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2024年10月18日07:20

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ストロング小林さん追悼最終章(836)

83年「サマー・ファイト・シリーズ」終了後に起きた二つの大事件。やはり「好事魔多し」といったところでしょうか。

8月10日、人気絶頂だったタイガーマスクはテレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの!?」にゲスト出演予定でしたが、出演を突如としてキャンセル新日本プロレスに契約解除の内容証明郵便を送付し引退を発表しました。

翌8月11日マスコミに引退を発表したタイガーマスクは12日に富士観会館に素顔で姿を現し、山本小鉄、大塚博美(テレビ朝日から出向)にNWA世界ジュニア・ヘビー級、WWFジュニア・ヘビー級の2本のベルトを返上、正体が佐山聡であることを自ら明かしました。

もう一つが猪木がブラジルで行っているバイオテクノロジー事業「アントンハイセル」に新日本プロレスの営業資金が流用されているのでは?という疑惑から来る社内クーデター。

8月25日新日本プロレスの臨時取締役会が行われ、代表取締役社長である猪木、取締役副社長坂口征二、専務取締役営業本部長新間寿の3人が取締役を解任され、代わって山本小鉄、大塚博美、望月和治の3人複数代表によるトロイカ体制になることが発表されています。

この2つはリンクしていますが改革派は実際は一枚岩ではなくタイガーマスク引退はショウジ・コンチャこと曽川庄司が関与しており、クーデター派は営業部長だった大塚直樹が中心人物として暗躍。これが翌84年の新日本プロレス分裂、UWF、ジャパンプロレス誕生につながります。

誰かが抜ければ誰かが台頭してくるのが新日本プロレスの歴史と伝統。この伝統の最初に定義づけられるのがこの時でした。

この時の議事録が「Gスピリッツ」に掲載されましたがこの時点でストロング小林はまだ取締役に就いていました。

タイガーマスク引退報道の時、猪木はカナダ・カルガリーにおり、海外初マットとなる高田伸彦(延彦)のセコンドにつきました。高田は未来日でスティーブ・ライトの弟という触れ込みのアーサー・フォーリーをジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールドで破りました。

8月26日大宮スケートセンターで開幕の「ブラディ・ファイト・シリーズ」第3戦8月28日田園コロシアムで猪木が約3か月ぶりに復帰、ラッシャー木村を卍固めで破り、復帰戦を白星で飾りましたが猪木は試合後にマイクを持って「てめぇらの首掻っ切ってやる!」と怒鳴り怒りを顕にしました。

タイガーマスクのいない新日本プロレスの巡業風景はやはり寂しい…。

リング上では猪木が9月9日熊本県立総合体育館でキラー・カーンを相手に鉄拳制裁を加えて最後は反則勝ち。9月16日埼玉県吉川町総合体育館でのアニマル浜口戦ではバックドロップホールド気味のジャーマン・スープレックスホールドを出して気力充実をアピールしています。

9月21日大阪府立体育会館で猪木はR木村と再戦を行い、R木村を鉄柱攻撃、ナックルパートで大流血に追い込みKO勝ちし「キラー猪木」ぶりを発揮。

10月7日後楽園ホールで開幕の「闘魂シリーズ」に谷津嘉章が凱旋帰国し長州力の維新軍入りを表明しました。

11月3日蔵前国技館では正規軍対維新軍4vs4綱引きマッチが行われ、当日リングに置かれた綱を両軍が引いてカードが決定。猪木は、凱旋帰国の谷津を延髄斬りからの体固めで撃破、藤波とKカーンは両者リングアウト、前田明(日明)は維新軍大将長州力とシングルマッチを行い、サソリ固めを決められましたがギブアップせず、無念のレフェリーストップ負け。坂口は浜口にフェンスアウトの反則負けとなり4戦2勝1敗1分で維新軍が団体では勝利を飾りました。

他には寺西勇も維新軍入りし、これで準レギュラーのタイガー戸口が加わり長州、Kカーン、浜口、谷津、小林邦昭、寺西と併せて最大7人となりました。

この日はカルガリーでジョージ高野が変身したマスクマンのザ・コブラが帰国しタイガーマスクが保持していたNWA世界ジュニア・ヘビー級王座決定戦をマスクマンのザ・バンピートと行っていますが、バンピートは試合前に自らはマスクを脱ぎ、ダイナマイト・キッドの従兄弟にあたるデイビーボーイ・スミスの正体を明かしています。

試合はコブラがダイビング・ボディアタックからの体固めでフォール勝ちし王座獲得していますが、試合は空中技のミスも多くタイガーマスクの試合ぶりを見慣れた観客からは不満の声が上がりました。 

11月11日に港区南青山の新日本プロレス事務所で行われた臨時役員会で猪木、坂口がそれぞれ代表取締役社長、取締役副社長に復帰、山本小鉄以下トロイカ体制は3か月も持たず崩れました。テレビ朝日の三浦甲子二専務が「お前達が勝手なことをやるなら猪木、坂口で新団体を作ってウチはそちらを放送する」という強権発動をしたことによるものでした。

11月18日後楽園ホールで開幕した「第4回MSGタッグ・リーグ戦」では猪木はハルク・ホーガンと組んで2年連続エントリー。6月2日蔵前国技館での「舌出し失神事件」から初めて同じリングに立った両者はタッチワークがギクシャクした場面も見られましたが12月8日蔵前国技館での優勝決定戦ではディック・マードック&アドリアン・アドニス組と対戦、11分10秒、猪木が延髄斬りからの体固めでアドニスを破り、2連覇を達成。

シリーズ終了後猪木はカナダに飛び12月19日バンクーバーのアグロドームで未来日のケリー・ブラウンと対戦し反則勝ちしています。

激動の83年を経て新日本プロレスに激震が走る84年に突入することになります。
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