国際プロレスは72年2月1日、大阪府立体育会館で「新春パイオニア・シリーズ」が閉幕した後、実に54日という長いオフを経て、3月27日、札幌中島スポーツセンター(テレビ収録、観衆5,000人満員発表)から春の祭典「第4回IWAワールド・シリーズ」を開幕させました。
この「第4回IWAワールド・シリーズ」は国際プロレス15年の歴史の中で最高の外国人メンバーが集結したということに異論を挟む方はいないでしょう。
前年度優勝者のモンスター・ロシモフ、ドン・レオ・ジョナサン、バロン・フォン・ラシク、ホースト・ホフマン、ジョージ・ゴーディエンコ、レイ・ゴールデン・アポロン、イワン・バイテン、ティト・コパ、アリババ・マルスターニの外国人選手が参加。日本側は2年ぶり参加のストロング小林、第1回から連続出場のサンダー杉山、前年度は負傷の為棄権したラッシャー木村が参加。
70年の日本プロレス「第12回ワールド・リーグ戦」で馬場と決勝を争ったジョナサンの国際プロレス初登場はインパクト大でした。
予選リーグ戦は今回からファンに分かりづらいと不評だったバッドマークシステムは廃止されABCD(敗者復活ブロック)の4ブロック別総当たりリーグ戦形式を採用。Aブロックが木村、ラシク、アポロン、バイテン。Bブロックがロシモフ、ジョナサン、杉山、コパ。Cブロックが小林、ホフマン、ゴーディエンコ、マルスターニ。Dブロックは各ブロック2位の選手が出場予定。
公式戦は20分1本勝負、制限時間内に決着がつかなかった場合は20分の延長戦を行う、それでも決着がつかなかった場合は引き分けとするがIWAワールド・シリーズ実行委員会が必要と認めた場合は再延長戦を行う。○勝ち2点、△あらゆる引き分け1点、●負け0点でABCブロック1位が決勝トーナメントに進出、ブロック2位はDブロックへ行き、Dブロック1位が決勝トーナメントに進出。
開幕戦には立会人として大会実行委員長、IWA会長のロジャー・デラポルトが来日。一部のファンの間では「架空の人物」と言われていたデラポルト会長ですが、日本のファンの前に実際に姿を現しました。
開幕戦のメインイベントは小林&木村&寺西組がゴーディエンコ&バイテン&コパ組と6人タッグマッチで対戦。1本目は13分2秒、ゴーディエンコが小林を体固め、2本目は8分10秒、小林がゴーディエンコを体固め、決勝の3本目は13分15秒、木村がバイテンを体固めに決めて2−1で小林&木村&寺西組の勝利。
セミファイナルのBブロック公式戦は夢の対決、前年度優勝者、大巨人ロシモフvs人間台風ジョナサンの公式戦20分1本勝負。この試合は飛行機トラブルからロシモフのリングシューズが到着せず、ロシモフの足のサイズに合うリングシューズを持っているレスラーは他にはおらず、裸足でファイト、またラシクも飛行機トラブルから開幕戦には出ていません。
220cm、200kgのロシモフと198cm、140kgのジョナサンの大肉弾戦は迫力満点でしたが、ロシモフが裸足だったことでやや精彩を欠き20分時間切れ引き分け、「ロシモフがリングシューズを履いていないから不利になる」という理由で延長戦はなし。後日再戦となりました。
セミ前のCブロック公式戦は初来日のホフマンがマルスターニと対戦、15分20秒、体固めでフォール勝ち。公式戦外では杉山がアポロンを10分55秒、体固めで破っています。
日本側はアニマル浜口がアメリカ修行に出発、兄貴分のグレート草津が主戦場にしていたネブラスカ州オマハに遠征。大剛鉄之介は欠場、若手の田中隆雄はリングネームを出身地の横浜市鶴見区に因んで「鶴見五郎」に改名、これは大先輩である田中忠治(ヨーロッパ遠征中)と間違われ易い為とのことでした。本郷清吉(肥後宗典)は先の「新春パイオニア・シリーズ」からリングネームを本名の本郷篤に戻しています。
1月5日から、30分番組に短縮されたTBSの「TWWAプロレス中継」ですが、4月の番組改編期で4月2日より毎週日曜日午後6時〜6時55分に放送時間帯が移行。日曜夕方にはなりましたが嬉しい1時間枠復活でした。生中継は難しい時間帯ですが、日曜日夕方興行なら可能です。
その4月2日には小林の地元である青梅での凱旋興行が青梅市永山公園特設リング(観衆3,000人超満員発表)大会が行われました。メインイベントは小林&木村&寺西組とロシモフ&ラシク&バイテン組の6人タッグマッチ。1本目は18分2秒、バイテンが寺西を体固め、2本目は9分13秒、小林がロシモフに反則勝ち、決勝の3本目は7分12秒、小林がロシモフを逆エビ固めでギブアップさせて2−1で小林&木村&寺西組に軍配が上がり、小林はロシモフから1本取り、故郷に錦を飾りました。ロシモフが小林に「華を持たせた」感じです。
セミファイナルは杉山とゴーディエンコのシングルマッチ45分3本勝負。1本目は15分3秒、ゴーディエンコがアバラ折り(コブラツイスト)で先制、2本目は1分59秒、杉山が体固め、決勝の3本目は2分58秒、両者リングアウトとなり1−1の引き分け。ゴーディエンコは68年の第1回大会では優勝したビル・ロビンソン、豊登と並んで決勝リーグ戦に残りましたが、この時はピークは過ぎていました。
公式戦外でジョナサンはコパとシングルマッチで対戦、16分45秒、体固めで勝利。ホフマンは大磯武とシングルマッチで対戦、12分11秒、体固めでフォール勝ち。マルスターニは紫鬼三(デビル紫)を12分30秒、体固めで撃破、アポロンは本郷に15分21秒、体固めでフォール勝ち。外国人勢が強力な為、国際プロレスの中堅どころは歯が立ちません。
4月6日、栃木県黒磯市公会堂(テレビ収録、観衆3,700人超満員発表)大会、メインイベントはCブロック公式戦、小林とゴーディエンコの対戦は15分14秒、逆エビ固めで小林がギブアップ勝ち。68年9月のゴーディエンコ初来日時には45分3本勝負でストレート負けを喫していた小林でしたが、見事な逆エビで恩返ししています。
セミファイナルはAブロック公式戦、木村とラシクの一戦、20分時間切れの後延長戦を行い、2分5秒、ラシクが頭蓋骨掴み(ブレーンクロー)で木村を破りました。
外国人同士の豪華タッグマッチ、ロシモフ&ジョナサンが巨人タッグを結成、ホフマン&バイテン組と45分3本勝負で対戦、1本目は13分42秒、ロシモフがバイテンをツームストン・パイルドライバーから体固め、2本目は10分35秒、バイテンがロシモフを体固め、2本目の判定を巡り、ロシモフとジョナサンが仲間割れ、3本目はロシモフ&ジョナサン組が試合放棄、2−1でホフマン&バイテン組がラッキーな勝利。やはりロシモフ、ジョナサンは組むより闘う運命か…。
杉山&寺西組vsコパ&マルスターニ組の対戦、1本目は11分22秒にコパが寺西を体固め、2本目は10分12秒、寺西がコパを逆エビ固めでギブアップさせました。決勝の3本目は2分42秒、杉山がマルスターニを体固めに決めて2−1で杉山&寺西組が勝っています。アポロンは松本勝三とシングルマッチで対戦、15分43秒、体固めでフォール勝ちを収めました。
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