mixiユーザー(id:21258650)

2021年11月22日06:04

254 view

ジャンボ鶴田怪物伝説(946)

87年のタッグリーグ戦については内容と興行的には歴史と伝統の全日本の世界最強タッグ決定リーグ戦の勝利に終わったと言っていいですが、全日本は12月11日、日本武道館大会が年内最終戦(16日後楽園ホールでの薗田の追悼大会は除外)。しかし新日本プロレスは年末の12月27日、日曜日に両国国技館でスペシャル興行「イヤーエンド・イン国技館」を開催し11,090人(超満員発表)の観客を集めました。

人気絶頂だったビートたけし率いる「たけしプロレス軍団」TPGが来襲、元はたけしがパーソナリティを務めるニッポン放送の「ビートたけしのオールナイトニッポン」の番組内での企画でたけしが応募して来た入門希望者をプロレスラーにするべく養成するというものであり、コーチには元全日本プロレスのアポロ菅原が就任、プロレス専門誌「週刊ゴング」リポーターだったウォーリー山口主宰の「ザ・マニアックス」が所有していたリングを使ってプロレスラーをデビューさせるという企画でした。

これに目をつけたテレビ朝日側が低迷する視聴率のテコ入れ手段として猪木及び新日本プロレスと絡むようにたけし側と話をつけてTPGの新日本プロレス殴り込みが決定。AWAで試合をしていた無名のレオン・ホワイト(欧州ではブル・パワー)をマサ齋藤のルートで招聘、日本で漫画家の永井豪にデザインを委任して甲冑の鎧を作り「皇帝戦士」ビッグバン・ベイダーに変身させ、TPGからの刺客に仕立て上げました。

TPGがリングに登場、たけしも姿を現しましたがストロングスタイル志向の観客からは受け入れられずブーイングと帰れコールの嵐。猪木とリング上で対峙しましたが総帥たけしはこの反応に対し凍りついたようにコートのポケットに手を突っ込んだまま表情はこわばり、一言も喋らず。

状況に応じてベビーフェイスとヒールを上手く使い分けていたM齋藤が「イノーキ、俺が連れてきた男と闘え!」とベイダーと猪木の対戦を要求しました。

この日のカードはメインイベントが猪木に長州が挑戦するIWGPヘビー級選手権試合、セミファイナルが藤波辰巳&木村健吾組vsベイダー&M齋藤組と発表されており、会場に詰め掛けた超満員の観客は84年8月2日、蔵前国技館で年間ベストバウトを受賞した猪木と長州の3年4か月ぶりの一騎討ちを楽しみにして来ました。

私はこの時客席にいましたが、「翌年(88年)の『新春黄金シリーズ』で猪木とベイダーが対戦するのだろう」と思っていました。しかし、猪木はM齋藤の挑発にあっさり乗ってしまい、カード変更。猪木はベイダーとシングルマッチで対戦、セミファイナルが藤波&木村健組vsM齋藤&長州組と対戦ということになりました。

これには観客が激怒、藤波&木村健組とM齋藤&長州組の試合の最中、客席からは「(試合を)やめろ!」コールと共にリング内にモノが投げ込まれ続けるという異常事態に。

試合は6分35秒、長州がリキラリアットから木村健を体固めに決めましたが、収拾はつかず。長州はマイクで「わかったから、これ以上(リングにモノを)投げるのはやめてくれ」とアピール。それでも群集心理に火がついた観客のセーブは利かず、猪木が長州、ベイダーと2試合行うことで事態を収束させようとしました。

猪木と長州のシングルマッチはノンタイトル戦として行われましたが殺気立つ観客の雰囲気でお互いに試合に集中出来ず大味な展開に。猪木が長州に卍固めを仕掛けたところでセコンドの馳浩が乱入して卍をひっくり返して6分6秒、長州の反則負け。

折角当初の発表通り実現した猪木と長州のシングルマッチでしたが観客の不満は募る一方、続けて行われた猪木とベイダーのシングル初対決(ベイダーの初来日第1戦)は猪木がベイダーのリフトアップスラム、パワースラムの前に僅か2分49秒でフォール負け。

これに怒りを加速させた観客は暴徒と化し、国技館の設備を毀損するなどして暴動事件となりました。84年6月14日、蔵前国技館でのハルク・ホーガンvs猪木のIWGP決勝の時は取り壊し前ということで特段のお咎めはありませんでしたが新国技館はそうはいかず、新日本プロレスは1年以上に亘って国技館が使用出来なくなりました。

新日本プロレスは3月26日、大阪城ホールでの猪木vsM齋藤戦に次いで1年間に2度の暴動騒ぎを起こし、ファンの信用を大きく失墜させることになりました。海賊男やTPGなど猪木の考えるギミックと観客のニーズが大きくかけ離れてしまったことが明らかにされた訳で、おそらく10年前なら通用したかも知れませんが、当時は歓迎されなかったと言えます。

長州達に去られた全日本プロレスは派手な仕掛けはありませんでしたが、天龍同盟の身体を張ったプロレスには嘘がなく、天龍同盟と対峙する側の鶴田、輪島大士らも文句一つ言わす立ち向かった全日本プロレスはファンの信頼を得ることに成功した訳です。

※1987年編は今回で終了致します。次回から実質昭和最後の年、1988年編がスタートします。田上明、小橋健太、菊地毅らがデビュー、三冠王座統一ロードがスタート、2大タッグ王座統一、ブルーザー・ブロディ、プエルトリコで刺殺される。阿修羅・原解雇など、お楽しみに!
7 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年11月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930