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2016年05月30日09:05

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天皇の権威(その5)

天皇の権威について(その5)

第5章 日本の政治のあり方・・・民主主義の欠点を補う天皇の権威(その1)



佐伯啓思の「正義の 偽装」 (2014年1月20日、新潮社) は画期的な本である。あるべき政
治形態として民主主義が世界を闊 歩しているが、彼は、民主主義に疑問を投げかけ、出版社をして「民主主義の断末魔が聴 こえる」と言わしめている。ともかくすごい本だ。彼に言うことには、私たち日本国民は、特に政治家はそうであるが、注目をしなければならない。そして、自分の精神の糧にしてほしい。佐伯啓思は、「正義の偽装」の中で、日本の政治について、次のように言っている。すなわち、

『 戦後日本の 「価値」とは、個人の自由、民主主義(あるいは平等)、物理的な幸福追求
(物的豊かさ の追求)、それに平和主義といってよい。』

『 利己心や自己の事情や我が身かわいさは、誰にでもある。だけれども、それを どこ
かで「はずかしいもの」として抑制する何かがなければならない。しかしそれに「政 治
的正さ」を与えてしまっては、それを抑制するものがなくなってしまう。』

『 むき出しの利己心も欲望の解放も、そして、それを正義にしてしまう厚顔無恥も「本
当は」日本人の精神ではないと私は思う。日本人にとっての価値の基軸はどこにあるの
か、それを見いださない限り、この劣化に歯止めをかけることはできないのではないで
しょうか。』

『 わたしは「民主主義」という政治体制はたいへん難しいもので大きな欠陥を孕んでい
ると思っています。「民主主義」がすばらしいものであるなどとまったく思いません。し
かし同時にまた、「民主主義」以外の政治体制を現状で採りえるとも思えません。とすれ
ば、何とか民主主義を使いこなしてゆくほかないのですが、どうも「日本」と「民主主
義」の食い合わせはなかなか難しいものを孕んでいるようにおもえるのです。』
『 「日本的なるもの」と「近代民主主義」の結合には何か基本的な難点があると思う
のです。そのことをしっかりと自覚しておく必要があるでしょう。』・・・と。



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