mixiユーザー(id:33884029)

2018年07月14日13:37

104 view

坂本龍馬の気力

坂本龍馬の気力


剣の極意には、ただ単にカタナで相手を倒すというだけでなく、機先を制して相手の殺意を削いだり、気合によって相手の殺意を削いだりするようなことがある。機先を制するとか気合いというものは、話し相手を説得する場合にも有効で、坂本龍馬はその極意が身についていたようだ。

機先を制して相手の殺意を削ぐ場面と気合によって相手の殺意を削ぐ場面が、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」に出てくる。

前者の場面は、千葉重太郎が勝海舟を抜き打ちで殺そうという場面(「竜馬がゆく3」のp206)である。
「勝先生つ」重太郎は膝をにじらせた。その殺気、脇差で抜き打とうとしている。その瞬間、それを察し、龍馬は勝にむかい、大きな体を折って平伏した。「先生、わしを弟子にして仕(つか)アされ」機先を制せられて、あっと重太郎がひるんだ。

後者の場面は、陸奥陽之助の頼みを聞いて、殺人鬼のような兜惣助から陸奥陽之助の友人を助ける場面(「竜馬がゆく4」のp34)である。
「兜やら、抜くなよ」と言いながら、兜をにらみすえて、気で殺している。気を抜けば兜は跳ねあがって飛び込んでくるだろう。兜は、ぬけない。真蒼(まっさお)になっている。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する