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2022年07月17日23:53

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映画日記『馬賊芸者』

2022年7月17日(日)

『馬賊芸者』(1954年)
監督:島耕二
日本映画専門チャンネル【録画】

ときは大正の初め、ところは九州の博多、気っぷの良さと豪気さで成金たちから遠慮会釈もなく金を巻上げたため、「馬賊」と呼ばれた芸者たちがいた。
そんな馬賊芸者のひとり、京マチ子扮する信吉(のぶきち)姐さんが主人公。
信吉は、ひょんなことから歌舞伎役者の小十郎と夫婦約束をし、幸せの絶頂だった。
ところが巡業先で小十郎が急死してしまう。
やけ酒におぼれる信吉だったが、ある晩、彼女の前に小十郎そっくりの人形師があらわれて・・・・・

てっきり、大陸に渡った芸者が、馬賊になって銃をぶっ放すような活劇映画を想像してたら、まったく想定外のメロドラマだった。
見どころは3つ。
まずはなんといっても京マチ子!!。
モノクロ画面のなかに、黒々とした日本髪を結い黒地の和服を着こなした、彼女のおしろい顔がきりりと浮かぶ。
京マチ子、このとき30歳。『羅生門』とは違う美しさだ。
二つ目が、実際の博多の大規模な祭礼(博多祇園山笠?)でのロケシーン。
舞台が大正時代なので、群衆シーンはロングで撮っているのだが、不思議なことにまったく違和感なし。ひょっとしたら、カメラが向いている先に、大正時代の衣裳を着たエキストラを潜り込ませていたのではとおもった。
三つ目が、ラストシーンで京マチ子が黒田節を踊る。
元ダンサーでもある京マチ子なので、日舞であっても別に目新しくもないが、黒田節を朗々と謡うが志村喬だった。
志村喬の美声も有名ではあるが、京マチ子との組合わせは本作だけではなかろうか。
古い日本映画好きには、たまらないシーンだった。


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