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2022年04月14日06:25

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ストロング小林さん追悼(98)

一方、エースであり、現役のIWA世界ヘビー級王者だったストロング小林に去られ、6年3か月に亘ったTBSの中継打ち切り、凱旋帰国が予定されていた大剛鉄之介が交通事故で右足首切断という、プロレスラー生命を断たれる重傷を負うという、経営危機に陥るトリプルショックに見舞われた国際プロレスの吉原功社長に救いの手を差し伸べたのは、全日本プロレスの馬場でした。

吉原社長が小林と会う2日前、大剛の事故の起きる10日前の74年3月8日、新宿区高田馬場のビアレストランで記者会見を行い、馬場が「旗揚げシリーズから選手を派遣してくれた吉原さんの恩に報いるため」と次期「チャレンジ・シリーズ」前半戦に馬場が、全日本プロレス所属の大熊元司、高千穂明久、サムソン・クツワダの3選手を帯同してシリーズに参戦すると発表。

「チャレンジ・シリーズ」は4月22日、埼玉県大宮スケートセンターが最終戦ですが、全日本プロレス勢は4月13日、千葉県船橋ヘルスセンター・ローラースケート場から春の祭典「第2回チャンピオン・カーニバル」が開幕するまでの特別参加となりました。

「チャレンジ・シリーズ」開幕戦、3月26日、仙台・宮城県スポーツセンター(観衆5,000人満員発表)では馬場は72年11月29日、東京体育館以来1年4か月ぶり、「馬場さん、お先にどうぞ」で物議を醸したグレート草津とタッグを組んでテキサス・マッケンジー&トニー・マリノ組と対戦。1本目は19分30秒、マッケンジーが草津をブルドッキング・ヘッドロックから体固め、2本目は6分2秒、馬場がマリノを16文キックから体固め、決勝の3本目は7分15秒、草津がマッケンジーを回転エビ固めで破り2−1で馬場&草津組の勝利。

高千穂&クツワダ組は寺西勇&アニマル浜口組と30分時間切れ引き分け、大熊はザ・ブルート(マイティ・ブルータス、バグジー・マグロー)に9分50秒、体固めで敗れました。

控室で吉原社長が会見、「とにかく馬場君のご厚意には大変感謝しなければならないと思っている。全日プロとはこれからも手を結んでいくし、協力し合う体制が出来上がった。全日プロとの協力体制ができたから、次の全日プロのシリーズには、ウチから2、3人の選手が参加する事になります。」

記者「提携はいつまで?」吉原「両団体がある限りというしかないね。これからは興行のぶつかり合いを防ぎ、営業部員同士で話し合いの場を持ち、この友好ムードを2団体の発展のエキスにしたい。」

と全日本プロレスと協調路線を再開する方針を明らかにしました。馬場達4人は4月10日、島根県出雲市体育館大会まで特別参加、4月11日、全日本プロレス勢参戦最終日に予定されていた大阪府立体育会館大会は国鉄のゼネラルストライキの為、電車が動かず中止になりました。

4月13日、船橋ヘルスセンター・ローラースケート場で開幕した全日本プロレスの「第2回チャンピオン・カーニバル」には国際プロレスから浜口と栄勇(スネーク奄美)が参戦。また馬場は国際の「チャレンジ・シリーズ」に初来日したカナダのセーラー・ホワイトを気に入り、来日中止となったマリオ・ミラノの代打として、国際プロレスのシリーズと日程が被らない大会に参加させています。

ホワイトは国際と全日本のスケジュールを掛け持ちし、さらに5月11日、新潟県五泉市民会館で開幕の次期「ダイナマイト・シリーズ」にも残留。船乗り上がりの荒い気性に裏打ちされた度胸と思い切りの良いファイトぶりで吉原社長、馬場から高評価を得ましたが、帰国後は大幅にウェイトアップしてしまい動きは鈍くなりました。

吉原社長からすれば猪木と新日本プロレスはエース、小林を引き抜かれた上に負けさせ、「国際プロレスは新日本プロレスより弱い」というイメージをファンに植え付けられてしまったことで恨み骨髄の相手。この時点で新日本プロレスvs全日本プロレス&国際プロレス連合という図式が出来上がり「両団体がある限り」続けられると言っていた提携は78年まで続くことになる訳です。

しかし、エースを失い、テレビ放送を打ち切られた国際プロレスと全日本プロレスでは全日本旗揚げの時よりパワーバランスが逆転、吉原社長は馬場に主導権を握られてしまい、一気にマイナー団体化していきます。

新日本プロレスも前73年4月に日本プロレスが崩壊したことで、この74年から「春の本場所」ワールド・リーグ戦をスタートさせ4月5日、後楽園ホールで開幕。日本プロレス時代のワールド・リーグ戦は日本人側と外国人側の対抗リーグ戦でしたが、新日本プロレスでは先ず、16選手による日本人対外国人の対抗戦による予選リーグ戦を行い、各上位4名、8選手による総当たりリーグ戦による決勝リーグ戦を開催。

4月26日、広島県立体育館(テレビ生中継、観衆5,800人超満員発表)では猪木と坂口征二の同門対決が実現、30分時間切れ引き分けとなりました。猪木vs小林戦に続く日本人同士の大物対決にファンは酔いしれました。

優勝決定戦は5月8日、東京体育館(テレビ収録、観衆8,100人満員発表)で行われ、猪木、坂口、キラー・カール・クラップの3人が5.5点の同点首位に。3人による巴戦(先に2勝した選手の優勝)となりました。

第1試合は坂口とクラップが対戦、12分46秒、坂口の反則勝ち。第2試合では猪木と坂口が対戦、しかし、試合中にクラップとジ・インベーダー(ビル・ドロモ)が乱入し坂口を場外に落として本部席の机、鉄柱に打ち付けて流血させ、15分42秒、出血多量によるドクターストップで坂口の負け、棄権となりました。

この結果第3試合の猪木vsクラップが優勝決定戦となり、7分16秒、弓矢固めで猪木がクラップをギブアップさせて初優勝。

この東京体育館大会にニューヨークの大プロモーター、WWWFの運営会社であるキャピタル・レスリング・コーポレーションの代表であるビンス・マクマホン・シニアが来日していますが、この時のビンス・シニアと新間寿営業本部長との話し合いで小林のWWWFでの修行が決まりました。

外国人勢が弱体と言われながらも、「ワールド・リーグ戦」は日本人対決もあり盛況。全日本プロレスの「第2回チャンピオン・カーニバル」もザ・デストロイヤーとアブドーラ・ザ・ブッチャーの血の抗争が大当たり。(4回対戦して決着つかず両者失格)、5月11日、前橋・群馬県スポーツセンター(テレビ生中継、観衆4,500人満員発表)で行われた優勝決定戦では馬場がミスター・レスリング(ティム・ウッズ)を2−1で破り2連覇を果たしています。

日本プロレス界は「二強一弱」の時代になっていきました。

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