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2024年05月22日23:58

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映画日記『ミニヴァー夫人』

2024年5月22日(水)

『ミニヴァー夫人』(1942)
監督:ウィリアム・ワイラー
DVD

愛知県図書館で借りてきた1本。

洒落たお買い物をするには列車に揺られて都会へ出るしかないイングランドの小さな町に住むミニヴァー夫人は良妻賢母で、その人柄の良さから誰からも好かれていた。
今しも、都会でちょっとお高い帽子を衝動買いしてしまい、夫にどうやって打ち明けようかと少々悩みながら駅に降り立ったミニヴァー夫人に、駅長さんがもじもじしながら彼女を駅長室へ誘うと、そこには美しく香りたかい深紅(モノクロだが)のバラが咲いていた。
駅長さんが彼女に願いでる。
彼が丹精を込めた自信作であるこのバラに“ミニヴァー夫人”と名付けたいと・・・・

とまあ、なんともロマンチックな出だしで、この後もミニヴァー夫人と旦那さんのイチャイチャぶりや、大学生の長男と上流階級の生意気娘の恋物語と、なんだかラブコメみたいだなあと見ていると、しだいに戦争の影が漂いはじめ、終わってみれば対ナチスの戦意昂揚映画になっていた。
ラブコメから戦意昂揚への転換となるシーン、夫人の旦那や町の男たちが小さな船に乗って沖合へ向かっていく。
一艘、二艘、そして五艘、十艘と小舟の数がみるみると増えていく。
もしやとおもったら、ダンケルクの救出作戦だった。
小舟の数が増えていく、ただそれだけのシーンが、見事なスペクタクルになっていた。
正直、図書館で本作のパッケージの紹介文を読むまで、『ミニヴァー夫人』というタイトルから、いかがわしい内容を想像していたのが恥ずかしい。
気品あふれるミニヴァー夫人を演じたグリア・ガーソンと、上流階級の老女を演じた、日本の東山千栄子みたいなデイム・メイ・ウィッティがとても良かった。


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