前年11月の国際プロレスとの「全軍対抗戦」に続き、78年2月18日蔵前国技館、2月21日大阪府立体育会館、2月22日岐阜市民センターの3大会にわたり、国際プロレスと韓国の金一道場を加えての「日・韓全軍激突戦」の開催が決定。
マイティ井上は白のスーツ姿で2月5日後楽園ホールの全日本プロレス「新春ジャイアント・シリーズ」に姿を現しました。
この日、セミ前では「日・韓全軍激突戦」で国際プロレスのマイティ井上&アニマル浜口組に奪われた次期アジア・タッグ王座挑戦者決定戦が行われ、前王者チームであるグレート小鹿&大熊元司組と天龍源一郎&ロッキー羽田組の一戦を見届ける為にです。井上はリングサイドに座り観戦しています
試合は30分時間切れとなり10分間の延長戦も時間切れ、さらに5分間の再延長戦も時間切れ。次の試合に出場する馬場が出てきてレフェリーと何やら協議、天龍&羽田組が挑戦権を譲ることになり、アジア・タッグ王座次期挑戦者チームの全日本プロレス代表は小鹿&大熊組に決まりました。
「全軍激突戦」は前回同様○勝ち2点、●負け0点、△時間切れ引き分け1点、▲両チームリングアウト0点で三軍による得点争いが行われることとなりました。
初日の蔵前国技館は日本テレビによる生中継。メインイベントは75年12月17日、千葉公園体育館でのオープン選手権の公式戦以来のシングル対決となった馬場とラッシャー木村の時間無制限1本勝負。
前回の対戦ではアブドーラ・ザ・ブッチャーの乱入により額から流血、不本意なフォール負けをしているR木村にとっては満を持しての再戦となりました。
試合はR木村が得意のラッシングパワーで攻め立てましたが、馬場は木村のウィークポイントと言うべき足を攻撃。R木村を足4の字固めに捉えました。馬場の長い足による足4の字に苦しめられたR木村はロープエスケープ。上半身をエプロンに出しました。
特別レフェリーの芳の里元日本プロレス社長は何故かブレークせず、そのままカウントを数え始めました。PWFルールによりカウント10が数えられ、11分15秒に馬場のリングアウト勝ちが宣せられました。
明らかにおかしい判定でしたが勝敗は覆らず、R木村はまたしても無念の涙を飲む事になった訳です。
セミファイナルは鶴田&羽田組vs大木金太郎、キム・ドク組のタッグマッチ45分1本勝負。大木がブレーンバスターからの体固めで羽田をフォールしています。
井上&浜口組は金一道場の呉大均&梁承揮(後の力抜山)組の挑戦を受けてアジア・タッグ王座の防衛戦。
60分3本勝負で1本目は9分24秒に国際組が反則勝ち、2本目は僅か51秒、浜口が梁をエアプレーン・スピンからの体固めでフォールし、井上&浜口組が4度目の王座防衛を果たしました。
天龍&高千穂明久組とグレート草津&寺西勇組は30分時間切れ引き分け。小鹿&大熊組vs大位山勝三&剛竜馬組は大熊がジャンピング・ヘッドバットから剛を体固め。
鶴見五郎は李王均を体固め。伊藤正男は金光植(大木の弟)に反則勝ち。梁鎮五はデビル・ムラサキを破っています。
成績は全日本が7点、国際が5点、金一道場が4点。
第2戦2月21日大阪府立体育会館は日本テレビによる録画中継でメインは鶴田とR木村の一騎討ち(60分1本勝負)、前年11月27日、岩手・宮古ボウルでの対戦ではR木村がドリルアホール・パイルドライバーでフォール勝ちしており、鶴田は連敗はどうしても避けたいところ。
しかし、R木村も蔵前で馬場に不本意なリングアウト負けを喫しておりこちらも負けは許されません。試合は白熱した展開となりましたが場外乱闘でキム・ドクが乱入、ドクはR木村と鶴田の両方に暴行しましたがエキサイトしたR木村はレフェリーの全震植(金一道場)を突き飛ばしてしまい、15分48秒に反則負けとなってしまいました。鶴田は反則勝ちながらR木村から初勝利をあげています。
セミファイナルの馬場&天龍組vs大木&ドク組は大木がヘッドバットの連発から天龍を体固め。草津は羽田を回転エビ固めで破り、浜口は伊藤をエアプレーン・スピンから体固め。小鹿、大熊組vs梁承揮、梁鎮五組は小鹿が鎮五に体固めでフォール勝ち。
井上&寺西組vs呉大均&金光植(大木の実弟、後のキラー・キム)組は井上が光植をフォール。李王均は渕正信を回転エビで降し、剛は金有植をサイド・スープレックスから体固めに降しています。
対抗戦の成績は全日本11点、この日4勝をあげた国際13点と国際がリード、金一道場は8点となっています。
最終戦の2月22日岐阜市民センターは東京12チャンネル(テレビ東京)が録画中継。メインイベントは大木&ドク組の持つインターナショナル・タッグ選手権にR木村&草津組が挑戦。国際プロレス勢の同王座ヘの挑戦はこれが最初で最後となりました。
前年12月14日、大阪での世界オープン・タッグ選手権で初顔合わせしている両チームは10分20秒という短い試合時間で両リンに終わっているだけに60分3本勝負での対戦は期待が大きかったです。
1本目は17分2秒に大木が草津をヘッドバットの連発から体固め。2本目は3分6秒に木村がドクをドリルアホール・パイルドライバーから片エビ固めで1-1。決勝の3本目は4分2秒に両チームリングアウトとなり、大木&ドク組が4度目の防衛を果たしています。
セミファイナルのアジア・タッグ選手権は井上&浜口組に小鹿&大熊組の極道コンビが3度目のリターンマッチを挑みました。1本目は19分21秒に小鹿が井上をフライング・二ードロップから体固め、2本目は8分16秒に井上が小鹿をサマーソルト・ドロップからバックドロップを決めて体固め。
決勝の3本目はエプロンにいた小鹿が浜口の顔面に塩を投げつけ、2分1秒、大熊がそのまま横入り式のエビ固めに丸め込んでフォール勝ち。
明らかに反則でしたがオリエンタル殺法で小鹿&大熊組が2-1で勝利。約4か月ぶりにベルトを全日本へ戻しました。
馬場&羽田組vs鶴見&大位山組は馬場がエプロンから鶴見に16文キック、羽田が鶴見を押さえ込んで体固めフォール勝ち。
鶴田は梁承揮をダブルアーム・スープレックスから体固めで破り、、天龍は金光植をブレーンバスターから片エビ固めで降しました。
寺西は梁鎮五と両者リングアウト、呉大均は伊藤を体固め、剛は李王均を体固め。
馬場と鶴田の試合は東京12チャンネルでは放送されませんでした。
対抗戦通算成績は全日本19点、国際15点、金一道場は10点に終わりました。
試合内容は置いておき、エースのR木村が馬場、鶴田に連敗、インターナショナル・タッグ挑戦も両リンで個人では得点0。さらにアジア・タッグのベルトも全日本に奪い返された国際がイメージダウンしたシリーズでした。
国際プロレス・アワーの担当だった東京12チャンネルの田中元和プロデューサーはR木村が馬場、鶴田に連敗し、その試合が日本テレビ系列で全国に放送された事に怒り、国際プロレスの吉原功社長に対抗戦をやらぬよう申し入れをしたそうです。
馬場戦で不本意な負け方をしたR木村は2月26日の後楽園ホールの国際の興行で放送席で判定の理不尽さをアピールしました。
日本テレビの全国ネットでR木村の試合が中継されたおかげで判官びいきのプロレスファンの支持を得たか、4月の「スーパー・ファイト・シリーズ」は売り興行の数が増えましたが、一過性に過ぎなかったようです。
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