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2016年06月10日17:46

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今年のアメリカ映画暫定No.1 『マネーモンスター』

ジョディ・フォスターが久しぶりに監督した映画『マネーモンスター』を見てきました。

金融業界をテーマにした映画は数多くありますが、この映画はちょっと外れた視点から業界を描いており、かつエンターテインメントに徹していて、しかも第一級の面白さでした。

主演のジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツも、近作ではベストな演技を見せています。


【物語】
財テク番組”マネーモンスター”は、司会のリー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)の派手なパフォーマンスもあって、人気を博していた。しかし、番組内でリーが優良株と紹介したアイビス社の株価が、システムエラーのため暴落。財産を失った青年カイル(ジャック・オコンネル)は、爆発物と拳銃を持って生放送中のスタジオに乱入し、リーを人質に立てこもる。
暴落の真相の解明を訴えるカイルは、スタジオ内の様子を生中継することを要求。ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)は要求に答えつつ、密かにアイビス社の調査を始めるが…。


…これまで、自身も社会派映画に数多く出演してきたジョディ・フォスターですが、この映画ではあえて鋭い社会批判を大々的に展開するような演出はせず、先述の通り、娯楽に徹しています。2時間近く持続されるスリルはまったくダレず、往年のシドニー・ルメットやジョン・フランケンハイマーのような骨太監督たちの作品のような豪快ささえ感じさせます。それでいて繊細なサスペンス描写も盛り込まれ、見事という他ありません。

番組内での自身の発言から事件を引き起こしたことを後悔しつつ、次第に事態を逆転へと転じさせていくMCを、ジョージ・クルーニーが好演。対するジュリア・ロバーツは、あくまでプロとして生放送を続けさせようと(ほとんどスタジオから出ずに)奔走し、時に警察のことも見えなくなるパラノイアすれすれのTVディレクターを手堅く演じています。黄金時代のジュリア・ロバーツが戻ってきています。

所どころに見え隠れする社会批判はわずかでも鋭く、エンターテインメントの形を借りて訴えかけてくるモノは確実にありました。行き過ぎた格差社会が爆発するとこうなるという教訓物語のようにも見えますが、さらに1歩上を行くラストが痛烈です。

★★★★。目下のところ、今年映画館で見たアメリカ映画のNo.1です。
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