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2016年05月28日11:11

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宇宙との一体感(その10)

宇宙との一体感(その10)

宮沢賢治の自然観(1)


最初のつぶやきで、『「宇宙との一体感」とは「自然と一体感」のことであるが、そういう感性を持った日本の代表が宮沢賢治であるが、「無為自然」を説く老子もまさに「宇宙との一体感」を感じることのできる「野生の思考」の人であったと思う。』と述べたが、宮沢賢治は、そういう感性で数々の童話を書いた。宮沢賢治は、星と共感し、星座と共感し、天と共感し、宇宙と共感し、「銀河鉄道の夜」や「双子の星」を書いた。そして生まれたのが「星めぐりのうた」です。また、宮沢賢治は、いろんな動物と共感し、「注文の多い料理店」や「氷河鼠の毛皮」などの童話を書いた。そして生まれたのが私たちの論考です。また、宮沢賢治は、岩石との共感から「楢ノ木大学士の野宿」を書いたし、風との共感から「風の又三郎」を書いた。いちいちひろいあげれば切りがないが、宮沢賢治の童話を読むと、彼の感性がよく伝わってくる。宮沢賢治は、さまざまな「自然との一体感」「宇宙との一体感」からさまざまな童話を書いたのだし、私たちは、宮沢賢治の童話を読んで、「自然との一体感」「宇宙との一体感」というものがどういうものかを何となく感じることができる。

先に述べた枡野俊明の思想が理解できても、それを頭の中で理解したということであって、夢窓国師の作った日本庭園を何度見ても、「自然との一体感」「宇宙との一体感」がどういうものであるかをおぼろげながらも実感することは難しい。また老子やハイデッガーの哲学を読んでも、「自然との一体感」「宇宙との一体感」とは何かを頭の中で理解できたとしても、それを実感することは難しい。しかし、 私たちは、宮沢賢治の童話を読んで、「自然との一体感」「宇宙との一体感」というものがどういうものかを何となく感じることができる。 宮沢賢治の童話の価値はそこにある。そういう意味で、宮沢賢治は世界的に見ても誠に稀有な人である。

老子とハイデッガーは、ともに「自然の人」であり、「自然との一体感」「宇宙との一体感」を感じながら、自らの哲学を語ったのであり、そのことについては「老子とハイデッガーの共通性」という私の論考がある。

http://www.kuniomi.gr.jp/geki/iwai/rousitohai.pdf


しかしながら、私たちが「自然との一体感」「宇宙との一体感」を感じることのできる感性を養うためには、宮沢賢治の童話を読むのがいちばん手っ取り早い。それほど宮沢賢治は「宇宙的」なのである。「宇宙的」、それはどういうことか? 



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