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2017年05月30日17:00

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天山(その6)

天山(その6)
はじめに(その6)

このエッセイのハイライトは、第6章の「キジル石窟について」である。

インドのガンジス川流域で生まれた仏教は、天山山脈の南を通るシルクロードのオアシス都市、ホータン、クチャ、トルファンに伝わった 。その中でもっとも大事な仏教都市はクチャである。第1章で述べたように、第一次探検は、長らく謎の地の山であった霊鷲山を発見し、また、タクラマカン砂漠に入り、ホータン・クチャなどを調査した。クチャにはシルクロード最大の石窟寺院「キジル石窟」があるし、クチャは鳩摩羅什の生まれ育ったところである。釈迦は霊鷲山で究極の教え「法華経」を説いた。その法華経は、まずクチャに伝わった。しかし、クチャに伝わった法華経は、ウィグル語で書かれたものである。鳩摩羅什は、母の導きの力が大きいが、修行を重ねた末、成人してから法華経の教えを中国に伝える必要から、中国語に翻訳した。その功績は絶大であり、鳩摩羅什のお陰で、天台宗が中国で誕生、最澄によって比叡山天台宗が開かれた。そして、その法華経の教えは日蓮に引き継がれて、今日の日本がある。それもよくよく考えてみれば鳩摩羅什のお陰である。クチャのキジル石窟を知らずして仏教を語ること勿れというほどのものだ。そういう意味で、 このエッセイのハイライトは、第6章の「キジル石窟について」なのである。



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