流れ、坂口は日本プロレス「ダイナミック・ビッグ・シリーズ」終了後、小沢正志(キラー・カーン)、木村聖裔(たかし、健吾、健悟)、大城勤(大五郎)、田中米太郎レフェリーを連れて日本プロレスを退団し、猪木の新日本プロレスに合流。
これによりNETは日本プロレスの放映に見切りを付け、4月6日、宇都宮市スポーツセンターから「ワールドプロレスリング」を新日本プロレスの中継に鞍替え、実際は火の車の経営だった新日本プロレスは息を吹き返し、猪木&坂口のゴールデンコンビで勢いづきました。
猪木、馬場、坂口に去られ、NETにも切られてしまった日本プロレスは、選手会の運営で4月13日、大阪府立体育会館から「アイアン・クロー・シリーズ」を開幕させ、大物フリッツ・フォン・エリックを招聘しましたが力尽き、翌4月14日、力道山家(百田家)の仲介で馬場の全日本プロレスヘ吸収合併、当時国内にいた大木、上田馬之助、高千穂明久、グレート小鹿、松岡巌鉄、ミツ・ヒライ、桜田一男、羽田光男、伊藤正男の9選手は全日本プロレスに合流することを発表しています。
日本プロレスは4月20日、群馬県吉井町体育館大会で興行活動を停止、19年の歴史にピリオドを打ちました。
日本プロレス界は国際、新日本、全日本の男子3団体時代になりました。
そんな渦中、国際プロレスは春の陣「ダイナマイト・シリーズ」を4月18日、茨城県土浦スポーツセンター(テレビ収録、観衆2,700人発表)で開幕させました。元WWWF世界ヘビー級王者イワン・コロフが国際初登場、2シリーズ連続参戦のマッドドッグ・バション、エドワード・カーペンティア、ラーズ・アンダーソン、ターザン・タイラー、ザ・カナディアン(ピエール・レ・グラン、バスター・マシューズ、ギルス・ポイゾン)、ボブ・ラムステッドの外国人選手が参加、まさに「IWAワールド・シリーズ」並の豪華メンバーが集まりましたが、前回書いた通り、吉原功社長は馬場の全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル」との興行戦争を回避する為にワールド・シリーズは秋開催としています。
日本プロレス分裂で団体が割れてまだ冬の時代でしたのでこの判断は正解かと思います。
日本側は欧州遠征に出ていたラッシャー木村と大磯武が凱旋帰国、前回書いた通り、バションにその素質を見込まれた大剛鉄之介がモントリオール遠征に出発「トーキョー・ジョー」のリングネームでヒールとして活躍することになります。
シリーズオフに来日した清美川梅之が吉原社長に西ドイツのハノーバー・トーナメントに選手を貸し出して欲しいと要請、これにより鶴見五郎と八木宏(剛竜馬)が西ドイツ遠征に出発。日本勢が手薄になったことから前72年12月一杯で帰国した韓国・金一道場の留学生、羮成英(南海山)、呉均銭(呉大均)の2人が参加しています。
また、4月1日よりTBSの「TWWAプロレス中継」が軽微ながら4度目の放送時間帯の変更があり、毎週日曜日の午後6時25分〜55分から若干繰り上がって毎週日曜日午後6時〜6時30分からとなりました。
開幕戦の土浦大会メインイベントではストロング小林&グレート草津組の保持するIWA世界タッグ王座に、元WWWF世界ヘビー級王者コロフ&元AWA世界ヘビー級王者バション組の強力なタッグチームが挑戦。
1本目は4分30秒、バションが草津を体固め、2本目は2分58秒、草津がバションをエビ固め、決勝の3本目は3分15秒、コロフが小林をカナディアン・バックブリーカーでギブアップさせて2−1でコロフ&バション組がタイトル獲得、第9代王者チームとなっています。
欧州遠征から帰国した木村はラムステッド(71年2月、日本プロレス「ダイナミック・ビッグ・シリーズ」に1度だけ来日)とシングルマッチ45分3本勝負で対戦、1本目は46秒、木村が速攻の体固め、2本目は10分26秒、ラムステッドが体固め、決勝の3本目は4分7秒、木村が体固め、2−1で木村が凱旋帰国マッチを白星で飾りました。
同じく凱旋帰国の大磯はLアンダーソンとシングルマッチで対戦し15分31秒、両者リングアウトの引き分け。カーペンティアは「和製カーペンティア」の寺西勇とシングルマッチで対戦、11分43秒、体固めで勝利。マイティ井上とカナディアンのシングルマッチは16分28秒、井上の反則勝ち。国際プロレス初登場の「密林王」タイラーは田中忠治を11分17秒、体固めで破りました。
4月25日、札幌中島スポーツセンター(テレビ収録、観衆6,000人超満員発表)大会。メインイベントは小林とコロフの金網デスマッチで26分12秒、小林のカウントアウト勝ち。
セミファイナルは木村&井上組&寺西vsバション&Lアンダーソン&カナディアン組の6人タッグマッチ45分3本勝負。1本目は14分6秒、アンダーソンが寺西を片エビ固め、2本目は6分12秒、寺西がアンダーソンを体固め、決勝の3本目は45分時間切れとなり1−1の引き分けとなりました。
草津はタイラーを12分27秒、体固めで破り、大磯とラムステッドは15分12秒、片エビ固めで大磯が勝っています。カーペンティアは田中とのシングルマッチで13分11秒、体固めで勝利を収めました。
4月27日、仙台・宮城県スポーツセンター(テレビ収録、観衆7,000人超満員発表)大会。メインイベントは小林のIWA世界ヘビー級王座にカーペンティアが挑戦。1本目は8分58秒、カーペンティアが回転エビ固め、2本目は5分56秒、小林が体固め、決勝の3本目は4分17秒、小林が体固めで取り、2−1で王座防衛記録を20の大台に乗せました。
木村とLアンダーソンの金網デスマッチは23分50秒、木村のカウントアウト勝ち。草津&井上組とバション&カナディアン組は1本目は8分43秒、カナディアンが井上を体固め、2本目は5分39秒、草津がバションをエビ固め、決勝の3本目は3分56秒、井上がカナディアンをエビ固めでフォールし2−1で草津&井上組に軍配が上がっています。
コロフは田中を8分52秒、カナダ式背骨折りでギブアップさせ、大磯とタイラーのシングルマッチは14分10秒、大磯の反則勝ち、寺西とラムステッドは20分時間切れ引き分けに終わりました。
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