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2024年10月08日18:33

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ストロング小林さん追悼最終章(826)

日本プロレス史上最も盛り上がった1年だと思われる81年の日本プロレス界。81年と並んで、日本、いや世界のプロレス界における重要なターニングポイントとなった84年は前83年に起きた新日本プロレスの社内クーデターに端を発し、新日本プロレスが内部分裂。

UWF、ジャパンプロレスの誕生、その後の平成になってからの多団体時代へ突入するきっかけになった年です。アメリカではビンス・マクマホンのWWFによる全米制圧が始まり、NWA、AWAなどのテリトリー制プロレスが破綻するきっかけなる1年でしたが、新日本プロレスに関しては体力を奪われてトーンダウンし、全日本プロレスに多くのレスラーが集まり過ぎてしまい、パワーバランスが崩れました。

よって大きく盛り上がったのは第1次レスリング・ウォーと言える81年の方が上だと私は思います。81年の引き抜き抗争を私なりに考察していきたいと思います。

この闘いは両団体ガチンコの抗争説もあれば、馬場と猪木、合意の上でのトレード、という説もあり真偽のほどは不明ですが、私は「馬場と猪木が『基本的』合意の上でのトレード」説を採りたい。基本的に、というのはアウトラインでは合意しているが両者が細部に亘ってまで取り決めをしていた訳ではなく、新日本プロレスは新間寿営業本部長が猪木に任されていた、という意味です。

引き抜き抗争を思いついた要因はやはり両団体の外国人メンバーがマンネリ化、この時期何をやっても暮れの「世界最強タッグ決定リーグ戦」以外は客入りが悪く、地方中小規模会場や後楽園ホールでしかタイトルマッチが開催されなかった全日本プロレス。

ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクス、アブドーラ・ザ・ブッチャー&ザ・シーク組の抗争は盛り上がりましたが、ブッチャーとシークの仲間割れにより一段落、80年の最強タッグはブッチャーがキラー・トーア・カマタ、シークがグレート・メフィストと組んで参戦しましたが、双方が弱体化してしまいました。

馬場の3,000試合連続出場突破記念試合、1月18日のバーン・ガニア戦(AWA世界&PWFヘビー級ダブルタイトル戦)、2月15日のハーリー・レイス戦(NWA世界ヘビー級選手権試合)はいずれも後楽園ホールで開催。

当時は「派手なことを好まぬ馬場らしい選択」と美談的に書かれましたが、ガラガラの東京体育館や蔵前国技館で馬場の記念試合を組む訳にもいかず、超満員確実の後楽園ホールでの開催を選んだということでしょう。

81年夏には経営不振のテコ入れの為に日本テレビから元運動部長だった松根光雄他(82年1月1日付で社長に就任)役員が出向し、マッチメーカーには佐藤昭雄が就任しています。

では、好調だった新日本プロレスの方はどうだったか?

旗揚げ以来言われ続けていた弱体の外国人メンバー。この問題が徐々に解消していったのが78年からでWWWFとの提携路線が強化され、従来のアンドレ・ザ・ジャイアント+その他からボブ・バックランドを始めとしたWWWFの強豪が上がるようになり、同年11月の「プレ日本選手権」に狼軍団のボスとして新日本プロレスのリングに上がったヒロ・マツダが共同オーナーをしていたフロリダのCWF(チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ)とのルートが出来、翌79年にはジャック・ブリスコ、ダスティ・ローデスが新日本プロレスのリングに初登場。

従来のアンドレ、タイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセンが加わり、新日本プロレスは全日本プロレスと比べても遜色ないどころか、それを上回る外国人メンバーが集まった、と言えます。

しかし、猪木vsバックランド、猪木vsブリスコ、猪木vsローデスで観客動員が爆上がりしたかと言えばそうでもなく、客を呼んでいたのはアンドレとハンセンが一番で、シンとはNWFヘビー級王座を巡っての抗争は79年までで、80年からはメキシコのUWA世界ヘビー級王座を巡る闘いにシフト。猪木vsシンの抗争も7年やっていれば流石に飽きられてきました。

豪華メンバーが来ても、それだけで蔵前国技館を一杯にすることは出来ませんでした。費用対効果で外国人にかかる興行原価は高騰しているのに営業収入はそれに見合うほどは増えなかった。

さらに80年に開始した猪木のブラジルでの個人事業「アントンハイセル」に資金を注ぎ込まぬばならなくなった猪木は、唯一の収入源である新日本プロレスの業績を上げて代表取締役である自分の役員報酬を上限まで引き上げたいと考えた。

興行不振で窮地に陥った馬場、ハイセルで金が必要になった猪木が共謀し、両テレビ局から資金を出させて外国人レスラーをトレードし、対立構造を作り上げて現状を打破しようと考えたのではないかというのが私の考察になります。(この項続く)
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