82年新日本プロレス「第2回MSGタッグ・リーグ戦」リーグ戦天王山、第17戦は12月7日仙台・宮城県スポーツセンター(観衆6,500人超満員発表)大会。
優勝決定戦進出の鍵を握る大一番の公式戦、猪木&藤波辰巳組とスタン・ハンセン&ディック・マードック組の一戦は10分37秒、ハンセンが藤波をウェスタン・ラリアートからの片エビ固めで破りました。
ハンセン&マードック組は大きな5点を挙げて8戦3勝2リングアウト勝ち1不戦勝2分、失点9の31点に追いつき残り公式戦は1試合。
猪木組は手痛い初黒星。9戦6勝1不戦勝1敗1分、失点9の36点でリーグ戦全日程終了でハンセン&マードック組、アンドレ・ザ・ジャイアント&レネ・グレイ組の最終公式戦の結果待ちですが、どちらにしても同点2位は確定で優勝決定戦への切符は手に入れました。
坂口征二&木村健吾組と長州力&谷津嘉章組の同門同士の公式戦は13分17秒、両チームリングアウトの引き分け。坂口&木村健組は8戦2勝1リングアウト勝ち1不戦勝1分3敗、失点20の20点で残り公式戦1、長州&谷津組は8戦2勝3敗3分、失点24の16点で残り公式戦1となりました。
スペシャルタッグマッチ60分1本勝負、アンドレ&ダスティ・ローデス組とキラー・カーン&タイガー戸口組の一戦は8分25秒、アンドレ&ローデス組の反則勝ち。
ラッシャー木村は東京プロレス時代にデビュー戦の相手を務め、新日本プロレスの後は全日本プロレス、プロレスリング・ノアと長い因縁となる永源遙とタッグを組み、ローラン・ボック&グレイ組と対戦、9分6秒、ボックが永源を体固めで降しています。ボックは永源を相手に妥協なきダブルアーム・スープレックスを使ったのでしょうか?多分使ったでしょう。色々幻想が膨らみますね。
第18戦、12月8日蔵前国技館(テレビ収録、観衆11,500人満員発表)大会。私はこの興行は会場で生観戦しています。
先ず、11,500人という観衆ですが、10月8日、11月5日の同所での興行(共に13,000人超満員発表)と比べても遜色ないほど入っていましたし、全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」の最終戦の蔵前大会は12月13日でまだ行われてはいませんが、「これは全日本プロレスとの年末興行戦争にやっと新日本プロレスが勝った」と思いました。
観客動員では新日本プロレスが全日本プロレスを常に凌駕していましたが、こと年末の興行戦争に関しては全日本プロレスの物量攻勢の前に新日本プロレスは勝つことが出来ず。76年以来新日本プロレスの負けっぱなしでした。
全日本プロレスは77年12月の「世界オープン・タッグ選手権」が空前のヒット興行となり、その後継企画となった「世界最強タッグ決定リーグ戦」は絶大なブランド力があり、ファンの信用度も高かったです。
81年は引き抜き抗争で日本プロレス界が大きく動き盛り上がりを見せましたが、これまで得をしたのは新日本プロレスの方で、観客動員、テレビ視聴率とも上昇し、勢いは止まらないとといったところで6年ぶりに新日本プロレスが年末興行戦争を制し締め括るかと思っていたのですが…。そう、あの事件が起きるまでは!
蔵前大会はリーグ戦とは関係のない4大スペシャルマッチが組まれました。メインイベントは猪木&藤波組にハンセン&ボック組が対戦したタッグマッチ60分1本勝負。試合前に田中秀和(ケロ)リングアナウンサーからコールされたハンセンはテンガロンハットを観客席に投げ入れました。新日本プロレスのファンへの惜別のメッセージだったか…。
12分39秒、ボックが妥協なき強烈無比のダブルアーム・スープレックスからの体固めで藤波からフォール勝ち。ハンセン&ボック組が力の差を見せつけて快勝しました。
セミファイナルはWWFの黄金カード、アンドレとKカーンのシングルマッチ60分1本勝負。アンドレはKカーンのモンゴリアンチョップに大きく仰け反るシーンも見られましたが、首を押さえてのフロント・ネックチャンスリー・ドロップからヒッププレス、これをKカーンはカウント2で肩を上げてみせました。観客席からは大きなどよめきが。
しかしアンドレは容赦ない、ロープに飛ばして「人間エクゾセミサイル」カウンターの18文キックから再度ヒッププレス、2度も270kgの下敷きになったKカーンは返すことが出来ず、8分16秒、体固めでアンドレのフォール勝ちとなりました。
セミ前はダスティ・ローデス&ディック・マードック組のテキサス・ジ・アウトローズがR木村&戸口組と対戦したタッグマッチ60分1本勝負。
当初、この日はアウトローズとザ・サモアンズ1&2号の対戦と発表されていましたが、来日したサモアンズの覇気のない試合ぶりを見た戸口がR木村と組んでアウトローズと対戦させろと新日本プロレスのフロントに直訴、このカードとなったものです。
Kカーンはアンドレ戦が決まっていた為、団体が崩壊してフリーで新日本プロレスのリングに乗り込み、慣れないヒールファイトを懸命に展開しているR木村をパートナーに指名したものでした。
アウトローズはベビーフェイス、R木村&戸口組はヒールテイストの試合で観客のブーイングを浴びます。R木村は前NWA世界ヘビー級王者のローデスを追い込み、場外の鉄柱でローデスの額を叩き割って流血させ、傷口にパンチの連打、しかしエキサイトし過ぎてローデスを場外フェンス越しに投げてしまい、10分41秒、R木村の反則負けが取られ、アウトローズに軍配が上がっています。
タイガーマスクはヘビー級のカネックとシングルマッチ45分1本勝負で対戦、リーグ戦では不振だったカネックですが、シングルでは活き活きとした試合ぶり、体格はタイガーマスクより一回り大きく、体力で圧倒していきました。
前半戦、カネックは怪力を利したカナディアン・バックブリーカー、さらにセントーンと攻勢に出ます。タイガーマスクがプランチャを放ちましたが、これでタイガーマスクは右足首を捻挫、動きに精彩を欠きました。劣勢になったタイガーマスクでしたが、バックドロップ、ダブルアーム・スープレックスで反撃、カネックはロメロ・スペシャル(吊り天井)を見せタイガーマスクの痛めた右足に付加がかかる技を出していきます。
場外に落ちたカネックにタイガーマスクは痛む足でもう一度プランチャを見舞いましたが、カネックにキャッチされて場外マットに腰を打ちつけられました。レフェリーの場外カウントは20を数え、11分36秒、両者リングアウトの引き分けに終わりました。
タイガーマスクが初めて大苦戦した試合でした。この試合で右足首を捻挫したタイガーマスクは12月9日岐阜市民センター、12月10日大阪府立体育会館の2大会を欠場しています。
この日の蔵前大会は12月18日の「ワールドプロレスリング」で録画中盤され、上記4試合が放送されています。
右肘を捻挫し欠場していたアニマル浜口ですが回復状況は思わしくなく「復帰する!」と宣言していたものの出場は叶わず、この日は長州&谷津組vs木村健&寺西勇組というタッグマッチ30分1本勝負が組まれ、12分1秒、長州が寺西をバックドロップからの体固めでフォール勝ちしています。
この日、ジョージ高野の実弟で196cmの長身を誇る高野俊二(当時17歳)が先輩の新倉史裕を相手にデビュー、高野俊のデビュー線は異例の第3試合に組まれ、長身から繰り出すドロップキックからエビ固めに丸め込んでカウント3。僅か1分38秒、フォール勝ち、衝撃的デビューを飾っています。
※観戦チケットをアップ致しました。
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