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2023年02月14日22:56

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週プロ流智美あの日あの時予想2021年総括(37)

第203戦、9月15日発売号●【予想】東京12チャンネル時代の幕開け、「スーパー・ワイド・シリーズ」開幕戦(74年国際プロレス後楽園ホール)【正解】日韓対抗戦の軸となった大木と鶴田の抗争(77年韓国・仁川市体育館)

【予想解説】今回の予想は本連載(25)の正解「大巨人アンドレ・ザ・ジャイアントが古巣国際プロレスに参戦」の続編とも言える内容ですが、この年の序盤、エースであり現役IWA世界ヘビー級王者だったストロング小林の離脱、6年3か月続いたTBSの中継打切、凱旋帰国が予定されていた大剛鉄之助の帰国直前の交通事故によるレスラー生活断念という未曾有のトリプルショックに見舞われた国際プロレス。

吉原功社長の早稲田大学レスリング部の先輩にあたる東京12チャンネル(テレビ東京)運動部長、白石剛達(たけみち)氏の肝入りで3回に亘る単発放送の結果、良好な視聴率を獲得して秋の番組改編期から同局でのレギュラー放送が決定しました。

74年7月8日に高田馬場にあった国際プロレス事務所にて、吉原と白石が記者会見を行い、レギュラー中継を9月23日から開始することを発表しました。会見の席上で白石部長は、「9月23日に特番で放送し、10月からレギュラー中継を開始する。1年契約とし、状況により契約を更新する」吉原社長は「視聴率は10%台に乗せたいところだが、当面は8%台を目指す」とコメントしました。

レギュラー放送開始に関しては、東京12チャンネルの大株主である日本経済新聞社が仲介人を務めました。当時、関東ローカル局であり、東京キー局の民放は「3強(日本テレビ、TBS、フジテレビ)1弱(NET)1圏外(東京12)」と言われていた時代であり、東京12チャンネルが国際プロレスに支払う放映権料は、TBSの「TWWAプロレス中継」末期、毎週土曜日午後2時より30分枠よりも低かったそうですが、経費が出ていかない定期収入が入ってくるのは何よりでした。

9月15日、後楽園ホールから「スーパー・ワイド・シリーズ」が開幕、8月16日、コロラド州デンバーでビル・ロビンソンを破ってIWA世界ヘビー級王座を獲得したスーパースター・ビリー・グラハム(実際にはこの試合は行われていないという説が有力)が初来日。

他にバロン・フォン・ラシク、ニック・カーター(ブッチ・ミラー)&スウィート(ルーク)・ウイリアムス組のザ・キウイズ(ザ・シープハーダーズ、ブッシュワーカーズ)、ハンス・ロックスの外国人レスラーが来日。

また、東京12チャンネル側からの注文として「女子プロレスを放送させること」という付帯条件が付き、旧日本女子プロレス、東洋興行に所属していた小畑千代、佐倉輝美、千草京子の3選手により国際プロレスの女子部が設立され、「スーパー・ワイド・シリーズ」にはファビュラス・ムーラ、サンディ・パーカー、ポーラ・ケイの3人の外国人女子レスラーが来日。

放送時間帯は毎週月曜日午後8時からの60分枠で日本テレビによる読売ジャイアンツ主管試合が月曜のプロ野球中継で放送されないためにこの時間帯が設定されました。

74年9月23日の初回特番は開幕戦より後の日大講堂からの生中継が先に放送され、ラッシャー木村&グレート草津組がグラハム&ラシク組を2−1で破り、IWA世界タッグ王座7度目の防衛、小畑はムーラを2−1で破りIWWA世界女子王座を防衛しています。

開幕戦の模様は9月30日、10月7日に分かれて放送され、R木村&草津組がカーター&SWウイリアムス組を2−1で破り、グラハムのIWA世界ヘビー級王座への挑戦者に抜擢されたマイティ井上はラシクを2−1で撃破。

初来日のグラハムはアニマル浜口を降し、小畑&佐倉組はムーラ&ケイ組を2−1で破ってIWWA太平洋沿岸タッグ王座を防衛しています。

また、放送は前後しましたが、日本で初の個人入場テーマ曲となるグラハムの入場テーマ曲「ジーザス・クライスト・スーパースター」(101ストリングスオーケストラ)が流された記念すべき日でもあります。

番組開始当初は「ファイティング・アワー」というタイトルで、年間52週中、30週が「国際プロレスアワー」で残り22週がプロボクシング中継、キックボクシング中継など特別番組が放送されています。東京12チャンネルが関東ローカルの為、収録会場も関東近県に留まり、1会場2回放送が定番ローテーションになっていました。

IWA世界ヘビー級王座とIWA世界タッグ王座の両ベルトも当時流行だったニキタ・マルコビッチ製のベルト(猪木のNWF世界ヘビー級ベルト、ブルーノ・サンマルチノが締めていたWWWFヘビー級ベルトに似たデザイン)に新調。また、TBS時代には吉原社長のみで行っていたテレビ解説者も、日本テレビ「全日本プロレス中継」やNET「ワールドプロレスリング」同様に外部から登用しました。

女子プロレスの試合の解説は「女子プロレス中継、世界選手権シリーズ」の解説を担当していたスポーツ、芸能評論家の小島貞二氏が務めましたが、メインの解説を担当したのは東京スポーツ新聞社の門馬忠雄。

日本テレビ「全日本プロレス中継」が山田隆、NET「ワールドプロレスリング」が桜井康雄とメイン解説を東スポ記者が占めていたところから、「3団体全部、東スポが独占だ!」と井上博社長(当時)が東京12チャンネルにねじ込んだものでした。

福島県出身で訛りがあり、喋りが苦手だった門馬は東京12チャンネルから解説の依頼があった際、「放送中に酒を飲みながらでもいいなら引き受ける」と返答していましたが、東京スポーツは社の方針として女子プロレスは紙面で扱っておらず「女子の試合は解説するな」と言われ、女子プロレスの解説はしていません。

【正解解説】全日本プロレス「77年サマー・アクション・シリーズ2」が9月9日、後楽園ホールで閉幕すると、サムソン・クツワダ、ロッキー羽田、百田光雄、園田一治、シリーズに来日していたタンク・パットン、スウェード・ハンセンは翌10日〜16日までの日程で大木金太郎率いる金一道場主催の大会に参加。釜山、広州、大邱、仁川など6都市をサーキットしています

9月15日の仁川市体育館大会のイベントは大木&梁承揮(後の力抜山、ストロングマシン2号)がクツワダ&羽田組を2−1で撃破。
 
この日、百田義浩リングアナと共に韓国旅行に来ていた鶴田が試合会場に姿を現し、急遽日本チームのセコンドにつきましたが、3本目に日本側コーナーに来た梁に対して鶴田が手を出しました。

試合後、大木が激怒。鶴田を挑発して鶴田はリングへ。上がってきたところへヘッドバット攻撃。これで場外に落ちた鶴田は額から流血。

思わぬ乱入からの流血に鶴田は「韓国には練習の息抜きのつもりで来たが、こんな事になろうとは。リングの上に来いと言うから上がったが、俺もうかつだった。こんな事なら自分が試合をやるんだった。」とコメント。

一方の大木は「鶴田は何しに仁川の試合場に来たんだ。馬場に言われて偵察に来たんだろう。見ているだけならいいが、梁に手を出したから頭突きを見舞っただけの事。悪いのはジャンボの方だ。」と激怒しました。(コメントはいずれも77年9月18日付、17日発行の「東京スポーツ」より)

コラムのタイトルは「日韓対抗戦の軸となった大木と鶴田の抗争」ですが、大木と鶴田はこの年の7月28日、品川スポーツランドで互いの保持するアジア・ヘビー級とUNヘビー級王座を賭けたダブル・タイトル戦(鶴田試練の十番勝負第9戦)で対戦、1−1から両者リングアウトで引き分けており、この時点では一段落。

次期10月1日、古河市立体育館で開幕する「ジャイアント・シリーズ」序盤の5日、大阪府立体育会館では大木は馬場とのPWFヘビー級、アジア・ヘビー級ダブル・タイトルマッチが決まっており、日本向けには馬場が行ったほうがタイムリーでしょう。

しかし、韓国では11月7日に、ソウル市文化体育館で馬場&鶴田組のインターナショナル・タッグ王座に大木&キム・ドク組が挑戦、2−1で大木&ドク組が2度目の同王座戴冠を果たしており、そちらの事前PRだったかと思われます。

※対戦成績は203戦38勝165敗、勝率187。 
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