79年11月30日、徳島市立体育館で猪木はボブ・バックランドを28分16秒、バックドロップからの体固めで破り日本人としては初、第9代WWFヘビー級王者となりましたが、バックランドがハイアングル・アトミック・ドロップから猪木をフォールした時のカウント2と猪木がバックドロップからバックランドをフォールした時のカウント3はほぼ同じ位の速度に感じました。
猪木は藤色タイプのWWFヘビー級チャンピオンベルトを腰に巻きました。
ちなみに本連載(540)で触れた馬場の2度目のNWA世界ヘビー級王座戴冠ですが、10月31日、愛知県体育館でハーリー・レイスを破り第55代王者となった後は、11月5日、宮崎県串間市民体育館でレイスをフライング・ボディシザースドロップからの体固めで破り初防衛。
11月7日、尼崎市体育館でダイビング・ボディアタックをレイスに切り返されてフォール負けを喫して王座転落、レイスが第56代王者に返り咲きしており、前回のこれより5年前のジャック・ブリスコを破って第49代王者となった初戴冠の時と同じ7日天下に終わっています。
このあたりは全日本プロレスとの興行戦争のくだりでさらに詳しく書いていきますのでお楽しみに。
この日の「ワールドプロレスリング」生中継ではこの一戦のみが放送されています。
徳島大会の他の試合の結果ですが、セミファイナルは藤波辰巳&木戸修組がタイガー・ジェット・シン&ペドロ・モラレス組と対戦したタッグマッチ45分3本勝負。
1本目は9分46秒、両チームリングアウトとなり1−1。決勝の2本目は1分8秒、シンがコブラクローで木戸を破り、2−1でシン&モラレス組が勝利を飾っています。
本編の「ワールドプロレスリング」生中継では放送されていませんが、セミのタッグマッチは96年12月に開局したCS放送「ファイティングTVサムライ」の初期の看板番組「闘いのワンダーランド」で試合が終了した後の場外乱闘シーン終盤部分がほんの少しだけ流れていました。
「闘いのワンダーランド」はテレ朝チャンネルの「ワールドプロレスリングクラシックス」のナンバーにもない試合も放送されており、もう一度放送してくれないかな、と切に願っております。
セミ前ではグレッグ・バレンタインは木村健吾を9分5秒、片エビ固めで破り、坂口征二はニコリ・ボルコフに6分23秒、逆エビ固めでギブアップ勝ち。ストロング小林は永源遙を7分56秒、片エビ固めで破りました。
11月16日夜、トロント空港の閉鎖で予定より1日来日が遅れたシンはチェーンを持って来日会見を行い、「猪木よ、チェーンデスマッチで俺と決着をつけよう」とチェーンデスマッチでの決着戦を要求しました。
猪木は11月23日、鹿児島県立体育館でのテレビ生中継メインイベント、坂口と組んでシン&ジョニー・パワーズ組との試合でもシンからチェーンで挑発されましたが「今回は大事なバックランドとのタイトルマッチ2連戦があり、タイトル戦に集中したい。シンとのチェーンデスマッチはやりたくない」とこれを謝絶。
シリーズの残り日程を見ても猪木とシンのチェーンデスマッチを行うのは難しいところでした。
そこで猪木の代わりに手を上げたのが坂口。坂口は11月28日、岡崎市民体育館大会終了後「東京スポーツ」の取材に応え、シンとチェーンデスマッチで闘うと表明しました。猪木は「今回は坂口の男気に感謝したい。」これを支持。
シリーズ最終戦12月6日、蔵前国技館では当初、坂口、ウィリエム・ルスカがそれぞれ柔道5人掛けを行うと発表されましたがカード変更、ルスカの蔵前国技館大会への参戦はなくなり、坂口vsシンのチェーンデスマッチ時間無制限1本勝負が行われると発表がありました。
もう一つこの時期浮上していた話題が坂口とシンによる「北米ヘビー級王座統一戦」の件。9月21日、仙台・宮城県スポーツセンターでシンが坂口を破りNWF北米ヘビー級王座を獲得しました。
シンに敗れた坂口でしたが、11月8日、小樽市総合体育館でパット・パターソンを破ってWWF北米ヘビー級王座を獲得。
WWF版の北米ヘビー級王者となった坂口はシンへのリベンジの思いも込めて「北米ヘビー級王者は2人要らない、統一戦をやろう!」とアピールしましたが、今回はデスマッチでありタイトル戦には相応しくない、という理由で見送られています。
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