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2025年03月23日08:35

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【特別編】マイティ井上さん追悼(59)

85年全日本プロレス「熱風!サマー・アクション・ウォーズ」大詰め、第28戦は7月29日鹿児島県立体育館(観衆3,400人発表)大会。

マイティ井上は佐藤昭雄と組んで渕正伸(正信)&ターザン後藤組と対戦、12分11秒、井上がT後藤をサマーソルト・ドロップからの体固めで降し、ベテランコンビの勝利。

メインイベントは鶴田&天龍源一郎組の保持するインターナショナル・タッグ王座にスタン・ハンセン&テキサス・レッド組が挑戦。

前日の島原市体育館で実現した同一カードによる前哨戦はハンセン&レッド組が勝敗を度外視して鶴田の痛めている右肘に集中攻撃を浴びせての反則負けで、タイトル戦を優位に持っていきました。

スタイルチェンジしたとは言え、やはり挑戦者組はレッドが一枚落ちるのは否めず、ベルト奪取の為には鶴田の右肘を痛め鶴龍コンビの戦力をダウンさせておく作戦に出たのは賢明と言えます。

試合は13分43秒、鶴田とハンセンが場外でやり合っている間に天龍がレッドを延髄斬りで倒し、コーナーポスト最上段からの背面飛び式のダイビング・エルボードロップからの体固めでフォール。鶴田&天龍組が4度目のタイトル防衛に成功しています。

それにしても、島原での同一カードでの前哨戦がテレビ中継ありで、本番のタイトルマッチが行われた鹿児島がノーテレビだったのは謎ですが、おそらく、鶴田の右肘の状態は前から悪く、手術が必要な状態。

ハンセン&レッド組がシリーズ終盤の王座初挑戦でベルトを獲得することは鶴田の右肘が悪くてもまず有り得ない。ならば、タイトルの賭かっていない前哨戦で鶴田の右肘が重傷化していくプロセスをテレビ中継で見せていったのではないかと考えます。

セミファイナルでは長州力&キラー・カーン&谷津嘉章組とハーリー・レイス&クラッシャー・ブラックウェル&スティーブ・リーガル組が対戦。8分47秒、長州がリキラリアットからリーガルを体固めに決めてジャパン軍団の完勝でした。

セミ前の全日本対国際血盟軍、馬場&石川敬士組とラッシャー木村&鶴見五郎組は鶴見が粘り、9分2秒に両チームリングアウトの引き分け。

アニマル浜口&小林邦昭組vsザ・デストロイヤー&ジプシー・ジョー組というマニアックなタッグマッチが行われていました。浜口とデストロイヤーは今シリーズ7月22日、川崎市サンテラス日吉屋上駐車場特設リングでタッグで初対戦(浜口&寺西勇組vsデストロイヤー&ジョー組、11分25秒、浜口がジョーを体固め)していますがこの日は12分57秒、浜口がフライング・ネックブリーカードロップからジョーを体固めに決めて浜口&小林組が勝ちました。

ヒットマン、阿修羅・原は永源遙を1分44秒、ヒットマン・ラリアットからの体固めで仕留めました。

第29戦、7月30日、福岡スポーツセンター(テレビ収録、観衆5,700人発表)大会。長州以下ジャパンプロレス参戦後、初の福岡の大会場での興行となりましたが満員マークはつかず。

井上は佐藤と連日のタッグ結成、ラッシャー木村&鶴見五郎組の国際血盟軍との対戦。11分46秒、R木村が佐藤をブルドッキング・ヘッドロックから体固めに決めて国際血盟軍の勝利。

メインイベントは馬場のPWFヘビー級王座にハンセンが挑戦。両者の同タイトルを巡ってのこれまでの対戦は8戦して馬場の1フォール勝ち2反則勝ち1両者リン1両者反則1フォール負け1反則負け1ノーコンテストとほぼ互角。しかし47歳で限界説が再浮上していた馬場不利の声が多かったです。

試合は馬場がハンセンのラリアット封じとばかり左腕に的を絞って攻撃し優勢に出ましたが、徐々にハンセンも反撃。場外乱闘となり、場外でドロップキックを見舞ったハンセンが先にリングに上がり、エプロンに上がって来た馬場にロープ越しのバックドロップ。

すかさずフォールの体制に入りカウント3。13分50秒、ハンセンが体固めで文句のつけようのない完勝でタイトル獲得。第10代王者となりました。ハンセンは83年9月8日千葉公園体育館で馬場を破って以来同王座2度目の戴冠。

敗れた馬場は72年10月の全日本プロレス旗揚げ時に10試合に亘る王座争覇戦を勝ち抜き73年3月16日に初代PWF(世界)ヘビー級王者に認定されて以来、初代(73年3月16日〜78年6月1日)38回、5代(79年2月10日〜82年10月26日)15回、7代(83年2月11日〜9月8日)3回、9代(84年7月31日〜85年7月30日)3回と通算59回の同王座防衛を果たして、前年返上したインターナショナル・タッグ王座とあわせて完全無冠となり、タイトル戦線から撤退となりました。

なお、馬場のPWFヘビー級王座通算防衛記録を60回としている文献もありますが、83年7月12日、札幌中島体育センターでのタイガー・ジェット・シン戦でのノーコンテストは試合そのものが無効ですから防衛記録から除外しています。(国際プロレスはノーコンテストも防衛記録の加算対象にしていた)

馬場は全日本プロレスの経営が悪化し、日本テレビから役員が出向してきて82年1月1日付で松根光雄元日本テレビ運動部長が社長に就任して以来、松根社長の鶴田、天龍を全面に押し出して馬場にはプロモーター業に注力してもらいたい、という方針に抵抗してきましたが、鶴田、天龍の成長、ジャパンプロレス参入、外国人メンバーの充実もあって、ようやく第一線を退くことを決意したそうです。

そして、その「引導を渡す」役目は自分が新日本プロレスから大枚はたいて引っ張ってきたハンセン以外にはいなかったということでした。

セミファイナルは全日本対ジャパン軍団抗争、天龍&石川組と長州&浜口組が対戦、15分27秒、石川と浜口が両者リングアウトの引き分け。

セミ前に組まれたのは鶴田&大熊元司組vsレイス&ブラックウェル組の一戦。7分58秒、レイスが大熊をブレーンバスター(バーティカル・スープレックス)からの体固めで降しレイス&ブラックウェル組の勝利。

Kカーン&谷津組とレッド&リーガル組は7分25秒、谷津がリーガルをジャーマン・スープレックスホールドでフォールしジャパン軍団に凱歌が上がっています。

連日シングルマッチ出場の原はジャパンプロレスの仲野信市を2分6秒、ヒットマン・ラリアットからの体固めで秒殺しています。

85年「熱風!サマー・アクション・ウォーズ」が7月31日、大分・日田玖珠地域産業振興センターで閉幕すると、中1日の移動日を置き、8月2日から北海道に移動しジャパンプロレス自主興行シリーズ第2弾「サマー・ドリーム・フェスティバル」が開幕。

かなりの強行軍と言えます。開幕戦の8月2日札幌中島体育センターから8日埼玉県大宮スケートセンターでの最終戦まで休みなしの全7大会を開催。ジャパンのイケイケ体質に全日本プロレスが乗った感じでした。

このシリーズは全日本プロレス勢は全員参加ではなく、馬場を初めとし、井上も不参加でしたので主要な出来事だけで振り返りたいと思います。

開幕戦の札幌大会はジャパンプロレスの自主興行で初めて日本テレビの中継が入りました。

メインイベントはジャパン対全日本軍団抗争、長州力&Kカーン組と鶴田&天龍組の頂上決戦。2日前まで行われていた全日本プロレスの「熱風!サマー・アクション・ウォーズ」では前半から右肘を痛めながらも試合に出場していた鶴田。この日もジャパン軍団に開始から右肘を痛めつけられました。

長州が鶴田にバックドロップを決めたところ、Kカーンがコーナーポスト最上段から鶴田の右肘に「アルバトロス殺法」のダイビング・ダブルニードロップ。

これで鶴田は場外に転落してダウン。レフェリーのカウントが続くも起き上がれず、13分44秒、Kカーンが鶴田にリングアウト勝ち。Kカーンはフォールは奪えなかったものの内容でも完勝し、7月12日、八戸市体育館での6人タッグ(鶴田&天龍&石川組vs長州&Kカーン&浜口組)で鶴田に首固めで敗れた借りを返しています。

苦杯を舐めた鶴田は若手に肩を借りて退場、右肘の状態はさらに悪化の一途を辿り、8月5日大阪城ホールでの長州とのシングルマッチに赤信号が灯りました。

セミファイナルは「ウガンダの大魔神」ジャイアント・キマラの初来日第1戦、全日本プロレスのポリスマン(初来日、初参戦の相手を務め、実力を査定し力を引き出す存在)大熊元司とのシングルマッチ。

マネージャーのフライデーの来日はなく顔面とボディには不気味なペイントが施してあり、裸足で登場。不適切な表現ながら原住民ギミック。200cm、180kgの巨体でコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディプレスを決めて3分38秒、体固めでキマラが完勝を収めています。

セミ前に組まれたのは小林に保永が挑戦したジャパンプロレス同門同士のNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級選手権試合。90年代にはジュニアのいぶし銀的なファイトでトップとなる保永でしたが、この時はキャリア5年で若手から中堅に差し掛かったところ。社会人生活を経てから80年4月25日に新日本プロレスの後楽園ホールで24歳でデビューしており年令は小林と同学年でしたが、16歳で入った小林とはキャリアは7年違いました。

試合は保永が放ったダイビング・ボディアタックを小林がはたき落とすとサイドキックから得意のフィッシャーマンズ・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)で14分2秒、小林の完勝で3度目の防衛に成功。王座防衛を果たした小林は8月5日大阪城ホールでやはり同門の新倉史裕の挑戦を受けることになりました。 

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