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2020年03月17日00:32

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映画日記『沖縄列島』

2020年3月15日(日)

『沖縄列島』(1969年)
監督:東陽一
今池・名古屋シネマテーク

1968年、本土復帰前の沖縄列島の各地にカメラとマイクを持ち込み、住民たちの姿と声を集めたドキュメンタリー。
冒頭で、「日本は、沖縄をアメリカに売りはらった。その金で家を建て、酒を飲み、うまいものを食べている。まるで娘を色里に売り飛ばした父親と同じではないか」
みたいな言葉が語られた。のっけから、ガツンとくる。
いっぽうで、「沖縄を“アカ”の支配下にするな」みたいなスローガンを掲げたデモ隊が登場した。
終盤に、少し前まで自衛隊員だった青年が登場する。
除隊となった今も、彼は自衛隊での規則正しく、きびきびとした日常を懐かしそうに語った。
てっきり、思想信条的に右派の人かとおもったら、きっぱりと選挙では革新に投票すると言い切った。
聞けば、父親は戦争中に行方不明になり、母親は戦後に起きた米軍がらみの爆発事故の犠牲者だという。
あたりまえのことだが、沖縄にはさまざまな声があり、さまざまな生き方がある。
いま見ても、なにかしら触発される映画だった。

ちなみに、元自衛官の母親が亡くなった事故が気になりネットで検索してみたら、米軍が起こした「伊江島波止場事件」のことのようだ。
1948年8月6日の夕刻、伊江島の港でLCTと呼ばれる米軍の上陸用舟艇に積み込まれた爆弾5000発が船ごと爆発し、周辺にいた0歳から67歳までの住民100名あまりが一瞬にして吹き飛ばされ、爆死したという大事件だった。
そのような大惨事があったことを、この歳になって初めて知った。


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