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2025年03月18日07:19

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【特別編】マイティ井上さん追悼(54)

85年全日本プロレス「激震!サンダー・ウォーズ」は5月17日旭川市総合体育館常盤分館(テレビ収録、観衆3,000人満員発表)で開幕。前のジャパンプロレス「ビッグ・ラリアート・フェスティバル」最終戦から1日のオフもなく新シリーズ開幕戦に突入しました。

この強気なコースの組み方はジャパンプロレスが大きく関与していたからに他はないですが、鶴田34歳、天龍35歳、長州33歳、谷津嘉章28歳とみな若く、体力的にもまだまだこれだけの巡業をこなせたからだと思います。

御大馬場も47歳でしたが、ジャパン軍襲来でポジションは下がって来ておりセミ前に出ることもしばしばあり、身体も元気でした。やはり、長年興行面、テレビ視聴率で水を開けられていた猪木、新日本プロレスが選手、フロント大量離脱でパワーが低下しており、気持ちの面で張りがあったのではないでしょうか?

参加外国人選手はタイガー・ジェット・シン、テリー・ゴディ、ダイナマイト・キッド、デービーボーイ・スミス、マリオ・ミラノ、カナディアン・ルイスがシリーズ全戦参加。

シリーズ終盤戦には3月に初来日して強烈なインパクトを残したアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズが特別参加、マネージャーのポール・エラリングも一緒に来日。

ザ・デストロイヤーが5月20日の釧路市厚生年金体育館大会のみ特別参加、また、当初シリーズ参加メンバーには名前がなかったTJシンの子分、ダシラン・シンが急遽来日しています。

なお、「ビッグ・ラリアート・フェスティバル」に来日していたスタン・ハンセンは残留せずに帰国しました。

ジャパンプロレス軍団は先のジャパン自主興行シリーズ「ビッグ・ラリアート・フェスティバル」に次いでマサ齋藤が前半戦特別参加。また、メキシコEMLLに遠征していた元国際プロレスの高杉正彦が帰国し国際血盟軍からシリーズ参戦。82年から全日本プロレスに参戦していたウルトラセブンは前84年「スーパー・パワー・シリーズ」を最後にメキシコへと旅立ち、代わりに?高杉が帰国して来たという訳です。

全日本本隊にはメキシコUWAからグラン浜田が特別参加。浜田は先の「激烈!スーパー・パワー・ウォーズ」に参加が発表され、チケットにも名前が入っていましたがメキシコでのスケジュールの都合が合わず参戦をキャンセルしていました。既に前84年7月30日に全日本プロレスとの業務提携を発表していたUWAのルチャドール達はお呼びがかからなくなっており、おそらく日本人である浜田だけは残っていた契約を消化する為に参加したと考えます

マイティ井上は佐藤昭雄組と組んで剛竜馬&アポロ菅原組の国際血盟軍と対戦、10分18秒、佐藤がソバットからの片エビ固めで菅原からフォール勝ちを奪いました。

開幕戦メインイベントは全日本対ジャパン軍団抗争、鶴田&天龍組の鶴龍コンビと長州力&アニマル浜口組の元祖維新軍の闘い。浜口が天龍にドリルアホール・パイルドライバーをかけようと持ち上げようとしたところ、鶴田がカットに入って浜口に強烈なジャンボ・ラリアット。小兵の浜口はたまらずダウン、天龍がすかさずパワーボムを決めて10分47秒、エビ固めで浜口からフォール勝ちで全日本プロレス側の完勝。

先のジャパンプロレス「ビッグ・ラリアート・フェスティバル」でのキラー・カーンに次いで今度は浜口がピンフォール負けを許しています。

セミファイナルは馬場&石川敬士組vsTJシン&Mミラノ組。馬場がシンに2月5日、東京体育館でのPWFヘビー級選手権試合でフィニッシュに使ったコブラツイスト。しかし、ミラノがレフェリーの注意を巧みに引いている間にTJシンのセコンドにいたダシラン・シン(この日は試合が組まれず)が上がってきてサーベルで馬場の喉元を一撃、ウンする馬場をロープに飛ばしたシンはカウンターのコブラクロー。そのまま馬乗りになって押さえ込みカウント3が入りました。6分57秒、決まり手は「毒蛇絞め固め」でした。

TJシンはダシランのアシストはあったものの、開幕戦でいきなり馬場からフォール勝ちを奪いリベンジを果たしてしまいました。

馬場は外国人レスラー対しては尊厳を重んじており、同じく76年7月に新日本プロレスから引き抜いて来たビル・ロビンソンを7月24日、蔵前国技館で2フォールを奪ってPWFヘビー級王座を防衛していますが、シリーズ最終戦の7月28日、水戸市民体育館でのテレビマッチ、メインの6人タッグ、馬場&ザ・デストロイヤー&ヒロ・マツダ組vsロビンソン&アル・マドリル&スコット・ケーシー組の2本目にワンハンド・バックブリーカーからの体固めでフォール負けしており、ロビンソンからは取り返していません。実はこのシリーズのフォール、ギブアップは実はイーブンなのです。

馬場は自分以外でもデストロイヤーがPWF認定USヘビー級王座をアブドーラ・ザ・ブッチャー(75年10月)、ミル・マスカラス(78年8月)と奪われた時、リターンマッチではデストロイヤーがブッチャー、マスカラスからそれぞれ2フォール奪って奪回していますし、TJシンのような外様でも使い捨てにはしない、その辺の配慮は猪木とは違うところでした。

セミ前は谷津嘉章&小林邦昭&保永昇男組とキッド&スミス&ルイス組。の6人タッグマッチ、9分8秒、スミスが豪快な雪崩式オクラホマ・スタンピートからの体固めで軽量の保永から勝利。

メキシコより凱旋帰国を果たした高杉は国際血盟軍の一員となりメキシコ生活の長い浜田とシングルマッチを行いましたが7分39秒、ウラカン・ラナ(前方高角度回転エビ固め)の前にフォール負けを喫し凱旋マッチを白星では飾れず。

第3戦は5月19日、北海道網走市総合体育館(テレビ収録、観衆2,400人発表)大会。

井上はセミファイナルに登場、PWFヘビー級王者の馬場&インターナショナル・ヘビー級、同タッグ王者の鶴田&NWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王者の井上の3人が組むという「王者トリオ」が実現。対戦するのはTJシン&ゴディ&ミラノ組のこちらもシリーズ参加ヒールサイド外国人では最強のチーム編成。鶴田が抜群の強さを見せ、10分47秒、フライング・ボディシザースドロップ(空中胴絞め落とし)からの体固めでベテランのミラノからフォール勝ち。王者トリオが堂々の白星を挙げました。

メインイベントは天龍&石川組と長州&谷津組が対戦。ジャパンプロレス迎撃部隊の天龍と石川が2人だけでタッグを結成、ジャパン頂上チームとぶつかりました試合は20分を超す熱戦となりましたが、20分35秒、相撲タックルに来た石川を長州が首固めに丸め込んでカウント3。長州&谷津組が勝利を飾っています。

この日ダシランは試合が組まれておらず。M齋藤が前日の稚内大会で膝を負傷してこの日の試合を欠場しており、カードからあぶれたかと思います。

セミ前に組まれたのがタイガーマスク&渕正伸(正信)組vsキッド&スミス組。9分26秒、キッドが渕を雪崩式ブレーンバスターからの片エビ固めに切って落とし、ブリティッシュ・ブルドッグスの圧勝に終わりました。

Kカーン&浜口組とラッシャー木村&鶴見五郎組の一戦は、鶴見が狙われると思いきや、粘られて7分49秒に浜口とR木村が両者リングアウトとなり引き分けになりました。

この日の第8試合に先の「激烈!スーパー・パワー・ウォーズ」4月3日の山形県体育館大会に突如姿を現し、長州を襲撃、4月24日横浜文化体育館で天龍と組んで長州&浜口組と試合が組まれたものの、試合前にパートナーである天龍をイスで殴り逃走した阿修羅・原が前84年10月18日、高砂市鹿嶋神社大駐車場特設リング大会以来7か月ぶりに試合に出場。

対戦相手は横浜文体で原の代わりに天龍のパートナーを務め、長州&浜口組にたった1分27秒で敗れた大熊元司。横浜では2試合出場してとばっちりを食った因縁のある大熊は、普段はスロースターターでしたがいきなり原にヘッドバットの奇襲、倒して得意のジャンピング・ヘッドバット、しかし原はこれを外して大熊は自爆。

すかさず延髄斬りを放ってから一気にロープに飛ばしてのヒットマン・ラリアットからの体固め。試合タイムは僅か48秒、まさに秒殺勝利でした。原は無言でリングを去っています。シリーズに継続参戦するのかどうかもこの時点では不明です。

第13戦5月31日千葉県松戸市運動公園体育館(テレビ収録、観衆3,200人超満員発表)大会。全日本プロレスの松戸もこれまで数々のビッグマッチを開催している会場です。

77年6月14日のハーリー・レイスvs馬場のNWA世界ヘビー級選手権試合(1−1から60分時間切れ引き分け)、81年4月30日には復活インターナショナル・ヘビー級王座決定トーナメントの決勝が行われる予定で、決勝にはドリー・ファンク・ジュニアとブルーザー・ブロディが残りましたが、ブロディが4月27日、愛知県体育館での馬場戦で足首を負傷、棄権。

立会人として来日していたNWA会長のジム・クロケット・ジュニアの裁定によりドリーが不戦勝となり、トーナメント参加の残りの選手から抽選で挑戦者を選び、新王者ドリーの初防衛戦とすることになり、実弟のテリー・ファンクが当たりを引いて史上初の兄弟対決が実現、54分、ドリーがエビ固めで初防衛に成功しています。

直近では前84年11月22日、史上最高のメンバーを集めた「世界最強タッグ決定リーグ戦」の開幕戦が開催され、注目の馬場の「ミステリアス・パートナー」、ラッシャー木村が姿を現し話題を集めました。

今回は全日本、ジャパン連合になってから初の松戸とあってテレビ収録、またザ・ロード・ウォリアーズの再来日第1戦という好カードを提供しています。

井上&浜田組と高杉&菅原組は11分34秒、M井上が国際プロレスの後輩である高杉を回転エビ固めで降しました。

メインイベントは馬場&鶴田&天龍組の全日本最強トリオとTJシン&ゴディ&ミラノ組の一戦、鶴田とゴディは6月4日、大阪城ホールで行われるインターナショナル・ヘビー級選手権試合の唯一のテレビマッチでの前哨戦となりましたが、10分36秒、馬場がミラノをカウンターの16文キックからの体固めでフォールし、全日本最強トリオが盤石の勝利。

セミファイナルにアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズが登場、対戦相手は石川とこれが「全日本プロレス中継」初登場となるターザン後藤組。マネージャーのポール・エラリングが背後に付き、手に持っていたウォールストリート・ジャーナルで合図をすると、ゴング前からウォリアーズが石川&T後藤を襲撃。

アニマルがT後藤をベアバッグに捕らえると、ホークがセカンドロープからのダイビング・ラリアット。1分25秒、ホークがT後藤を体固めに決めてウォリアーズの秒殺勝利に終わっています。

セミ前は長州&浜口組vsキッド&スミス組が激突、両チーム、スタートからリング狭しと動き回ります。長州がスミスをサソリ固めに捕らえてステップオーバー、するとキッドが入って長州の首筋にパンチを入れてカット、浜口がフォローに入りスミスを場外に落とすと、長州がキッドにリキラリアットを見舞ってキッドも場外ヘ転落。両軍入り乱れての乱闘となりましたが10分6秒、試合権利のある長州とスミスが両者リングアウトの引き分けとなりました。

M齋藤は5月20日の釧路市厚生年金体育館大会を最後にフェードアウトしていますが、これは前84年に起こした警察官暴行容疑に対して有罪刑が確定し刑務所に収監される為に帰国した説が濃厚です。

ダシランはあまりに試合ぶりが不甲斐なかったか5月22日の秋田県本荘市(現在の由利本荘市)体育館大会を最後に途中帰国させられました。
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